角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

繁盛店「三つのゾーン」。

2013年03月19日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔五阡二百円〕
茶系で統一した配色ですが、ベースに見える金色が厳かに見えます。茶の唐草はそのシブさが特徴で、比較的ご年配の男性がお似合いになるでしょうか。これからもたびたび編んでいこうと思っています。

布草履を編んだ経験のあるおばさまとの出会いは、実演席で日常です。よく言われるのが、『やっぱりプロは違うわね~』。
樺細工という伝統工芸の世界に長く身を置いたせいか、正直なところ草履を編む技術がなにほど高いとは思えません。

だからといってそのままを口にすれば、おしゃべりの楽しさが台無しになってしまいます。いつもお返しする言葉は、『毎日編んでいれば誰でも上手くなりますよっ』。
草履を編み、それを販売して生計を立てているのですから、確かに「プロ」であることに違いありません。過剰に謙遜するのは、むしろ控えたほうがいいと思うんですね。

昨晩、角館あきんど塾の仲間5人で、大仙市大曲へ出掛けました。夜のお出掛けは酒盛りと相場が決まっているのですが、昨晩だけはちょっと違います。
大曲駅前から伸びる花火通り商店街で、「繁盛店づくり実践プログラム事業」というものが行われていました。その終結に、参加店の取り組み結果を報告し合うイベントがあるというので、勉強のために出掛けたわけです。

事業参加店は、時計眼鏡店、和装小物店、ラーメン店、和菓子店、生花店の五店舗。自ら名乗りを挙げてコンサルタントの指導を仰ぐのですから、どのお店もその取り組みは真剣そのものでした。店舗装飾や商品陳列などが指導点となるのですが、基本的にお金をかけない趣旨のため、むしろ面白かった気がします。

実際に五店舗を回り、指導を受けての取り組みと結果を聞きました。みなさんが一様に言うのは、コンサルタントの的確な助言なんですね。大胆な変革ではなく、ほんの少し目先を変える。たったこれだけ…と思えることでも、はっきりその差異が生じるということでした。それはお客様の反応にも顕著だそうです。

私はこれまで自分の商いに、コンサルタントから意見をいただいたことはありません。敬遠しているのではなく、独立店舗を構えたことがないので機会がなかったわけです。繁盛店づくり云々の講義もはじめて聴きましたが、なかなか面白いですね。まさに「プロ」ですよ。

事業のまとめでコンサルタントの先生が話したのは、繁盛店に共通する「三つのゾーン G・S・T」です。
Gは、最も見ていただきたい自信の商品群を展示する「ゴールデンゾーン」。
Sは、最も人気が高く売れる商品群を展示する「ストライクゾーン」。
Tは、売れ行きよりも面白さを展示する「トライアルゾーン」。

今日草履を編みながら、これらを角館草履コーナーに照らし合わせてみました。「G」は看板商品の土踏まず付き草履が並んだ展示パネル、「S」は多くのお客様が手に取るミニ草履、そして「T」はイ草などの素材コーナーじゃないかと思います。『私も作ってみた~い』は、まさにトライアルですからね。

昨晩の勉強会は、今後の草履実演にいささかの影響があると思っています。
コメント
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