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シリアスマン

2011年06月17日 | さ行 外国映画
さすっが、コーエン兄弟!!これぞコーエン節炸裂!!みたいな。

舞台は1967年代、兄弟が育ったミネソタが舞台なのだそうな。セルの眼鏡と、真面目そうな雰囲気、ちょっと丈の短めなズボンで、うーんユダヤ人っぽいとにおわせるあたりが、超うまいのだが、主人公をやったマイケル・スタールバーグさん。見たことなかったが、うまい!!マジにうまい。さすがだ。なんとかバーグとつくあたりで、ユダヤ人だとわかるが、にじみ出てる。

「Mr.NOVODY」で陥ってしまった『シュレディンガーの猫』を、滔々と語る物理学者大学の先生が彼。ラリー!わっかんねええ。。。と思うのは、私だけではなく、学生のどうやら同じよう。合格点を取れなかった、アジア系の学生が抗議に来たが、超まじめなラリー先生は譲らない。この頃、アジア系の学生が、田舎(失礼!)の大学にいたのかは不明だが、先生の部屋に残っていたのは、札束。。。。

そんな不正は絶対に出来ない!と憤るくらいの真面目な奴。全然悪くない人。かけらも悪の部分なんかないんだけど、ついでに面白みのかけらもない。がっくりして安らぎのはずの家に帰れば、いきなり妻に最後通牒をつきつけられる。ラリーと別れて、友人のサイ。なんでこいつ??よりによってなんでこいつなんだ??と言うような男。

息子が父を頼るのはTVのアンテナがずれたのを直してもらうときだけ。娘は洗髪と鼻の整形のことしか考えてない。家にはラリーの兄が居候。とにかくやることなすこと、裏目裏目に出て、ずぶずぶと泥沼にはまっていく。

にっちもさっちもいかなくなったラリーは、ユダヤの司祭のラビに相談することを薦められる。答えが見つかるどころか、どいつもこいつも勝手なことを言うばかり。。。。あぁぁぁ、一体どうなるんだ。

とまあ、これでもか!これでもか!と厄災が降りかかるかわいそうな奴。ご本人様はごくごく普通な小市民なのだが、なぜか負の連鎖のまずいことが重なってしまう奴はいる。なんとかして吹っ飛ばそうとするんだが、うまくいかない。それを眉間にしわ寄せながらもついつい優越感に浸りながら見ているあたしら。。。これ見て喜んでるのって、・・・・・楽しい。

運のない人とか、何やってもうまくいかない人っていうのはよくいる。ラリーだって悪いことばかりが続いたわけではない。いい家はあるし、とんでもなく頭はいいし、それなりにささやかに幸せなはずだった。それがいくら低空飛行であっても。多分低空すぎたんですかね。ちょっとだけ狂って、ずぶっと墜落してしまった・・・のかな。

かわいそうな奴を見てチョっと喜ぶあたしたちを、してやったりと喜んでるコーエン兄弟の顔が見えるよう。「バートン・フィンク」っぽい感じだけど、あれをもっと明るく描いたよう。やけにさんさんと輝く太陽が、妙にシニカルな一本。これぞコーエンですなあ。「ノーカントリー」が、どうしてもだめだった自分ですが、こういうコーエンものは大好き。

同じ会場にいた外人さん。とっても映画好きで、小林正樹の昔の映画なんかもご覧なられるドイツ人の大学の先生ですが、えっらい受けてた。英語の表現や、背景の文化がわかんないと理解できない部分なんだろうなあ~。あぁぁ、英語だけで大笑いしてみたい。その部分、あたしらは一切笑いなし。面白かったけど、ちょっと悔しかったです。

◎◎◎○●

「シリアスマン」

監督・脚本・プロデューサー ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演 マイケル・スタールバーグ リチャード・カインド フレッド・メラメッド サリ・レニック アーロン・ウルフ ジェシカ・マクマヌス アダム・アーキン

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2 コメント

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Unknown (KLY)
2011-06-17 22:09:36
理不尽すぎて苦笑い。これが私のコーエン兄弟に対する評価で、その意味でこの作品はマンマでした。まったくもーひでーことするよこの監督…(苦笑)って感じ。
ユダヤ教のラビをあんな風に描いて監督は何か言われないかな?とか思ったりもしました。そういうことどうでもいい私としては面白いんですけどね。
>KLYさま (sakurai)
2011-06-18 22:12:54
その通りだと思います。
理不尽そのもの。でも好き・・・。
この人たちの映画見て喜んでると、ちょっと自己嫌悪に陥ります。。。
ラビはきっと心が広いのでしょうから、大丈夫っすよ。
そういや、昔、ベン・ステイラーがラビになった「僕たちのアナ・バナナ」って映画がありましたが、ベンがなれるくらいですから!

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