Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

コマは止まったら倒れる 『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』終了後、十日

2020-12-11 | Weblog
燐光群『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』、岡山で全公演が終了して、十日めである。
何だか終わった気がしないのは、この劇の中で扱われているこの国の「義」「理」の存在に関わる事案が、まったく解決しないでいるからである。
公演終了で、おしまい、ということには、決してならないのである。


と言いつつ、来週から次回作の稽古に入る。

立っているためには、続けるしかない。

まったく、コマは止まったら倒れる、なのである。

そして、劇団という存在の貴重さを、いつもよりも強く感じている。


写真 町田敬介、鴨川てんし、山村秀勝、大西孝洋
撮影 姫田蘭


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私の恩人、ロジャーの記事。

2020-12-11 | Weblog
私の恩人、ロジャー。
彼が井上ひさしさんをオーストラリアに招いたとき、井上さんはまだ40代になったばかりだった。
私が彼の口添えもあって初めてオーストラリアに行ったとき、私も40代になったばかり、だった。

これからの人生、能う限り、ロジャーの期待に応えたい。


ロジャーが書いてくれた解説を読める早川文庫『屋根裏』は、もちろん、全国の書店で買えます。



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劇団印象 『エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜』

2020-12-11 | Weblog
東京に戻って一週間、何本かの芝居を観た。
40代、特に前半の、作り手のものが、多かった。
ごめんなさい。
いまの私には、あまりピンとくるものがなかった。
登場人物を見下しているような作品ばかりだった。

やっと、ほっとした。

劇団印象 『エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜』を観たからである。

もちろん、あれこれ言い出せば、きりがない。
しかし、この、「肯定性」は、私の思う、基本である。
どんなにネガティヴな内容の作品でも、これは、最低限、必要である。

全ての登場人物を、作者が、愛している。
これは、井上ひさしさんもそうだが、ある種の作品づくりの「仁義」である。
鈴木アツトは、その「仁義」を、自分流で、発見した。

鈴木アツトは、これから大きく踏み出す何かを、手に入れたのだろうと思う。
劇作家協会新人戯曲賞の最終審査で、私が彼の作品を厳しく批評したのは、もう何年前になるのだろう。
それから後も、彼は、真っ直ぐに、おおらかに、自分なりに、駒を進めてきた。
誰よりも、私が、嬉しい。

さて、次作はどうなるか。
楽しみな後輩がいることは、私の喜びである。


上演詳細


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