her 世界でひとつの彼女

近未来。インカムに秘書を入れてるみたいなもんだと。メールが来た、この後の予定、起きてください！寝たほうがいいのでは、おまけに欲求不満を解消までしてくれる。何と万能な秘書でしょ！それも声だけですよ。すごい！！！！

で、そんなことをしてもらえるのは彼だけかと思ったら、どうやら周りの生きてる連中は、皆インカムに向って、ぼそぼそとしゃべってるのであります。それも満足そうにニコニコと。人と人が面と向かって話をしない、いやできないのかもしれないです。やろうとしないのかも。人間相手だったら、そんなにうまくは行きませんもん。

こっちの意をくんで、こっちの要求に答え、こっちのためだけに話してくれる。こんなにありがたいものはないのですが、はっきり言って言いなりになる下女でも手に入れたかのよう、奴隷かな。奴隷なら抵抗もするから、奴隷よりもいうこと聞いてくれる。こんなのがいたらやばいっしょ。廃人になりますよ。おまけにその声の主は、超セクシーな女性を髣髴させちゃう。

で、男はその声が自分のものだけじゃないんだ・・とわかると、その現実に耐えられない。なんかもう見てて、情けなくなってきたのでした。その情けなさを表したかったのなら成功でしょうが、そうにも見えず。。。

近未来の世の中はあんな感じになるんでしょうか。コンピューターが意志を持って、人間を洗脳していくっていう図を、コンピューターと人間の恋愛に置き換えて、オブラートに包んだように見えなくもないです。

映像や小道具の使い方はさすがのセンス。声の出演だけのスカヨハさんは、本当にお見事。で、好きかって聞かれたら、どうにも苦手です。私、この監督と相性がいいのか悪いのか、とにかく眠くてしようがありませんでした。いつも寝不足、睡眠不足状態な私ですが、その状態でも寝ない！！ってのが、自分の中での大きな判断条件いなってます。だって、面白かったら寝ないでしょう、基本。眠気に軍配・・・・・。

◎◎●

「her　世界でひとつの彼女」

監督　スパイク・ジョーンズ
出演　ホアキン・フェニックス　エイミー・アダムス　ルーニー・マーラ　オリビア・ワイルド　スカーレット・ヨハンソン