迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

J・エドガー

2012年03月28日 | さ行 外国映画
フーバー長官。名前はよーく知ってた。とにかくいろんな映画に登場。60年代の、陰謀渦巻く事件が次々と起こっていたアメリカでは絶対の必需品。間違ってもいい印象ではなく、この陰謀の裏には、彼がいる!とか、いろんな秘密を牛耳ってるとか。。。

だから実力があるのか、フィクサーだったのか?と言うわけではなく、自分のキャビネットにとにかく秘密を握っていること、それが重要なようだ。もし、秘密を牛耳り、政治の実権を掌握したり、アメリカを左右させようと言うのなら、もっと違った使い方(?)が出来たのではないかと思う。

とにかくよくわからない人物だったが、この映画でよーくわかった。とにかくものすごい真面目な人。頭がよくキレると言うタイプではなく、猪突猛進、この愛するアメリカを左に向かせようなどいう輩は絶対に許せない。そのためにはどんなことでもする。まるで、マインドコントロールでもされたかのようにひたすらアメリカを守る!そのために生涯をささげた人。そんな人に見えた。

フーバーは1917年に司法省に入る。その時世界は第一次世界大戦の真っ最中。そしてロシアで起こった革命。そして米国内で次々と起きるテロ事件は、今まさに台頭している社会主義運動のせい・・・になる。フーバーは率先して、社会主義運動家たちを摘発して行くが、彼にはゆるぎない信念がある。アメリカの敵を倒す!

これだ!アメリカを牛耳ってきた考え。常に敵がいる。敵がいることによって国を一つにまとめ上げて行く。フーバーが目指したのはそれとは違って、彼の仕事ぶりは非情にパーソナルな気がする。でも結果的に、アメリカをまとめる、一つにした最大の功労者だったのかもしれない。

敵はコミュニストだけではない。ギャングも、ファシストも、公民権運動も、アメリカを脅かすものである限り、彼は守り続けた。戦ったのではなく、ひたすら守ってきた。何のため?何のためだったんだろう・・・。

と言うことで、映画の作りは回顧録を残そうとしている老境のフーバーと、彼が駆け出しのころから、彼のFBIを組織し、どんどんと駆けのぼりながら、孤独に過ごしてきた道を思いだしながら、現在と過去が行き来する。うーん、ちょっと行き来しすぎかなあ~。イーストウッドの作りに、時間がこれほどまでに交錯するのは無かったように思うが、過去をじっくり見せて、時間軸に徐々に老境に近づいて行く。。。と言うのでもよかったような気がした。大先生に文句を言うなどおこがましいが、忙しすぎた。

実際のところ、フーバーがどんな人間で、何を目指し、具体的にどんなことをしたのか・・と言うのは、誰にもわからないことだと思う。これも一つの解釈。一人の類いまれなる信念を持った人間によって、比類なき組織が出来上がったのは事実。きっちり仕事をするためには、非情であることも、突出した力を持つことも、法外な権利も必要なのかもしれない。

そんな組織が必要であったアメリカという国の欠陥も見えるが、力を持つものは嫌われる。嫌われることを厭うようじゃ、FBIなんて面白くない。


実際のところ、どんな人物なのか、パッと顔も思い浮かばないのでイメージはない。なもんで、ベビーフェイスのまんま、子供がそのまま大人になっていったようなレオ君が、これからフーバーと言ったら、リンクしてしまいそう。神経質で真面目、妥協できない性格、執念深く、あきらめない。ぴったりの仕事だったのだろうなあ。一番のキーパーソンは、実は秘書?

