迷宮映画館

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ぱいかじ南海作戦

2012年07月18日 | は行 日本映画
失職と離婚で何もかも失くした・・・・と思ったオッサン・佐々木。これ以上はなくならんやろ!!と思ったら、そこからもっと失くすと言うすごい人生であります。

いろんなもんを失くした佐々木のおっさんは、南の島に行っちゃうと。うーん、よくある話だ。ここは絶対北には来ないのですよね。まあ寒いから当たり前か・・・。

行った先は、多分、西表島。道路標識は「やまねこ注意!」であります。

学生の時のことです。先輩が一年休学して、半年はせっせと働いて金を貯め、もう半年は自転車一つで日本一周してくる!と出発した人がおりました。で、なかなか帰ってこない。予定よりずいぶんと遅れて帰って来たのでした。理由は沖縄の孤島に行って、あまりのゆるさに、しばらくそこでぼーっと暮らしていたと。羊がその辺の草をはみ、潮が満ちてあっちに行けなくなると、潮が引くまでぼーっと待ってるんだ。。。

あんまり居心地良くて、二か月もそこに居座ってしまった、と。そんな話を思い出してしまいました。

さて、佐々木のオッサン、行き止まりのまたその奥に行ったところ、なんと綺麗な砂浜!ここは素っ裸で泳ぎたいくらいの人気のなさ。さーーー、裸で泳ごう~と思ったところに、砂浜の変な住人が約4名登場して来たのであります。どいつもこいつもゆるっとした、いかにも人のよさそうな風情です。

BUT!すっかりこの砂浜ぐらしに溶け込み、完全に気を許したところで、荷物一切合財を盗られてしまうと。これ以上失くすものがないと思った最後のものも全部失くしてしまったわけであります。わずかな荷物とカメラ。自分の人生の荷物ってそれだけ?だったと思ったら、もっとなくせるものがあったんだ。

・・・・・やられた。。。このがっくり度は半端ないです。ゆるゆると気を許した人たちにやられたのですから、その落ち込みはいかばかりか・・。そこにやってきたのが、自分と同じように都会の生活に疲れた青年。ちょっと前の自分を見るようです。

自分がはめられたのとおんなじやり方で、青年をだまくらかして、荷物をいただいてしまおう!!!と思っていたのですが、だんだんとそんな気が失せて行く。この何もないところで、二人でせっせと暮らして行くうちに、どうでもいいや!みたいな。それこそぱいかじ=南風に吹かれて、ほやほやっとなって、細かいことなんかどうでもいいやあ~となっていくのでありました。

さてそこに仲間が増える。キャンプ慣れした若い綺麗な女性の二人連れ!当然怪しげな男性陣をいぶかしげに思っているのですが、ここにいると、なんだかほやほや~と、どうでもよくなっていくのですよねぇ。

奇妙な浜辺での4人のキャンプ生活が始まりました。なんだかこのままでいいやん~と思ってしまう南の島の暮らしであります。

しかーーし、あの泥棒4人の消息が入ってくる。どうやら、別の小さな島に渡って、そこに潜んでいるらしい。ここは佐々木のオッサンとしては、巌流島ならぬ、自分の荷物を奪い返しに行かねばなりません。さあて、どうなることやら・・・・。

つうことで、いつもの超高テンションを若干控えめにして、いい塩梅の阿部サダさんでした。がっくり来てるとこと、嬉しい目に会った時のギャップがうまい!!でもって、秀逸なのが、自分の支えにしてしまった仲間がドッカに行こうとした時に、追っかけてくるところ。「どこ行くの?どこ行くの?俺を置いてどこ行くの???」が最高!

まあ、夢のような生活ですが、本当に夢でしょうね。いや、実際ホームなんとかの方々から見たらどうなんでしょう。ホームなんとかの方々は、多分映画は見ないと思われますが、もっとしたたかに生きてるんでしょうか。その辺は謎です。

人生、一度きりしかないんだから、せせこましいことばかりじゃなく、こういういろんなものを捨て去るってのもありかもです。結局自分が本当に大事なもの、絶対に必要なもんなんてそんなにないのかもです。いや、あるな。。。

人間、そんなに弱い生き物じゃない!なんとかなるさ~と思わせてくれた南の島でした。

うーん、貫地谷しほり&佐々木希の関西ギャルコンビは、言葉がいまいちでしたね。この二人のあっけらかんとした雰囲気は良かったのですが、無理に関西の人にしない方が自然でした。あとは、ピエール瀧他の胡散臭さが最高。阿部サダさんのアクが薄まるくらいの胡散臭さ。

まあ、町としても、こんなキャンプをされても困るみたいで、映画の最後に「キャンプは許可されたところで!」のテロップが、一気に現実に戻されました。

◎◎◎●

「ぱいかじ南海作戦」

監督 細川徹
出演 阿部サダヲ 永山絢斗 貫地谷しほり 佐々木希 ピエール瀧


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2 コメント

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小笑い満載~ (cyaz)
2012-07-27 09:00:46
sakuraiさん、おはようございます^^

毎日、暑いですね~
東北地方も梅雨明けで夏本番ですね!
この映画、やはり阿部チャンの持ちキャラで
押し切った感は否めなかったですね(笑)?
ま、それでも小笑い満載で楽しむことは出来ました^^

>貫地谷しほり&佐々木希の関西ギャルコンビは、言葉がいまいちでしたね。
原作の設定がこうなんでしょうけど、
ここはフツーに東京のギャルでも良かったかも(笑)
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>cyazさま (sakurai)
2012-08-15 08:23:24
3週間もほっておいてしまってました。
すいません。

阿部サダの映画って、彼の持ち味で乗り切る!!!ってのばっかですよね。
それで押し切れる凄いキャラだと思います。

いくら設定に忠実に作った・・・んだとしても、あの人選はちょっと考えもんです。
フツーの東京ギャルで、なんら問題はなかったと思います。
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