迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

最後の忠臣蔵

2010年12月31日 | さ行 日本映画
いつか、吉良家の立場からの、正当な「忠臣蔵」を世に送り出してもいいんではないかと思いつつ、いつもの忠臣蔵を拝見。

今回の最大の目的は、めったにスクリーンではお目にかかれない仁左様の御尊顔を拝すること。やはりいつ見ても素敵ですね。彼がやっただけで、内蔵助がいつもより崇高な人間に見えるからすごい!

で、その隠し子を、仁左様・・じゃなくて大石内蔵助の忠臣だった孫左衛門が、晴れてその子・可音を育て上げるというお話。それに加えて、四十七士の一人でありながら、真の様子を後世に伝え、四十七士残された家族の行く末を見届けるという役目を仰せつかった吉右衛門との十六年ぶりの邂逅。

うーん、無理がありすぎ。16年かかって、残された家族を探して金子を与えていたが、16年っすよ。もうちっと早く、なんとかならんものであったかと。ありがたく、押し頂いてましたが、そこんとこどうでしょう。

そして、可音を育てた孫左に対して、可音は恋心を抱くのですが、・・・・・父親の代わりと思いはすれ、恋心を抱くような対象になりうるでしょうか。そこんところが、どうしても相容れず、この話を納得できなまま鑑賞。

最後に、これでもか!と、元家臣たちが、可音の嫁入りにつき従う・・。そのシーンは圧巻で、そこで涙を誘うわけですが、遊女に産ませた隠し子に対して、それほどまでにかしづくもんだろうか・・・。などと思って見ていたもんだから、どうにも素直に見れない。

孫左と吉右衛門の、立場をたがえながら再会し、新たな別の道を歩む・・という展開や、かつては親友だった・・のに、剣を交えないとならない・・という葛藤も強く感じられなかった。そこで旗と気づく・・。「北の国から」の監督さんでしたね。人情もんにしなけりゃ、世の中納得しないわけでした。すいません。

とってつけたような田中のおっちゃんの登場もありにしないといけなかったのですよ。きっと若かったら、可音は、間違いなく内田裕紀ちゃんですね。大胆な設定なので、もっと大胆な解釈の物語が見れるのかなあ・・と思ったのですが、そんなことはなかった一本でした。

◎◎

「最後の忠臣蔵」

監督 杉田成道
出演 役所広司 佐藤浩市 桜庭ななみ 山本耕史 風吹ジュン 田中邦衛 伊武雅刀 笈田ヨシ 安田成美 片岡仁左衛門


最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いやぁ~ (miyu)
2010-12-31 22:40:02
横山めぐみじゃないですかw
って、相当遡りますがw

そんな感じで今年もありがとうございました♪
来年もよろしくですm(_ _"m)ペコリ
>miyuさま (sakurai)
2011-01-03 19:54:18
横山めぐみって!
ということで、今年もどうぞよろしく。

ぜひ邦画もがんがん行っちゃってください。
Unknown (KLY)
2011-01-03 22:08:14
私は可音が孫に恋心を抱くことはありうるかなって思うんですが、逆は流石にどうなのかなぁと思っているクチです。って、極常識的な思考か。(笑)
田中のおっちゃんは、最初気がつかなかったけど杉田監督繋がりなんですね。^^;
>KLYさま (sakurai)
2011-01-04 10:00:57
あれを恋心にしてしまったのが、引いてしまった理由の一つかもです。
父親に対する愛情みたいなもんにしてくれると、無理がなかったように思えたんですが。
あとは、隠し子をあれだけ祭り上げるのはいかがなものか・・というあたりですかね。
日本人の大好きなお話なんで、どうにもしようがないのでしょうが、大胆な改変も見たい今日この頃。
孝夫さま (オリーブリー)
2011-01-04 15:02:01
何度か歌舞伎を拝見したことがあります。
二枚目さんですので(笑)
息子も少しは似ればよかっ…モゴモゴ…(苦笑)
最近は、海老殿の代役でお疲れ様でしたかな(笑)

>吉良家の立場から

ありましたよね~昔…
でも、なんちゅうか、「忠臣蔵」って、忠義仇討より、吉良邸へスパイを潜り込むサスペンスや、四十七士それぞれの家族や恋ドラマっちゅうのに魅了される日本人が多いんじゃないんでしょうかねぇ~。
わたしは吉良邸の隣家が提燈の灯りを提供するのが好きですよ(笑)
>オリーブリーさま (sakurai)
2011-01-04 20:00:37
そうなんす、やっぱ孝夫様のイメージの方が強いですよね。
仁左さまになってからは、あまりお目にかからなくなったもんで、ますます。
海老の代役で、かなりの大人ぶりを発揮してましたね。
みなさま、役所さんと浩市さんのことが多くて、仁左さまって、そんな扱い?と思ったのもちょっとねええ。

まあねえ、日本人の心情から行ったら、絶対吉良は悪役じゃないと困るんですが、いいお殿様らしいのですがね。
ま、年末恒例のことと、あ吉良めてます。
重厚な演技、迫力の画面ではありましたが (narkejp)
2011-01-08 06:21:01
おっしゃるとおり、無理のある設定と感じました。ほんとは主人の隠し子を育てるのが使命のはずなのに、16歳の娘っ子に惚れてしまった武家の意地と絶望がテーマでしょうが、娘のほうも爺に思いを寄せるって、んなわきゃない(^o^)/
たぶん、「こりゃロリコン忠臣蔵だ」と気づいた監督か誰かの含羞の結果、ひそかに相思の関係にしてしまえ、となったのでは、と想像しています。案外、底は浅そうです(^o^)/
>narkejp (sakurai)
2011-01-08 16:29:15
主人の隠し子を育てる。。ということ自体、まずちょっと違うんでないの?とはなっから引っかかってしまいました。
庶子で、おまけに女の子ですからね。
そして大罪人の子。
崇める気持ちもわからないでもないのですが、あまりに無理に感じて・・・。
孫左は可音に惚れたというより、惚れられたことに戸惑い、どう身を処すべきか・・という風に見えました。
孫左が、もうちょっと若い設定だったら、ありなのかも知れないですがね。
こんにちは (はらやん)
2011-01-09 10:41:37
sakuraiさん、こんにちは!

僕はけっこうありかなと思ったりしました。
孫左衛門のほうもそういう気持ちがあったのだと思います。
だからこそ曾根崎心中がオーバラップしていたのではないかなあと。
孫左衛門は主君の命を果たしたということと、可音への整理できない想いといっしょに心中したのではと思いました。
>はらやんさま (sakurai)
2011-01-10 08:25:13
そうですかねぇ。
役者さんたちがうまかったもんで、その辺の気持ちがうまく表れていたのかもですね。
やはり、孫左は、恋心までは行かなかったと思いますわ。言うならば、父親かヘタすると、爺心かな、と。
そこが曽根崎心中あたりとの齟齬を感じさせたのかと思いますわ。

コメントを投稿