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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

本年の「紛争地域から生まれた演劇」は、ベルギー & イラン

2016-11-03 | Weblog
毎年年末に話題を呼ぶ国際演劇協会「紛争地域から生まれた演劇」.今年のリーディングは、ベルギー & イランの作品となった。

瀬戸山美咲が、ベルギー作品『ジハード Djihad』に、演出家として初参加。
とても興味を持てる内容だ。(下に詳細あり)
出演者は遅れて発表されたが、日下部そう、盛隆二、本折最強さとし、中田顕史郎。

毎回出演者が異なるという珍しい上演になる一人芝居は、イランの『白いウサギ、赤いウサギ White Rabbit, Red Rabbit』。
演出家はいなくて俳優が一人で仕切るが、俳優も前日まで台本を読んではいけないとか仕掛けがある。
寺山修司に見せたい。
と思ったら、高田恵篤、美加理といった天井桟敷・寺山さん界隈の方々や、昨年石原燃作の一人芝居で気を吐いた占部房子、蜷川さん亡き後も存続が決まったさいたまネクスト・シアターの堀源起といった、多彩な顔ぶれ。

追加情報は国際演劇協会をご覧ください。
http://iti-japan.or.jp

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《速報》上演作品決定!~紛争地域から生まれた演劇 8

紛争地域から生まれた演劇8
ベルギー & イラン
日程 2016年12月14日(水)~18日(日)(予定)
会場 東京芸術劇場 アトリエウエスト(地下1階)

『ジハード Djihad』
(ベルギー)
ブリュッセル出身の移民二世の若者三人はイスラム過激派に関わり、旅に出るが…
作:イスマエル・サイディ Ismaël Saidi
翻訳:田ノ口 誠悟
演出家:瀬戸山美咲(ミナモザ)
キャスト: 日下部そう、盛隆二、本折最強さとし、中田顕史郎

12月17日(土)19時開演 / 12月18日(日)14時開演
*著作権代理:株式会社フランス著作権事務所
☆リーディング公演終了後、作家イスマエル・サイディさんと『ジハード』のプロデューサー/ツアーマネージャーを務めるデボラ・ドゥ・リーム・アビスローさんによるトークを行います。

【『ジハード』作品解説】
ブリュッセルに住む移民2世の若者、ベンとレダとイスマエルは「ジハード(聖戦)」のため、内戦の続くシリアへ向かうが・・・。モロッコ系移民2世というバックグラウンドを持つベルギー出身の作家イスマエル・サイディが、生まれ持った宗教や人種のせいで偏見や差別に苦しむ移民2世の青年たちの寄る辺ない心や不条理な現状を、ユーモアを織り交ぜながら率直に描いた『ジハード』。この作品は、ベルギーのフランス語圏で多くの議論と共感を呼んだ。2014年12月に初演され、2015年11月13日のパリ同時多発テロ事件、2016年3月22日のブリュッセル連続テロ事件を経て、55,300人が鑑賞している(2016年9月19日現在)。
今こそご覧いただきたい話題作です。

【作家について】
イスマエル・サイディIsmaël Saïdi
(劇作家、演出家、俳優)
1976年、モロッコ系移民の子として、ベルギー首都圏のサン=ジョス=タン=ノードで生まれ、ブリュッセル近郊のスカールベークで育つ。広報学、社会科学を大学で学んだのち、短編映画の脚本執筆、監督をはじめる。主な短編映画作品には以下がある:『ある者達、それに対する他の者達 Les uns contre les autres』『マリー・マドレーヌ Marie-Madelaine』、『ひどい騒音 Beaucoup de bruit』、『不条理と逃れる者 Absurde et Loin des yeux』 。 テレビ映画『リムー Rhimou』は、モロッコにおいて多くの視聴者に受け入れられた。
2010年には、自身初の長編映画『アハメッド・ガショー Ahmed Gassiaux』を公開(監督・脚本)。
2013年11月に劇場公開された、多文化性を主題にした喜劇である長編映画『モロッコのジゴロたち Morrocan Gogolo’s』は、フランス語圏ベルギーのボックス・オフィスを席巻し、第五回マグリット映画賞を受賞した。
『ジハード』は彼の三作目の戯曲であり、アヴィニョン・フェスティヴァルで成功した作品『これはもうカップルじゃない』に続く注目作である。

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『白いウサギ、赤いウサギ White Rabbit, Red Rabbit』
(イラン)
演出なし!セットなし!稽古なし!兵役拒否のために国外に出る自由のなかったイランの青年が驚きの手法で書いた世界的ヒット作
作:ナシーム・スレイマンプール Nassim Souleimanpour
翻訳:關 智子
出演者:
12/14(水)19:30 堀源起(さいたまネクスト・シアター)
12/15(木)19:30 占部房子
12/16(金)19:30 高田恵篤(演劇実験室◉万有引力)
12/17(土)14:00 美加理

★各回上演後には、ゲストを迎えたトークを開催予定
★各作品の上演日時、演出、俳優、お申込方法等の詳細はセンターのホームページ、SNSにて随時更新
(参考)新聞に掲載された『ジハード』の記事
・朝日新聞(2015年12月29日付)
「移民の疎外感、伝える 過激派の拠点になったベルギー」
・毎日新聞(2015年12月30日付)
特集「テロと欧州」より「若者の過激化防ぐ「ジハード」上演 ベルギー」
【紛争地域から生まれた演劇シリーズ】
ユネスコ傘下のNGOである国際演劇協会(ITI=International Theatre Institute)は、演劇を通じて平和の構築を目指す取り組みとして、世界各地で「紛争地域の演劇」と題するプロジェクトを行っています。
日本センターでは、これに呼応するかたちで、『国際演劇年鑑』(Theatre Yearbook)の特集企画として2009年から「紛争地域から生まれた演劇」シリーズを実施しています。これまで7回にわたり、日本に知られていない優れた戯曲を発見・翻訳し、リーディングやレクチャー、シンポジウムなどを通して、さまざまな国と地域から19作品を紹介してまいりました。
(参考) 紛争地域から生まれた演劇1~7
主催 文化庁、公益社団法人国際演劇協会日本センター
共催 東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
制作 公益社団法人国際演劇協会日本センター
文化庁委託事業「平成28年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」

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