Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

報道・表現への「規制」の姿勢が、参院選報道に及ぼす影響

2016-07-06 | Weblog
昨年以降、自民党のテレビ朝日・NHKへの番組内容についての聴取問題、高市総務大臣の「電波停止」発言等から露呈している、報道・表現へのあからさまな規制。
放送法の本来の理念は、権力の介入を防ぎ、表現の自由を確保するものであるはずだが、自民党の行為こそ、権力から独立するための放送法に違反している。

そして、街頭インタビューに対して「偏向している」と難癖をつける総理大臣が過去にいただろうか。
「アベノミクス」という首相の子供じみた造語をそのまま報道すること自体が、気味が悪いと思ってきた。かつてオウム真理教事件が露見する前、テレビに出ていた信者たちの教団内での「××大臣」という肩書きをそのまま報道していたのと同じ気持ちの悪さである。共産党の不破哲三前議長が「アベノミクス」に関して、「これまで国の政策に自分の名前を付けた人がいたか。そんな傲岸無礼な人は今まで誰も出なかった」と言ったのは、まったくその通りである。

参院選を前にしても、メディアが政権からの圧力を恐れ、批判を封印し、萎縮と、不可解な「公平性」追求に陥っている印象は、免れない。
横並び、制約だらけの党首討論で、野党党首に「発言の機会はありましたよね」としておくだけのような姿勢で、いいのだろうか。
例えば、改憲論議を「深まらず」と報道するのではなく、もっとしっかりと、「何が問題なのか」を強く追求すべきなのである。
「経済問題より、真のテーマは憲法改正」といっても、自らの表現の自由にも関わるその憲法問題の重要性を認識できているのか。
「緊急事態条項」について本当に明確に政治の動きと関連づけて報道できているのか。
参院選そのものを軽視する姿勢、特定の候補に対する報道の抑制や誤報など、どうしても目についてしまう。

高市総務大臣の放送局への「電波停止」発言が、ボディブローのように効いている面もあるのではないか。
「(高市)発言は、メディアに対する規制を殊更に強調し、表現の自由を保障する現行憲法を軽視するものです。現憲法にある「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」と言い換え、それを害すると判断された場合には表現の自由を制約できるとした自民党改憲案に極めて符合するという点において、高市発言には現政権の恣意性が表れており、問題であると言わざるを得ません。」
今年二月に、日本劇作家協会が「高市総務大臣の「電波停止」発言に際し 公権力のメディアへの介入・圧力に抗議する緊急アピール」(http://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/101e4c32f69fa81f19c25d64fda74b6)を出せたことは、よかったと思っている。だがそれだけで終わらせられる問題ではない。
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