「9.11」から、二十年。
直後、アメリカは、何かしなくてはならない、と思った。21世紀の真珠湾、と思ったのだろう。どうしても何者かの命を奪い返すことでしか、この傷をあがなえないと感じたのだろう。その相手を間違えたことを認めるのには、時間がかかった。
追随した日本は、今でもその過ちを認めようとしない。世界でもっとも道理を通せない国だと証明した。
イギリスの劇作家デヴィッド・ヘアーは、イラク戦争に至る国々の混乱ぶりを戯画化しつつ、『スタッフ・ハプンズ』を書きあげ、ロンドンの国立劇場で上演した。
その劇中、日本の存在感はゼロだった。当然のことだが。
普天間飛行場から米海兵隊が放出したPFOS汚水は、国の暫定指針値の実に13倍の検出。きちんと対決できるのか。
アメリカの属国であることを望んでいる保守・愛国の人たち。倒錯の極みだ。
今の時代を、自分の時代と思って、生きているのか。
「アメリカの話」ではない。同時代の、自分たちのことだ。
写真は、『悪魔をやっつけろ』ツアー中の、ある宿で泊まった部屋のドア。十日前くらいになるかな。
燐光群が『ワールド・トレード・センター』を上演したのは、2007年。実際にあの「9.11」当日、息子の消息を求めてマンハッタンを駆け巡ったED VASSALLO自身のモノローグは、忘れがたい。トリアージの現場での体験のなまなましさは、今も胸に迫る。彼は翌年の『だるまさんがころんだ』再演にも出演してくれたが、病で世を去った。あの逞しい男がなぜ、と、何度も思う。
戯曲『ワールド・トレード・センター』は、「せりふの時代」2007年冬号/vol.46 に、掲載されている。バックナンバーは図書館等で読めるはずである。座高円寺のアーカイブスにもあるはずだ。
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