堺北民主商工会

堺北民商ホームページはこちら

錯覚

2007年06月01日 11時18分44秒 | 世間の話
 武力による手段が争いを解決する道だろうか?
 ひと昔前は「もし、ソ連が日本に攻めてきたらどうするのか」が仮定の話として良く言われたが、今は「北朝鮮がミサイルを日本に発射したらどうすのか」に変わってしまった(もし、万が一の例え話だから、何とでも都合よく想定できる)。憲法9条の改憲論者をはじめ、少なからずの良心的国民までもが、他国から攻撃された時の対抗手段として武力が必要だと主張する。
 この主張の原理は「力には力を持って」である。
 つまり、相手の力(武力)以上に力を持つ。そして、この繰り返しを際限なくエスカレートさせ、行き着く先は地球はおろか宇宙までもを軍事目的に利用する。当然の事ながら、私達の税金は湯水の如く、軍事費に費やされていく。
 武力による解決(?)は悲惨な結末を齎す。今尚、尾を引いている出来事として「日本に落とされた2つの原爆(現在も苦しんでいる被爆者たち)」や「ベトナムで使われた枯葉剤(見るも痛々しいドクちゃんとベクちゃんの胴体がくっ付いた姿)」は元より「イラクで誤爆によって死んでいく子供たち(脳みそが飛び出した少女を抱きかかえ、当たり構わず泣き叫ぶ父親)」が悲惨な結末を証明している。
 誰がどう言おうとこれらの出来事が正真正銘の事実である。
 人は武力で人を傷つけ、殺す勇気(?)や覚悟(?)を持つよりも、平和や人類愛を呼び掛ける方が何よりも崇高な振る舞いである。
 今、多くの人が争い事を解決する手段に武力しか無いと錯覚している。
 本来、人間は攻撃された時には自衛すると言う権利(自己防衛)を持っている。しかし、好戦家たちはこの権利を必要以上に煽り、「もし、北朝鮮(中国)が攻めてきたら……」とバーチャルな出来事を想定し、それが如何にも現実性を帯びたように画策する。そして、この煽りの行き着く先は武力の際限なき増強に他ならない。
 ついでに付け加えれば独立国・日本の国内に他国の軍隊(米軍基地)が置かれていて、自衛隊(軍隊)などと名付けているのは滑稽な話だ(自衛隊は誰が見ても米軍と共に、軍事行動をしている)。
 話は変わるが
 憲法99条に「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とある。
 ここにも、ある種の錯覚がある。
 つまり、現憲法を日常不断の努力により、遵守しなければならない人は国務大臣、国会議員及び公務員であり、我々国民ではないと言う事(国民は国の主権者であり、むしろ前述した人達が憲法を守っているかどうかを監視する立場)。
 即ち、9条をはじめ、憲法で定められいる権利や義務を国民に周知徹底し、実効していく責任を国会議員などは負っている。
 しかるに戦後から現在に至るまで、国は周知徹底をいか程に実行してきただろうか?
 それとは逆に、国民の錯覚に託けて憲法の改悪を安倍内閣(自民党・公明党)は今、推し進めている。
 私達・国民は、今こそ錯覚から早く目を覚まし、正気に戻らなければ大変な事になる!