Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『Summer House After Wedding 』上演中。あす日曜までです。

2016-01-30 | Weblog
『Summer House After Wedding 』上演中。あす日曜までです。日曜は開演時間がいつもと違います。
きょう30日(土)は、14:00/19:00 
あす31日(日)は、 13:00/17:00 
あと四公演のみ。お見逃しなく。

写真は、稽古中。


パンフレットに掲載している清水、マイレス、マージの文章を転載します。


清水弥生

船出のとき

「アジア共同プロジェクト」。我ながら、壮大な名前をつけてしまった。この事業は三年かけてやっていくプロジェクトとして 計画を立てており、今回はその一年目の年にあたる。 この立ち上げのきっかけとなっていることがいくつかある。まず、私のもう一つの仕事である介護現場での、同僚達との出会い である。フィリピン人、韓国人、中国人、様々な国の人々が日本の介護現場で働いている。人手が常に足りていない、待ったな しの状況で、日本の介護の一部が彼らによって支えられている現状がある。これからその割合は増えていくだろう。その彼らが、 何を感じて、どのようにこの国で生活しているのか、彼らの視点、また、日本人側の視点、双方から見た日本社会というものを とらえる、そうすることで見えてくるものがあるのではないか、と考え始めた。単純に、普段の生活のなかで彼らとともに働き、 会話するのが楽しみで、「違うということは面白い」と実感していたのも大きい。 2012年にアジアン・カルチャラル・カウンシルの助成を受けて、ニューヨークに二ヶ月間研修に行ったことも、企画の実行に至 る大きなバネとなっている。ニューヨークにはいろんな国のアーティストが集まっていた。なかでも、アジアの国々から来ている アーティスト達と知り合い、それぞれの国の社会状況に対峙して自身の芸術を打ち立てている彼らの姿に刺激を受け、いつか一緒 にものを作って行くことができたら、と思うようになった。来年度、共同制作に加わるタイのディレクターともここで知り合っ た。フィリピンとの共同制作を一年目に持ってきたのは、2004年の『フィリピン ベッドタイムストーリーズ』に関わってから、 フィリピンと日本をつなぐ作品をいつか自分も作りたい、という夢を持っていたからである。プロジェクトを立ち上げる段階から、 マイレス、マージに相談し、少しづつどういう風に進めていくかを考えていった。 こんなふうに、壮大な名前のプロジェクトは船出したわけだが、その歩みは実に遅々たるものだった。自身の妊娠、出産と重なり、 思うように動けない時期があったせいで、思いつく限りの人の手を借りることになった。それが逆にいろんな人を巻き込むこと に な り 、 プ ロ ジ ェ ク ト は よ り 多 彩 な 色 合 い の も の と な っ て い っ た 。「 ジ ェ ン ダ ー 」「 移 住 労 働 」 と い う い く つ か の キ ー ワ ー ド を 元 に 、 滞日フィリピン人女性への取材、彼女らに関係する人々への取材を重ね、9月2日のリーディング発表、トーク&ディスカッション を行った。そのイベントを経て、今回、演劇公演というひとつの形で提示する。思考を進めるうちにたどりついたのが「家族」 というテーマだった。この公演で、人間と人間の関係が糸のように絡んでつながって織りなす世界、フィリピン人、日本人、ある いはそれを越えたところで共存している人々の姿を見せられれば、ひとまず成功と言えるのではないかと思っている。 本日はご来場いただき、まことにありがとうございます。楽しんでいただけたら幸いです。


