角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

いじめ撲滅の前に‥。

2006年11月28日 | 地域の話
今日の草履は、岡山県倉敷市にお住まいの奥様からの、お手紙によるオーダー草履です。
写真はご主人用、ほかにご自分用と二人のお子さん用にもご注文いただきました。4足揃って、明日の便で出発です。

今日も一日雨が続きました。気温はさほど低くないので雪にはまだ遠いですが、どうやら30日からが本格的な冬天気のようです。

ブログに取り上げようかどうしようか思案していたのが、昨今の「子どもの自殺」です。思案していたのは、触れて楽しい話題ではなかったからです。
今日、三女が小学校から持ち帰ったおたよりは、「文部科学大臣からのお願い」と題するプリントでした。中身は割愛しますが、大筋は「子どもとの対話から変化を見つけ、子どもの生命を護る責任を再認識したい」といった内容です。

また中学校からは、「緊急アピール」としたプリントも配布されました。全日本中学校長会会長名で、「生徒のみなさんへ」と「保護者の皆様へ」の二通りの文面です。切実に訴えられた内容からは、ことの重大さが感じ取れます。
「保護者の皆様へ」の冒頭に、いじめの把握は困難であること、またその理由が綴られています。まったくその通り、私の少年時代、学校で嫌なことがあったとしても、それをいちいち親や先生に相談するなんてことはありませんでした。「子どもの常識」になかったとさえ思います。

つい先日のラジオで、いじめで娘さんが自殺したお母さんの講演が放送されていました。ある中学校で、全校生徒を聴衆とした講演です。
娘さんはお母さんにいじめの事実を伝え、共に闘うため立ち上がります。学校にも、心理カウンセラーにも、精神科の医師にも、お母さんが『行ってみる?』と訊けばどこへでも一緒に行ったと言います。でも、最後は自らの手で命を絶ちました。お母さんは振り返ります。
『結局、娘がどんなに克服しようと努めても、いじめる人間がそこにいる限り、なんの解決にもならなかったんです』。

このところ、「いじめる側」に対する懲罰的マニュアル作りが進行しているようです。いじめ問題がここまで深刻化している以上、重要なひとつだと思いますね。

お母さんの講演の締めくくりは、『今、娘に言いたいです、生まれてきてくれてありがとう。そしてここにいるすべての生徒さん、生まれてきてくれてありがとう』。

世の中のすべての人間が、すべての他人に対してこの気持ちを持てたとき、はじめていじめはなくなるでしょうね。
子ども社会のいじめをなくそうと思ったら、まず世の中の「戦争」がなくならなくては‥。

コメント (4)
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