三演めの「大平洋食堂」、上演中。
嶽本あゆ美の執念が実る。
嶽本さんは劇作家協会戯曲セミナー研修科で私のクラスにいるのだが、初演前にいろいろ話したけれど、本当に彼女は頑固というか一徹であった。
初演以来、練り直し、改訂を重ね、その執念が実って、今度の上演は今までで一番わかりやすく、導入部がくっきりと鮮やかになり、とくに後半の展開が今までに比べて格段に物語が立ち上がってきて、三時間超の大作を、飽きさせず、見せる。
藤井ごう演出の粘りが牽引したのだろうし、和田東史子照明、近藤達史音響、おなじみのスタッフワークも鮮やか。
「開けたら閉める!」というアドリブを発明した間宮啓行は、主人公の陰影を増した。
とくに後半の一度目、二度目の「開けたら閉める!」には、以前にはなかった哀愁がある。
「開けたら閉める!」が何だかわからない方は、その謎を解くためにも、必見である。
明日まで。
上演情報は、以下の通り。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます