堺北民主商工会

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本末転倒

2008年05月30日 09時14分09秒 | 世間の話
 福田内閣がこの度、基礎年金財源に全額税方式を導入した場合の試算を発表した(政府の諮問機関である「社会保障国民会議」)。この試算では財源として消費税しか想定していません。そして、年金財源を賄うためには何と消
費税率を9.5%~18%に引き上げる必要があるとしています。消費税は平成元年12月24日に竹下内閣が野党の反対を押し切って強行可決しました。この時、消費税導入の目的を「年金や福祉の充実のために必要」としていました。ところが20年経った現在、その「目的」とした事がどうでしょう?消費税導入後、年金や福祉は改悪に次ぐ改悪が重ねられ、その内容は見るも無残な状態となっています。この点から言えるのは、政府の当初の「消費税導入の目的」が真っ赤なウソであった事が証明されました。
国民を愚弄してきたにも拘らず、福田内閣は全く反省もしないで、試算発表後、間髪を入れず、これ幸いにと政府税制調査会が年内に、税制改革案をまとめるとして動き始めました。
 しかし、ちょっと考えてみて下さい。社会保険庁、防衛省、国土交通省などによる不正乱脈行政、収賄贈賄、汚職、無駄遣いは次から次へと後を絶ちません。恐らく、国・地方の全ての役所の無駄遣い(これらは私達の税金)、不用な支出(同)を総点検したら、途方も無く莫大な金額と上るでしょう。「反省だけなら猿でも出来る」はある時のTVでのCMメッセージだが、今の福田内閣には反省すら無い。また、年金財源は予算から、企業負担、年金加入者の負担などから成るものですが、今回の試算では企業に追加的負担を求めず、むしろ減額して負担割合を大きく減らす、果ては企業負担を0とするとしています。今月、東証1部(株式)上場会社の多くが今期決算報告をしましたが、営業内容は前期(H19年度)対比でバブル期を上回る大幅な増益を記録しました。そして、企業利益金の内部留保金は過去最大となりました。本来、企業が果たす社会的役割は国民生活の向上を図るものでなければならない筈です。
 消費税は課税ベースが「消費」に成される為、「収入に占める生活費の割合」が高い人ほど「税の負担率」が大きくなる逆進性の非常に強い税金と言えます。しかも、国民消費がGDPの70%を占める現在、消費税率のアップは景気を冷え込ませる悪影響を与えます。
 こんな状況の時、広く消費に課税される消費税に年金財源を求めるのは本末転倒もいいところです。仮に、百歩譲って、消費税率を20%近くまでアップするにしても北欧並みに弱者に優しい社会、福祉・年金制度が手厚く行き届き、老後の心配が不要な日本にすると言うのであれば納得もいくものです。
国は、こんな事(消費税率アップ)を考える前に、国・地方の官公庁、政治家の金の出入りを総点検・洗い直してから出直すべきではあるまいか!

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