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僕達急行 A列車で行こう

2012年04月01日 | は行 日本映画
森田監督、ご苦労様でした。きっと、これが最後の作品になると思って作ったのではなかったと想像します。

いつのころからか、話の展開やら、流れに作り方、役者の配し方に、原作のチョイス等々、最近はなぜにこれをリメイク?という理解不能な方向に向かわれて、どうしても気に障る映画ばかりで、めっきりなんだかなあ~の監督さんになっておりました。

オリジナルで一本撮ったら、違った印象になるんじゃないかなあと思っていたンで、この作品の予告を見たとき、原点回帰っぽく、今までとは違った風に行くのかなあと。。。。そこに飛び込んできた訃報。これが最後の作品になってしまったのかあ・・・。

つうことで、そういうことはあるべく考えないで鑑賞。いわゆる鉄オタの物語。はい、います。結構身近なところにおりますが、よくわからない。。。いや、人は私がひたすら映画を見るのを分からないそうですが、そんなもんす。人の価値観はひとぞれぞれ。

単に鉄オタと言ってもつぼるポイントは様々で、駅弁にはまったり、列車にはまったり、音であったりと。で、この映画の主人公のお二人は、列車その他の素材。うーん、そんなところにはまる人がいるんだろうか?と思いますが、きっといるのでしょう。で、もう一人大好きな音楽を車窓からの風景とマッチさせて楽しむという。

うーん、世の中から乖離してしまったような二人じゃなく、どちらも現実社会の中でしっかり生きて、一方で好きなものに魂かけるという、とってもバランスのいいオタクさんたちでした。恋には不器用ですが、・・・そりゃそうだ、恋だの愛だのルート②の方ですもんね・・・会社の中や、お仕事ではきちんとやっておられます。

でも、景気の悪いこの社会ではなかなうまくいかないのが現実であります。で、なぜかうまくいかない現実社会の行き詰まりが、このオタク達のおかげでうまく行っちゃう・・・と。映画ですから何でもありです。つじつまが天文学的確率で符合し、絶対にありえないような偶然が世界を助ける。。。。

多分、いつもだったら、あまりのご都合主義にこれでもか!と罵倒したように感じますが、まいっか。そう思ってしまった私。でもでもでも、偶然の偶然、ありえない出会いが二つも続くのはやり過ぎではないかと。それも最後の森田節と言うことで、もう突っ込めないのか・・・と言う一抹の寂しさを感じたのでした。

つうことで、笹野さんと瑛太親子がなんか似てた・・・という意外な発見。その昔、息子がはまってた【ヒカリアン】で覚えさせられたソニックがわかって嬉しかった私です。あ、ウチのは鉄には行かず、変身の方に行ったようでした。

◎◎◎

「僕達急行 A列車で行こう」

監督 森田芳光
出演 松山ケンイチ 瑛太 松坂慶子 貫地谷しほり 笹野高史 西岡徳馬 ピエール瀧 伊武雅刀


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6 コメント

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遺作なんですよね・・・ (mariyon)
2012-04-03 10:06:51
微妙な2人の感じがよくて、偶然やうまく行きすぎの感もすべて突っ込み無しで見ることができました。なんて言うか、一昔前の映画の設定というか・・・。(寅さんみたいな?)
同じ鉄オタでもはまる場所で違う。
まあ、映画でもジャンルとか、俳優とか、監督とかにはまるってのもあるし。。
余談ですが、その昔、アンディさんのファンは皆同じくくりかと思ったら、オフ会でも若いときのアンディが好きとか、30打後半がとかで別れているそうで、驚いたことがありました。オタクって他人にはわからないこだわりがあるもんですね。
森田監督も鉄道大好きだったおそうで、オタクに対する愛があって、そこが好印象だったのかと…。
Unknown (cochi)
2012-04-03 20:49:14
かって《鉄ちゃん》だった僕としては、実は観るのが少し怖かったんです。変なモノ作るなよとの思いがありましたから。
はじめは少し違和感があったんですが、途中から徐々に馴染み、しまいには世界にすっぽりはまり込んでいました。《絶妙な外れ空気感というか、絶妙ないい加減さ》に心地よささえ感じてしまいました。最近の若い監督の生真面目さとは、何処か方向がずれています。多くの表現者によくある《くどさ》もまったく感じません。

シリーズ化すれば、いろいろ面白いお話が産まれそうだなと思いました。が叶わぬことですね、惜しいです。
>mariyonさま (sakurai)
2012-04-04 12:22:34
あぁ、そうかも。
寅さんの雰囲気。
今回の映画では、その空気が合ってのでOKなんですが、この人のこの空気感は、どの映画にもあるんで、それが私の苦手な部分でした。
こきおろしたかったのですが、それが出来ずにちょっと寂しく・・・。きっと私、罰が当たります。
なるほど、アンディ会!うーんわかるなあ。アタシはやっぱ年とってからですね。
若い時のぎらぎらした感じは、ちょっと苦手。アタシは映画オタクじゃなくて、いい男オタクにしておきます。
>cochiさま (sakurai)
2012-04-04 12:26:24
この人は変なもんは作らないっすよ。
安全策をとるひと。そこがまたダメなゆえんなんですがね。
最近のリメイク濫造には、あちゃーーと思ってたんですが、今回はオリジナルっぽかったので、暖かい目で待ってました。
その外れ感が今回は映画にとってもマッチしてたと思います。
こんにちは (はらやん)
2012-04-21 14:02:31
sakuraiさん、こんにちは!

嗜好が深まるほど人それぞれこだわるところがでてきますよね。
そういう趣味人の性質がよく出てました。
森田監督もそういうところあったのでしょう。
けっこう作品全体のほのぼのとした雰囲気が好きでした。
おっしゃるようにオリジナルで監督の個性がでている作品のほうが魅力的ですね。
>はらやんさま (sakurai)
2012-04-22 15:40:50
テッちゃんと言っても、いろいろあるんですね。
材質がどうの・・になってくると、到底理解の範疇を超えますが、その辺のオタク心をうまーーく描いてましたね。
いつものとってつけたようねリメイクとか、絶対テッパンの原作選びとか、そういう題材選びの森田が、どうしてもだめだったんですが、今回はずいぶんとよかったです。
やっぱ寂しいですわ。もっとこきおろしたかったなあ・・、ってひどい私です。
合掌。

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