マイレス・カナピ Mailes Kanapi

「冬の心は海の家にあり わが魂は 西瓜割り 砂浜 砕ける波に似て我は愛の中に凍りつく」 清水弥生作「Summer House After Wedding」は、自分自身を見つけ、愛を求める人々の物語です。 でも、摩訶不思議な真実は、私たちが見つけるものは、私たちがすでに持っているものだということ。 私たちが失うものは、私たちが一度も本当には持っていなかったものなのです。 私はフィリピン人です。私は俳優です。私は癒しと創造と奇跡と、愛、愛、そしてさらに愛を求めています。 私は9年前、燐光群と恋に落ちました。私はフィリピンを愛してます。 でも、それは、私には、いつでも燐光群があるんだと思うからです。私にはいつでも、東京がある。 私の魂の中には、いつも日本があります。私は国境を信じていません。私はレッテルを信じません。 私が信じるのは一つのことだけ――愛です。愛は創造します。愛は自由です。 愛はくたびれ果て、悪夢に凍りついた魂を暖めます。愛は永遠です。愛は空間を超えます。 坂手洋二の演出のもと、この芝居は、私に、大海と蛙について多くのことを教えてくれました。 それに、もし私たちが愛し合っていれば、海を越えられるということも。 共演者たちは私の錨です。私の家族です。そして、この芝居を通して、私は、人がそんなはずはないと思う ような状況でも、いつまでもいつまでも幸せに暮らせることはあるのだと信じます。それは選択です。私の選択です。
"In winter's heart lies
Umino-ie, my soul
Like suika wari
Beach balls, sandbars, waves crashing My self is frozen in love"
Shimizu Yayoi's Summer House After Wedding is a story about people finding themselves, seeking love, but the magical truth is that what we find, we already have. What we lose, we never really had.
I am Filipina. I am an actor. I seek healing, creation, miracles, love, love
and more love. I fell in love with Rinkogun 9 years ago. I love the Philippines because I know I'll always have Rinkogun. I'll always have Tokyo. I'll always have Japan in my soul. I don't believe in borders. I don't believe in labels. I only believe in one thing - love. It creates. It
is free. It heats the spirit that is bone-weary and frozen in nightmares. It is timeless. It has no space.
This play, under Sakate Yoji's direction, taught me so much about the ocean and the frog. And how, if we love, we could "walk on water." My co-actors are my anchors. They're my family. Tonight I'll definitely believe in
forever and happily ever after, in a
setting people think so unlikely. It's a choice. I choose this.


マージ・ロリコ Marj Lorico

畳...海...愛してない...心...個人...魚...フィリピン人...日本人...。 私の心を離れない、いくつかの言葉です...私の心に刻まれた、いくつかの言葉です... そこには新しい意味が...。新しい感覚が...。 すべての言葉が組み合わさって、私の心の中で新しい鼓動を打つリズムを創り出します。
tatami...dagat...aishtenai...kokoro...individual...isda...filipin jin...nihon jin...
Just some of the words that struck me...some of the words that made an impression on me... a new meaning... A new feeling...
All the words combined create a rhythm that is beating new life in my kokoro.






以下、『Summer House After Wedding 』公演、最新情報。
http://rinkogun.com/SummerHouseAfterWedding.html
…………………………………………

アジア共同プロジェクト

Summer House After Wedding

清水弥生=作
坂手洋二=演出
珍田真弓・常田景子=翻訳

ある日、彼女は家を出た、子どもを連れて。
支えるのは誰か、支えられるのは誰か―
超高齢化社会、海外からの労働力に頼らざるを得ない日本。
移住労働に従事するフィリピン人女性への取材を元に
燐光群の新進作家・清水弥生が書き下ろす、
時代の芯を突く渾身の一作!

