角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

満開の“無理”。

2008年04月06日 | 実演日記


今日の草履は、樺草履-チタン媒染-Mグループ23cm土踏まず付き〔6000円〕
チタン水溶液で媒染すると、こんなに鮮やかな黄金色になるんですね。何度も言うようですが染原料は桜皮の微粉末、かなりイメージが異なります。

さて三日ほど前に、三回目の開花予想が発表されました。結果は二回目と変らずです。と言うことは、「早い開花」がまた現実に近づいたってことなんですね。
昨日も今日も、お越しのお客様に開花予想を訊ねられています。あと二週間もないくらいですから、そりゃあ気にもなるでしょう。

秋田市からお越しのおばさまは、写真が趣味なんだそうです。『武家屋敷をバックに枝垂桜を撮りたいんだけど、人が入るとイヤなのよねぇ。朝早くなら誰もいない写真撮れる?』。
過去のブログでもお伝えしましたが、桜の見頃を迎えた角館はさながら“不夜城”と化します。道路が混まない夜明け前に角館入りし、人が集まり出す午前八時頃にはいなくなるという人が大勢いるんです。朝の五時とか六時の武家屋敷通りには、全国の自称カメラマンがずらーっと並んでいます。
結局今日のおばさまと同じことを考える人がいっぱいいるんですね。おばさまにも嘘は言えませんから、『誰もいないところで武家屋敷の桜を写すのは、はっきり言って無理ですねぇ』とお教えしました。

こちらも秋田市からお越しのおばさま三人プチ旅行。うちのおふたりが草履を気に入ってくださいました。おひとりのお勘定が終わり、もうおひとりがバックの中から財布を取り出そうとすると、『あらっ、どこへやったのかしら!?』。車の中に置いてきたか、もしかするとどこかへ落としたかも知れないとのことでした。

草履代金はおともだちが立て替えてくださいましたが、もし紛失したとなればタイヘンです。今の時期ならいざ知らず、桜満開の時期であれば、失くした財布を探すなんてことは無理と思いますよ。
普段ならフツーに出来ることが出来なくなる、角館の満開は“異常事態”なのかも知れません。

日暮里から草履用の布地を仕入れてくださっている「東京の仕入部長」、私の開花予想通りの日程で角館へお越しになります。万一予想が外れても怒る方じゃないんですが、信用してくださった分責任も感じますなぁ。
明日からの「今日の草履」では、仕入部長から一昨日届いたばかりの新柄もまじえてご紹介いたします。

あっ、明日とあさっては三人娘の入学式でお休みでしたぁ…。

コメント (2)
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