陽射しが草原に照りつけているのに、小雨が降る。天気雨だ。北斎も絵心をそそられた「狐の嫁入り」だ。ふーん面白いなあと神社の裏の陽だまりを横目に散歩に出る。山の斜面にそった「吉野街道」を御岳方面に歩く。細い生活路の山側には、石垣に守られた古い民家が点在している。石組みの間から顔を覗かせるさまざまな花を見つけるのも散歩の楽しみ。今日は黄色が鮮やかなツワブキが目にとまる。この草は「たくご」という生薬として . . . 本文を読む
虚無のように両腕を伸ばす真っ黒な山を抱きしめて、夕焼けが広がる。秋は夕暮れ。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに…気分で近くの神社まで散歩。本殿は山頂にあり、石段がかなりしんどいのだけれど、上りきって振り返ると暮色にかすむ二俣尾の町並み。これが楽しみで一段ずつ歩を進める。山里の秋は深まり、日が落ちると肌寒い。長袖シャツの襟をおさえながら石段をおりる。さ、元気だして、と♪ . . . 本文を読む
台風の影響で昼の仕事がキャンセルになった。しめた、と不謹慎だけれど何だか心躍って、増水した御岳の流れも気になったし、御岳渓谷遊歩道まで散歩に。すでに雨雲は去り日が戻り、多少風が残るものの、川端はさわやかな秋のにおい。流れも白濁してごうごうと音をたててはいるものの、懸念したほど増水していない。散歩道には秋の花、ホトトギス。見た目が地味だから華やかさとはほど遠いけれど、秋のしぶさにふさわしい。玉堂美術 . . . 本文を読む
バラの花びらに光る雨のしずくや子猫のヒゲも悪くないけれど、軒をたたく雨音を聞きながらまどろむ、午睡。今はこれが一番のお気に入り。秋の雨はたかぶった心を、まあまあとしずめてくれるのだ。 . . . 本文を読む
中秋の名月の次の日、十六夜。ちょっと欠けはじめた月が中天に浮かぶ。うまい具合に雲がかかり、夜風が頬をなでる。祭囃子に誘われて、近くのお寺さんまで夜の散歩に。徒然草、「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは」の気分でそぞろ歩き。見上げる夜空の月明かり。青梅山里の風情。月のようにまん丸の、いただきものの中華饅頭を食べる。 . . . 本文を読む