2016年1月28日(木)~31日(日)  森下スタジオ Cスタジオ

30日(土)14:00/19:00
31日(日) 13:00/17:00


受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前

★1月29日(金)19時の回にアフタートーク開催!
終演後、作者・清水弥生と演出の坂手洋二、今回出演のマイレス・カナピ、マージ・ロリコとトークを行います。(通訳・渡辺真帆)
本公演の前売券をお持ちの方、ご予約の方はご入場いたただけます。どうぞお楽しみに。

会場 森下スタジオ Cスタジオ
〒135-0004 江東区森下 3-5-6
TEL 03-5624-5952 (Cスタジオ直通:開催当日のみ)
地下鉄都営新宿線、都営大江戸線「森下駅」A6 出口 徒歩5分
東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線「清澄白河駅」A2 出口
徒歩10分


マイレス・カナピ Mailes Kanapi
マージ・ロリコ  Marj Lorico
植野葉子     Hako Ueno
中山マリ     Mari Nakayama
川中健次郎    Kenjiro Kawanaka
松岡洋子     Yoko Matsuoka
樋尾麻衣子    Maiko Hio
杉山英之     Hideyuki Sugiyama
武山尚史     Naofumi Takeyama
田中結佳     Yuka Tanaka
宗像祥子     Syoko Munakata

円城寺あや Aya Enjyoji


照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○三津久
美術○じょん万次郎
衣裳○ぴんくぱんだー・卯月
演出助手○村野玲子
通訳○鈴木なお・渡辺真帆
音響操作○川崎理沙
字幕操作○桐畑理佳
舞台協力○森下紀彦
衣裳協力○小林巨和
文芸助手○久保志乃ぶ
イラスト○沢野ひとし
宣伝意匠○高崎勝也
制作○鈴木菜子 近藤順子
協力○国際交流基金マニラ日本文化センター
CompanyStaff○鴨川てんし 猪熊恒和 大西孝洋
古元道広 秋定史枝 宇原智茂 根兵さやか 長谷川千紗
鈴木陽介 福田陽子 西川大輔 宮島千栄 橋本浩明
内海常葉 秋葉ヨリエ 齋藤宏晃

■アジア共同プロジェクト
日本社会を他のアジアの人たちの視点からとらえ、また日本人の視点から他のアジアの社会をとらえることで、共生する「未来」の可能性を描いていけるような演劇を表現していくことを目的として、2015年より清水弥生が発起人として立ち上げた国際文化交流プロジェクト。2016年度以降、フィリピン、タイの俳優たちとの共同制作が予定されている。

■清水弥生
劇作家。早稲田大学在学中に、モリエールに関する卒論で、同大の2003年度小野梓記念学術賞受賞。2004年より燐光群に所属、多くの作品の演出助手として参加。2008年5月、燐光群アトリエの会公演『シンクロナイズド・ウォーキング』で 劇作家デビュー。緻密な取材からうまれる、リアルで奥深い人物造形とユニークな設定から、人々の生活における悲哀、感情の機微を、ユーモアを交えて軽快に描いていく。 2012年にはアジアン・カルチュラル・カウンシルの助成により、二ヶ月間ニューヨー ク・シアター・ワークショップでの研修を受ける。近作「ブーツ・オン・ジ・アンダーグラウンド」は第20回劇作家協会新人戯曲賞の最終候補作となり、新進劇作家として注目を集める。


【日時指定自由席・整理番号付】 前売開始○1月10日(日)
一般前売 3,000円 ペア前売 5,400円 当日 3,300円
大学・専門学校生 2,500円 高校生以下 1,500円
※学生券は前日までにご予約の上、当日受付にて要学生証提示。
※ご予約順に整理番号をお取りし、開場時に番号順にご入場頂きます。
 開場時間を過ぎますと整理番号は無効となります。

★燐光群オンラインチケット(一般・ペア前売のみ) 
http://rinkogun.com 
24時間いつでもホームページ上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。
お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。
※会員登録(無料)が必要です。

★ご予約・お問合せ○燐光群/(有)グッドフェローズ
03-3426-6294 
①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。
 こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
②当日、受付にて代金と引換でチケットをお渡しします。
※開場時間を過ぎますと、あらかじめお取りした整理番号は無効となりますので、
 お早めにご来場ください。
※開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮下さい。

助成 芸術文化振興基金
   国際交流基金アジアセンター
   セゾン文化財団
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする