アンコール!!

こんないいもの見せてもらっていいんだろうか～と恐縮してしまうくらいにあたし的、垂涎の作品でした。だって、テレンス人じいさんが、はずかしそうに、それでいてなんとも味のある声と佇まいで、歌ってくれるんですよ！！！もう、それだけで涙です。素晴らしかったです。

物語は、超偏屈、頑固で無口で、縦のものを横にも市なさそうなテレンス爺さんと、明るく、社交的で、優しく、そして夫をこよなく愛しているバネッサおばあさんのぴったり夫婦。なのに、神様の意地悪は、妻を先にそばに呼び寄せてしまう。。。

神様の気持ちもわからなくもないです。あんな偏屈爺さんを先に呼んでもつまんないだけです。

妻は、コーラスのサークルに参加して楽しく、楽しく歌ってきた。それを遠目に見ている爺さんテレンス。。。わかるなあ～。そりゃ孤独が好きな人なんていないはずです。でも、自分の気持ちをうまく表現できない人は大勢おります。ましてや、偏屈を背負って、長年自分のスタイルで生きてきたんですから、そうそう変節はできない。

でも、妻に先立たれてしまい、途方に暮れ、絶望してしまった爺さん。心構えはできてたはずなのに、やはり心の空虚は埋められない。一人息子ともうまく付き合えない。「男は黙って・・・」でも充分行けたのは、妻がいたからでしょう。世の中に妻の存在ほど大きいものはない・・・ということでしょうか。

そして、一歩踏み出す勇気をどうにか振り絞って仲間に入ったテレンス爺さん。素敵です。

年金ズ！の面々を取り仕切ってきたのが若き先生。このジェマ・アータートンがなかなかいいです。はっきり言って、「プリンス・オブ・ペルシャ」の時はんん??だったのですが、「アリス・クリードの失踪」はなかなか！！この人は、出る映画、出る映画、まったく違う面を見せてくれます。

お年を召して、それでも自分らしさを前面に出し、楽しみ、そして自分の持つ力や技術をしっかと出そう！という映画をよく見かけるようになりました。これはその難しさと、素晴らしさがたっぷりと出てました。と、本当に心からいいなあ～と思わせてもらった。仲良い、年寄りになれるかが、課題だなあ、、、。

とにかくテレンス・スタンプの最高に素晴らしいお姿と、声と、何ともチャーミングな表情が堪能できる一本でした。

テレンスとクリストファーの親子、似合いすぎました。

◎◎◎◎

「アンコール!!」

監督　ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
出演　テレンス・スタンプ　バネッサ・レッドグレーブ　ジェマ・アータートン　クリストファー・エクルストン