◎◎◎○

「J・エドガー」

監督 クリント・イーストウッド
出演 レオナルド・ディカプリオ ナオミ・ワッツ アーミー・ハマー ジョシュ・ルーカス ジュディ・デンチ

コメント (10)   トラックバック (11)   この記事についてブログを書く
« 密告・者 | トップ | パーフェクト・センス »
最近の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
レオくん (KON)
2012-03-29 17:23:04
今回も熱演でした。
だが、彼どうも「アビエイター」とかぶる印象。
実在の大物人物をやりたくてたまらない?印象です。
うまいんだけど、童顔だから、ああいういかついじいさんを演じるのは、ちょっと大変そうだった、かな。
エドガー・フーバーという人を今回ほぼ初めて知りました。
こんな初心者にもすんなり入れる演出はさすが大先生。
あくまで「この時はこうだった!」と声高に主張せず、公平な目線で描くところに好感が持てました。
Unknown (KLY)
2012-03-29 23:04:31
私はこの作品を伝記物語として期待していたもので、エドガー個人の苦悩はともかく、もう少しエピソードに振って欲しかった思いはありました。ありましたと過去形なのは『マーガレット・サッチャー』を観たらこの作品の方が十分に伝記してると思ったから(苦笑)
レオくん頑張ってましたけど、なんかどうも背伸びしてないですかね。正直老け顔には笑ってしまって…
>KONさま (sakurai)
2012-03-30 16:13:35
自ら直訴したそうですからね。
エドガーもそうですが、イーストウッドと仕事をしたかったのかもです。
レオ君、孤独に苦悩するというのが本人は似合ってる・・と思っているのかもですが、どうでしょうね~。
顔つきはまだしも、声だけはどうしようも無いですからね。もうちょっと年とって言ったら、一体どんなふうになるのか、ちょっと怖いもの見たさ。
顔はジャック・ニコルソンなのはわかるんですが、声はどうなるのかな~。
物語は、アメリカ近代史と言うつもりで臨みましたので、なんら支障はなく、とっても興味深かったです。
>KLYさま (sakurai)
2012-03-30 16:20:46
見る前になるべく情報は入れないようにしてますが、これは伝記っぽいのではない。。と言うのと、サッチャーで免疫が出来てたせいか、結構興味深く見れました。
アメリカ近代史・・を見る!と言う風に。
FBIと言うと、映画では嫌われものとして出てくることが多いですが、フーバーの功罪でしょうね。
お恥ずかしいことに。 (mezzotint)
2012-04-03 23:51:40
私もエドガー・フーバーという人物を
この映画を観るまで知りませんでした。
伝記もの自体疎いもので、もっと事前に
知っておくべきかなあと。
とは言いながら、今回こうしてエドガー
なる人物がどういう人なのかを勉強させて
頂いたことだけでも収穫はあったかもです。
>mezzotintさま (sakurai)
2012-04-04 19:21:42
結構、いろんな映画に名前だけですが、ちょこちょこでるんですよね。
なもんで、お名前だけは存じ上げてましたが、こういう切り口はとっても興味深かったです。
伝記と言うより、フーバーが生きたアメリカの近代史・・と思って見るのも一考かと。
そういうのの描き方は、さすがっす、イーストウッド。
こんばんは (はらやん)
2012-04-21 23:24:47
sakuraiさん、こんばんは!

信念があった人とうのは間違いはないのでしょうね。
あれだけの現代的な組織を作り上げたのですから。
でもやはり功罪みたいなものはあったのでしょうね。
力はないと物事が進まなくなっちゃうし、あってもそれを良心的に使うっていうことができなかったりするし、なかなか難しいもんです。
>はらやんさま (sakurai)
2012-04-22 15:49:54
アメリカの古き良き時代から、闇から光から、いろんなものと一緒に生き抜いた人ですが、あの時代だからこそ出来あがった組織だったのでしょうね。
良くも悪くも。
この良くも悪くもと言うのがポイントで、悪くってもしようがなかったんだよ・・で終わらせちゃまずいわけで。
とにかく、さすがの描き方でしたが、事実であることが彼に制約を与えたようで、もうちょっと自由な題材で、自由な映画があってるようなきもしました。
Unknown (Quest)
2012-06-22 01:34:57
こんにちは。

共通の敵は身内の結束を固くすると言いますが、フーバーの場合は孤独が際立っていましたね。実は孤独ではなかったと思いますが、感情は本人の感じ方次第ですからね。
ただ、実はマザコン的な映画だと思っていて、母親の呪縛から女装癖や同性愛的傾向も抑え込んだと考えると、死ぬ間際に愛を伝えたシーンは良かったです。
イーストウッドらしい人間ドラマでした。
>Questさま (sakurai)
2012-06-23 14:23:42
身内の結束を固くする・・と言うよりは、結束させるために、共通の敵をつくりだした!って感じですかね。
アメリカの多民族国家の場合は、特にそれが必要だったとつくづく思います。
マザコンの印象が強く残ってしまいましたが、そこは描き過ぎたんじゃないかなと感じました。
あたしは、もうちょっと現代史の部分を見たかったなあと思ってます。

