迷宮映画館

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ブロークバック・マウンテン

2006年03月31日 | は行 外国映画
1963年、アメリカ北西部の山中・ワイオミングが舞台。あるのは山と自然くらい。めぼしい産業もなければ、ちょうどベトナム戦争が激しくなっていった頃。若いもんがつく仕事とは思えないような羊飼いが仕事になれる。

古きよき時代とは思えない。いなかのアメリカなんぞ、偏見と貧しさと偏狭に満ち溢れているのだ。たまたま好きになった相手が同性同士だった。それではすまないのがアメリカのど田舎。国は戦争へ、戦争へと流れている。男同士の愛が許されない・・・などという生易しい状況ではなかったということへの理解が必要なんではないかと思ったのがまず第一番目に思ったこと。

アン・リー監督は台湾人であるけれど、アメリカやヨーロッパの文化、生活、習慣、考え方に見事に精通している。並みのアメリカ人よりもよっぽどよく知っていると思う。そのクレバーさが、彼を彼たらしめており、今の地位を確立したのだろうが。知り尽くし、理解している。そして、彼が生み出すものには、同胞には描けない何か超越したようなものを感じるのだ。そこまでは描いちゃいけない何か。

そして、そのことも十分わかって監督はみせている。彼の映画を見ていると、うまく言い表せないが、そんな気がしてくるのだ。

話は非常に単純だ。ただ単に好きになった相手が男同士だっただけ。好きになったら相手を求めるのは道理だ。でもそれは社会的には受けれてもらえない。その後、双方家庭を持ち、妻も子供も得るが、それもまた真の生活だ。しかし、心の奥底ではいつまでも彼を求めている。

見たいテーマではない。見たい絵でもない。でも見せる。そこが監督の手腕と役者の妙。私的にはアン・リー監督の作品の中では中くらいの作品。

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5 コメント

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こんにちは♪ (ミチ)
2006-04-01 15:36:24
私にとってはとても感想が書きにくい作品でした。

恋愛ものは苦手だし、簡単に「分かる」とは言いがたいです。

でも、「見せ」られてしまいました。

心に残る作品です!
男同士 (kossy)
2006-04-02 12:42:41
映画を観ているときは、「これはゲイの映画ではないんだ」と自分に言い聞かせながら観ていました。

他にもっと言いたいことがあるはず。

でもちょっと弱かった・・・

実は『ハルク』も好きな俺ですが、

あの映画だって米軍批判の映画だと信じてるくらいです。

あたしも・・・ (sakurai)
2006-04-02 12:43:56
なんとも中身の言及が出来なくて、上っ面を述べています。否定も肯定も出来ないし、でも心には残るけど、どこか嫌悪感を煽られたような、微妙な映画でした。

アン・リー監督の欧米モノは痛みが伝わります。
こんにちは (カオナシ)
2006-10-21 11:13:15
TBとコメントありがとうございました。

ブロークバックの風景の美しさは印象的でしたね。

個人的には、二人に家族ができてからの展開がおもしろかったです。
>カオナシ様 (sakurai)
2006-10-22 09:42:27
ヒース君の成長ぶりが嬉しいような、悲しい様な・・。

いい役者だけど、なかなか評価が上がらず、「大丈夫、おばさんがついているから」みたいな応援団的気持ちでミーハーしていたのですが、どんどんメジャーになっていくのが複雑な気分でした。そんな事を言ってはいけませんね。

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