迷宮映画館

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ホワイト・オランダー

2003年02月15日 | は行 外国映画
芸術家で美しい母親、独善的であるが、自己にゆるぎない自信を携えている。男に対しても自信たっぷりの態度をとる。しかし、そのプライドを傷つけた男は死に値する。自分を裏切った男を毒殺して、終身刑の身となってしまったイングリッド。それは最愛の娘との別れを意味していた。

母の作品のように育てられてきたアストリッド。母を愛し、尊敬し、畏怖してきた。その母と別れて、新たな里親と暮らす事になった。またこの里親の面々がすごい。自分の過去の償いのように新興宗教に生きる俗人スター。次が夫に構ってもらえない淋しさを継子でまぎらわそうとする女優。最後は道端のものを拾ってでもたくましく生きるロシアからの移民の女性。それぞれの里親の元で暮らした3年は文字通りの激動の3年で、過酷なめにもあった。

いまやたまの面会に娘に会うのが唯一の生きがいのようになっているイングリッドだが、それぞれの里親のもとで、だんだんと変わっていく娘。まだ完成していない作品をいじられるかのように思う母。「自己をしっかり持て、他人に惑わされるな。」娘のためを思って語る言葉なのだが、実はよるべない自分への言いきかせだったような気がする。

刑務所で朽ち果てる気はさらさらないイングリッド。娘の証言をどうしても得たい彼女は、いまや自立をしようとしている娘とどうしても立ち向かわなければならない事と対峙する事になった。

自分に絶大な自信を持つ強い女性という役柄を見事にはめたのがミシェル・ファイファー。か弱い普通のお母さんもぴったりくるが、この役はもう彼女しか考えられない。一瞬だけ見せたか弱い顔もあったが、最後の凛とした姿なんぞ、身震いするくらいだった。あのおでこの青筋がいいんだよね。ロビン・ライト・ペンもレニー・ゼルウィガーも本当にうまかったが、このそうそうたる面々に堂々と渡り合った娘役のアリソン・ローマン。噂どおりすごかった。屈託のない笑顔から、50年分位の人生を体験したような15歳の苦悩に、決意の表情。んんん、んまい。

親は決して正しい生き物ではない、子供が自立するときにそう感じ、親を乗り越えアイデンティティを得るもの。親にもまた子離れが必要、そんなあたりが映画のテーマのようだったが、この親はやっぱ特殊でしょう。普遍的な話には思えなかった。エンターテイメントとして見るべきと感じた。

この監督、コズミンスキーさん、アメリカデビューだそうだが、あの「嵐が丘」の監督さんとか。あんな強いキャサリンは始めてみたが、おつよい女性が好きなのね。その点は好き。

「ホワイト・オランダー」

原題「White Oleander」 
監督 ピーター・コズミンスキー
出演 ミシェル・ファイファー アリソン・ローマン レニー・ゼルウィガー ロビン・ライト・ペン 2002年 アメリカ作品

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