コメントを投稿

さ行 外国映画」カテゴリの最新記事

11 トラックバック

J・エドガー (Some Like It Hot)
■「J・エドガー/J.Edgar」(2011年・アメリカ) 監督=クリント・イーストウッド 主演=レオナルド・ディカプリオ ナオミ・ワッツ アーミー・ハマー ジュディ・デンチ 2012年最初の映画館詣で。あれこれ迷った末、僕が選んだのは「J.エドガー」。主人公...
J・エドガー/J. Edgar (LOVE Cinemas 調布)
クリント・イーストウッド監督最新作。FBI初代長官ジョン・エドガー・フーバーの半生を描いた伝記物語だ。大統領ですら手が出せないほどの権勢を誇った男の人生の裏側を赤裸々に映し出す。主演は『インセプション』のレオナルド・ディカプリオ。共演に『愛する人』の...
J・エドガー (風に吹かれて)
FBIに48年君臨した男公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/hoover監督: クリント・イーストウッドFBI初代長官として、アメリカの秘密を握ってきた男、J・エドガ
『J・エドガー』 毛布をかけてもらうには? (映画のブログ)
 【ネタバレ注意】  クリント・イーストウッド監督がJ・エドガー・フーバーの映画を撮る!  その報に接したとき、あまりにも上手い組み合わせに驚くとともに、傑作になることを予感してワクワクした。 ...
J・エドガー(2011)☆★J. EDGAR (銅版画制作の日々)
 だれよりも恐れられ、だれよりも崇められた男。デカプリオ&イーストウッド監督初のコラボが実現! 評価:=60点 東宝シネマズ二条にて鑑賞。 これは事前にジョン・エドガー・フーヴァーなる人物について知っておくべきでした。まだ未見の方、その方が良いと思いま...
J・エドガー 自らの権威にここまで執着する人物ってすごい!ってのを見事に描いていた (労組書記長社労士のブログ)
【=7 -0-】 最近、クリント・イーストウッド監督の作品は絶対に見逃せないと思っている。 封切りからずいぶん経ってしまったが、先日ようやく鑑賞できた(上映時間がなかなか噛み合わなかった) 期待を裏切らず、興味深い、のめり込める作品だった!  FBI初代長官とし...
「J・エドガー」 「アメリカ」の国家像とかぶる (はらやんの映画徒然草)
ジョン・エドガー・フーヴァー、彼はFBI初代長官にして、48年もの長期にわたりそ
J・エドガー (心のままに映画の風景)
1919年、司法省に勤務していた・ジョン・エドガー・フーバー(レオナルド・ディカプリオ)は、新設された急進派対策課を任され、その後、FBIの前身である司法省捜査局の長官代行となる。 片腕となるクライ...
映画『J・エドガー』を観て (kintyre's Diary 新館)
12-17.J.エドガー■原題:J.Edgar■製作年、国:2011年、アメリカ■上映時間:137分■字幕:松浦美奈■観賞日:2月23日、渋谷シネパレス(渋谷) □監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド◆レオナルド・ディカプリオ(J.エドガー・フーバー)◆ナオミ...
猜疑心と虚栄心、そして愛 『J・エドガー』 (映画部族 a tribe called movie)
監督:クリント・イーストウッド出演:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジュディ・デンチアメリカ映画 2011年 ・・・・・・ 6点
【映画】J・エドガー…ヤッパリ、アメリカの昔話は退屈 (ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画)
一昨日、帰省する息子を小倉駅まで迎えに行った足で、そのまま「アイアンマン3」を観てきました 感想文は後日…といっても、まだ「アベンジャーズ」のもアップしていない私でした 早速ですが、以下は映画観賞記録です(もうすぐ1年遅れに) 「J・エドガー」 (監督...