角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

よくあるご質問⑧

2007年12月20日 | 製作日記
Q.一足編み上げる時間はどのくらい?

角館草履のサイズは15cmから30cmまでの1cm刻みと、踵がない足半タイプの合わせて17種あります。製作時間は、このサイズと土踏まずの有無によって大きく異なりますが、最も多く販売する23cm土踏まず付きで、おおむね「二時間」です。

実演席でそうお答えすると、面白いことに反応が二分されるんですね。ひとつは『そんなにかかるんだぁ』、もうひとつは『思ったよりは早いんだねぇ』。
後者のほうが少し多いかもしれません。

二時間で1足編み上げるには、私なりの努力がありました。2007年4月に土踏まず付きを発売した当時は、もっと時間が掛かっていたんです。どんな商材でも、一日に何個生産できるかはコスト計算で重要です。つまりそれが売価に反映されますから、それだけで「売れる」「売れない」に直結するわけですね。

まず市場が許す売価に設定するとしたら、「二時間で1足」は必須条件でした。それからは二時間を目標にペースを決めます。やがて苦労なくその時間を達成できるようになったのは、今思い返すと1000足を越えたあたりじゃないかと思っています。

ときに、『私たちがこんなに話しかけちゃ、仕事が進まないわよねぇ』とお気遣いくださるおばさまがいらっしゃいますが、「喋りながらも手は止まらない」は公開実演の必須条件と思っています。どうぞご心配なく、実演を愉しんでくださいませ。
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