堺北民主商工会

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悪質?

2007年05月18日 10時51分08秒 | 世間の話
 今、全国で6人に1人が苦しんでいるのが高金利の借金だがその内、約半分が多重債務問題。多重債務とは高金利の融資を何社もの金融機関から借り入れ、債務超過に陥った状態を言う。
 多重債務になる切っ掛けは意外と些細な事(?)からである。
例えば、住宅ローンの支払いと親の入院が重なり、サラ金から10万円を借りた。
 取引会社が突然、仕事を打ち切ってきて手形の引き落とし(支払い)が出来ず、サラ金から30万円借りた。
 知り合いの連帯保証人になり、借主が返済不能となり、その債務を返済するためにサラ金から20万円借りた。…etc.
 意外と何処の家庭でも起こり得る、有り触れた日常生活の中で発生している。ある調査によると多重債務に陥る原因は大半(10人中8~9人)の人がこのような切っ掛けからだと言う結果が出ている。言い換えればギャンブルや遊興が原因で多重債務者となる例は全国的にも極、稀である。
 年収(所得)360万円、4人家族の自営業者(商売人)の場合、平成18年ベースでの公的負担額は凡そ以下のとおりとなる。
 所得税………………………  126,000円
 住民税………………………   85,000円
 事業税………………………   35,000円
 国民健康(介護)保険料…  620,000円
 国民年金保険料……………  340,000円
  合計 ……………………1,206,000円

 所得に対するこれら公的負担割合は何と33.5%にもなる。
 以上の点から言える事は日本における現在の制度そのものが非常に不備(即ち、金持ち優遇、弱者切捨ての制度)であるが故に、多重債務に陥る原因が制度上からも潜んでいるのではなかろうか!
 そして、益々、この社会(保障、税金)制度が安倍内閣(自民党・公明党)の政治によって又もや改悪され、お年寄りや社会的弱者、働く国民に重い負担を強いようとしている。
 先日(4/12)NHKで「ドキュメント にっぽんの現場」解決できない借金はない………と言う番組が放映された。
 鹿児島県奄美市役所・市民生活係に寄せられる生活相談を24日間にわたり、リポートした内容である。
 この係の係長である禧久孝一さんが多重債務の相談をまるで我が事のように心配し、次々と解決していく様を描いていた。
 ある時は市役所の収納係(国民健康(介護)保険料や市税の滞納を回収する係)の職員を前にして「滞納者の大半は真面目な人達です。だから、その人達の生活実態や状況を良く聞く事が大切です。もし、多重債務に陥っている人が居たら、その解決こそが何よりも先にすべき事だから、私(禧久)に相談して下さい」と切々と訴えていた。 この市役所内の連携プレーにより1人の市税滞納者が多重債務を解決する事が出来て、滞納していた市税を分割で納入する事になった。
 そして、この結果に対して、ある収納係の職員が次のように言っていた。
「この人は悪質滞納者から優良滞納者になった」と。
 果たして、悪質滞納者とはどんな人を指すのだろうか?