Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

アメリカの言いなりになるための決定をアメリカに頼まれなくてもやっているに過ぎないこの国の情けなさ

2016-10-31 | Weblog
環太平洋連携協定(TPP)承認案を審議する衆院特別委員会は、とにかく今国会会期中の承認を確実にしたいということのようだ。
安倍首相は「自民党は結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と大嘘を吐くが、嘘しかつけないこの男の妄言に馴れてしまってはいけない。
そもそも「強行採決」発言をした山本有二農水相が、昨年11月にTPP交渉「大筋合意」撤回を求める署名に応じていたとか、「嘘つきばかりの自民党」の人たちのことを、世間は今さら驚かなくなってしまっているが、本当に麻痺させられているのだと思う。
二階俊博自民党幹事長もテレビで面妖な発言をしている。
「(TPP批准について)米国大使館レベルに話を聞いてみると、自分らが逡巡しておきながら、日本に期待すると。しかし私は、そんなことがあっても良い。今まで経済問題でもみんな、米国に追随していく外交だった。たまには日本が、米国が甲乙の判断がしがたい状態でも日本はこう考える、だから遅れてでも良いから米国が一緒についてきてくれたら良い、という外交があっても良いんじゃないか。そんなことを私が平気で言っていると、米側は黙って聞いている。「そりゃ困る」とかなんとか言わないね。」
なんじゃそりゃ。
アメリカの言いなりになるための「TPP」承認をアメリカに頼まれなくてもやると言っているに過ぎない情けなさが実態なのに、アメリカに判断つかないことを日本が独自で決めると自慢するかのように言うのは、もはや意味不明の愚かさである。
「TPP」がどれだけひどいものかはたいていもう言い尽くされていると思う。万が一わかっていない人がいたら自分で調べてくれ。

とにかくこの国が、国民が、この最悪の選択を容認し、それでも地獄への道を進めるのなら、これはもう狂気でしかない。

そして日本政府は国連総会第1委員会(軍縮)で27日、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止」を放棄し、「安全保障体制を下支えしてきた長年の戦略的安定性を損ねかねない」として核政策を維持するアメリカを全面支持した。
もはやこの国は、アメリカの核抑止力(核の傘)に依存する立場をも、恥じないようだ。
反対の理由について岸田文雄外相は「核保有国と非核保有国の間の対立をいっそう助長し、亀裂を深めるものだからだ」と説明した。何を言っている? 日本語か?
二階氏同様の愚かさとチャラさである。安倍総理の蒙昧がしっかり伝染している。
憲法で戦争を放棄し、「武器による解決」を選ばないはずのこの国は、非核保有国として、核保有国との間の対立を助長しようが亀裂を深めようが、すべての国が戦争を放棄する日までたたかいつづけることを選んだのではないのか。
第二次世界大戦が終わったときの教訓は、もはや大切ではないのか。
そうでないなら、「唯一の戦争被爆国」とは、もう二度と名乗るな。
渡辺謙さんは『怒り』という映画の中ではたいして怒っていないが現実ではこのことをしっかり怒ってくれていて、ありがたい。

安倍総理は何ごとも「自分の判断」のふりをしたいらしいが、結局アメリカの言いなりになることで保身している構造は、小泉政権のころとなんら変わっていないし、自覚がなく混乱していることが、輪をかけて悲惨である。この二点だけでもあからさまにそれが露呈している。

政権に携わる者たちよ。アメリカの属国になりたいなら、なってしまいたいとはっきり言え。
このまま国民を道連れに滅んでしまいたいならそう口にした方がいい。

そのほうが明瞭に袂を分かつことができる。

本当にもう、取り返しがつかなくなるぞ。


⋯⋯⋯⋯

写真は、米軍提供地域、現在の、高江N1ゲート奥。
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