ノーベル賞ってなんなんだ。受け狙いなのか「EU」に受賞というのは。で、村上春樹さんがもらえるかどうかはどうでもいいことで、村上さんは今からでもやっぱりということで「芥川賞」をもらったほうが、それはよほどびっくりするだろう。ないだろうけど。医学生理学賞山中氏のニセモノは出てくるわ、そのショボさに驚かされるわ、である。ショボいといえば、橋下「維新」のちっちゃさには、あらためて呆れる。法律家のくせに憲法というものが何なのかわかっていないんじゃないだろうか。それはもちろんこの国全体のショボさとちっちゃさである。現実感がないのではない。このショボさが現実なのである。この空気がである。三浦雄一郎さんのエベレスト挑戦にも驚かされる。で、そうしたいろいろな情報が羅列されている新聞の紙面にも寒々しさがある、と感じつつ、でもほんとうはどこか、そうではないのではないかと思っている。いいじゃないか八十一歳のエベレスト。並べよ、いろんな記事。新聞とは昔からそういうものだ。新聞の側が変わったというのは浅はかだ。記事に現れるような一つ一つの事象の違い、重さと奥行きのそれぞれを、とくにこの国の人々が感じ取れなくなっているのだ。そして新聞に載らないこととしては、ある人から、官邸前の反原発デモにはどうやらもう三千人しか集まっていないらしいことを聞く。……世間は知らないが私はオスプレイのことばかり考えている。本物を沖縄で見て体感しているのでその事実を信じられるということもあるかもしれないが、それは一つの方向の現実感覚に過ぎない。まるで本気でこの問題を考えていないこの国の政治と報道について、そのショボさと寒々しさについて、そこからもしっかりと「現実」を受け取っている。オスプレイがほんとうに日本じゅうを飛び始めていることに対して、国民がとことん無感覚であることじたいが、現実。一機が普天間基地で本日二度目の離陸をしようとして不具合で引き返したって、みんな自分には関係ないと思っている。八年前に沖国大に落ちたCHの倍もあるものが、まさか落ちてくるとは思っていないのだろう。で、だ。仲井真知事が、これまで散々言い続けてきた、オスプレイ強行配備の暁にはと約束した「沖縄の全米軍基地閉鎖」を、ほんとうにきっちりと終わりまで実践してくれたら、彼をぜひノーベル賞に推薦したい。もちろん「イグ・ノーベル賞」じゃないほうに、である。
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