迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

サン・ジャックへの道

2007年07月25日 | さ行 外国映画
物凄く仲の悪い3人兄弟。オートメーション化の進んだ郵便の振り分け作業のあとに、やけに時代遅れの巡礼が始まる。

フランスでは、今密かに巡礼ブームなんだとか。世俗に満ち溢れた今の世の中、すべてを忘れて、ただ歩く。そんなことに人が惹かれるのもわかる気がする。

でも、この巡礼に加わったのは好きで来たのではない、曰くありげな連中ばかり。仲の悪い壮年の兄弟3人。亡くなった母の遺言は、巡礼を3人で歩くこと。どっちかというと、歩きたくはないけど、遺産が欲しいのは2人。3人兄弟というは、自然2人vs1人になってしまうのだが、ここの勝負は2vs1で巡礼の勝ち。

それプラス、今時のお姉ちゃんに、それにくっついてやってきたイスラーム男の子。でも、金がないから、従弟のラムジィの宗教心をくすぐって、金を出させた。ラムジィは、メッカに行くもんだと思い込んでる。と、スカーフを頭に巻いた女性。ガイドを合わせると総勢9人。うーん、「ロード・オブ・ザ・リング」の仲間みたいだ。

1500キロを、2ヶ月かけて歩くわけだが、2ヶ月間、世俗から離れるということは・・・・無理。無理だ。そう、かの3人も(いや、飲んだくれの末のクロードは大丈夫か)到底そんなことなど出来るはずもない立場にいた。手足や首に、体に、精神に、がんじがらめにしがみ付いているしがらみ。




しかし、旅立った。旅の当初はしがらみを断ち切れず、歩きながらも心は現実のまま。でも、この歩くという行為は、不思議な力を持っていた。少しずつ、少しずつしがらみが離れていく。それは意図したものでもなく、いつの間にやら無為自然の気持ちに到達していくのだ。

ストーリーに際立った意外性はなく、見ている方が簡単に想像出来るような展開だった。だが、決してそれが安直なわけでなく、「そうだよね~」というような素直に頷けるものだ。いつも意外な展開に引っ張りこむコリーヌ・セローの個性は見えず、なんだか達観したような映画だった。一皮むけたのかしら。

途中で、出会う他の巡礼者たちがやけに面白い。
悠壮な自然に浸りつつ、一緒に歩いた気分になるのが一番の見方。そういや、最近ウォーキング、サボってます。いけんなあ。

◎◎◎

『サン・ジャックへの道』

監督・脚本 コリーヌ・セロー
出演 ミュリエル・ロバン アルチュス・ド・パンゲルン ジャン=ピエール・ダルッサン パスカル・レジティミュス マリー・ビュネル マリー・クレメール フロール・ヴァニエ=モロー ニコラ・カザレ エメン・サイディ

コメント (4)   トラックバック (2)   この記事についてブログを書く
« なんだか、妙に忙しい | トップ | 中国茶の味わい »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
予期せぬ拾い物 (GMN)
2007-07-27 22:01:41
って感じで私は満足度高いです。
珍しく似たような感想になっちゃってますね。お話はすごくベタなんだけど、それで良いんだって許せちゃう作品でした。

文句つけたくなるのは作品じゃなくて上映時間だったりも。私はたまたま平日休み取れてその時に観てきたんですが、相変わらず観る人を選ぶ厳しいスケジュール。その前の集の3作品3日間のみってのも凄かったですけれど。
>GMNさま (sakurai)
2007-07-28 11:12:56
これは夜の上映がないような時間割でしたかね。
やっぱり見るにはきつい時間割だと思います。
あの3日間のは、はなっから「選挙」だけだなあと思っていたので、ほかはスルーしたのですが、中身はどうだったのでしょう・・・。
夏休みは、日頃映画館にあまりお出ましにならない人のためのものになるので、家でのんびりすル予定です。
「レミー・・」は子どもらと身にいかなけらばならないのですが、あとは「キサラギ」くらいでしょうか。
とりあえず「ハリー・・」を見ねば。鼻のないレイフさま見に。
ということで歩きたい・・・けど暑い・・・、です。
お久しぶりです (カオリ)
2007-07-29 12:27:08
山形でも上映されたんですね!
現代において世俗から離れることは、便利さや快適さから離れることでもあり、難しいですね。でも、始めはいろんなもの(ドライヤーとか)を持ち込んでた人たちが、どんどん身軽になっていくさまが面白かったです。
世俗から離れられないと、「ザ・ビーチ」のようになってしまうかもしれないですね。
>カオリさま (sakurai)
2007-07-29 23:14:59
いろいろと雑務が重なり、ご無沙汰してます。
映画、いっぱい見てますか??
じゃんじゃん見てくださいね。
さて遅ればせながら、当地でも上映かないました。
何かを突き抜ける、そのきっかけになるものが何かなんでしょうが、歩くって、素敵なことだと改めて感じました。
「ビーチ」ですか・・・。いやあ、アレは無しにしましょう。
モンテも最近調子取り戻してきてみたいで、いいです。
アジアカップは、いらいらし通しでしたが、勝つことが一番いい起爆剤ですね。

コメントを投稿

さ行 外国映画」カテゴリの最新記事

2 トラックバック

サン・ジャックへの道 (TRUTH?ブログエリア)
原題:SAINT JACQUES...LA MECQUE監督・脚本:コリーヌ・セ
サン・ジャックへの道:映画 (ジフルは映画音楽札幌グルメ紹介)
今回紹介する作品は、『サン・ジャックへの道』です。 まずは映画のストーリーから・・ 亡き母親の遺産を相続するため、1500kmもの巡礼路を一緒に歩くことになった険悪な3兄弟。 ほかにも失読症を直して大好きな母親に喜んでもらいたい少年や、ワケありな女性など...