新しき世界

べちゃべちゃした恋愛編がなかったのがまたよかった。なんとも男くさーーいやくざ物語。やくざな世界に長年潜入捜査をし、それによってがんじがらめになってしまった男。そういうと、すぐさま傑作「インファナル・アフェア」を思ってしまうが、あの世界ともまた違った雰囲気で、なかなかよかった。やっぱ、こういう世界は、アジアンに限るのかもしれない。

いくら潜入捜査といっても、長年その組織にどっぷりとつかっていれば、さまざまなしがらみが出てくる。それもさすが警察官だけあって、仕事ができる。信頼を寄せられてしまってる。その葛藤のど真ん中にいるのが、我らがジョンジェのジャソン。最近、ぱっとしない役が多かったもんで、私的に不満だったのですが、久々にやった！！的ないい感じの役。おまけに女っけがないのがいい。

ジャソンを頼りにしてるのが、組織の№２のチョンチョン。これがまたいい味でてる。男気たっぷりで、おまけにほっておけない。ライバルの組織№３のジュング。これがいやらしい感じにキレる男。この対称がはっきりしてていい。

あくまでも警察の狙いは組織の壊滅。そんなときに組織の会長が急死する。醜い後継者争いの中、警察はジャソンを組織のトップに据えて、完全に組織を葬ろうとするのだが、そう思い通りには行かない。捜査官であることがばれそうになったり、上司の警察があまりに汚かったり・・・ここはミンシクさんなんで、汚いのは大前提。

官憲が信用できない、体質が腐ってる・・というのが、韓国映画の相場なのだが、それじゃあダメじゃん！と、今回の船の事故で、韓国のあしき慣習というか、伝統がよろしくない！とえらい人がおやめになったが、大統領が引退すると逮捕される！というのじゃ、まずいっしょ。

映画の中の話として、そりゃ面白くなるけど、それが当たり前なようになってはだめだ！これを見たのは、事故の前だけど、さもありなんな展開にちょっと頭を抱えた部分もアリ。

そんなことは脇に置いて、後継者同士の足の引っ張り合い、意外な第三者が現れたり、ジャソンの連絡役をしていた女性が、すんげえかっこよかったり、とにかくいろいろ面白く、かつかっこよく、んでもって、悲しくて痛い。たっぷりと韓国風味を楽しめた一本。とびぬけてよかったのが、チョンチョンと囲碁の女先生。

ほかにも、最近よく見かける「トガニ」の校長先生に、いい役も悪い役もこなしちゃうチュ・ジンモさんに、ホッとするメンバーがそろってますが、韓国もご多分にもれず、脇役の層が薄い。。。何にでも見かけちゃう。といいつつ、これは面白かったです。

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「新しき世界」

監督　パク・フンジョン
出演　イ・ジョンジェ　チェ・ミンシク　ファン・ジョンミン　パク・ソンウン　ソン・ジヒョ