経営コンサルタントの知見

経営に役立つ知見をgoo blogで

「私の本棚2022.7.26」

2022-07-26 08:10:08 | 経営コンサルタント
  • 今日のおすすめ

『「コトラーのマーケッティング5.0」Technology for Humanity』

(フィリップ・コトラー ヘルマン・カルタジャ イワン・セティワン著 

                       恩蔵直人監訳 藤井清美訳 朝日新聞出版)

  • COVID-19で加速したデジタル化とマーケティング5.0(はじめに)

【マーケティング1.0~4.0の歴史を振り返る】

 「マーケティング」の言葉の起源ですが、イギリスで18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命により、工業製品の大量生産が可能となったことに起因します。

 アメリカでは大量生産が可能になっても、植民地があるイギリスと違い、気候も風土も価値観も違う広大な国内に販売する方法や計画が必要となりました。つまり、効率よく大量生産し、市場や消費者を分析し、効率よく消費者に届ける戦略や戦術を立てる必要があったのです。この様な背景の中で、アメリカ由来の「マーケティング」の言葉が生まれたのです。1937年にはアメリカ・マーケティング協会(AMA)が設立されています。

 その様なマーケティングが、理論としてどのように進化してきたかを、コトラーの定義に従い1.0~4.0を見てみましょう。

 「マーケティング1.0」(1900~1969)は、製品志向・製品販売を目的とする製品管理に重点を置いた製品中心のマーケティングです。コトラーの先輩であるエドモンド・ジェローム・マッカーシーが1960年に、マーケティングの基礎知識である「4P戦略(Product、Price、Place、Promotion)を発表し、さらに、3P戦略(Personal;現場スタッフ重視戦略、Process;業務、販売プロセス戦略、Physical Evidence;顧客に安心感を与える証明書などの可視化戦略。併せて7P戦略。)を提唱しています。

 「マーケティング2.0」(1970~1989)は、買い手の「ニーズは何か」を探る顧客中心のマーケティングです。戦略的に顧客満足を探る顧客管理が中心テーマで、コトラーの提唱する「STP分析」がフレームワークとして登場した時代です。1980年代、ロバート・ラウターボーンはプロダクトアウトの4Pとは異なった、顧客視点戦略である、マーケットインの「4C;Customer Value、Customer Cost、Communication、Convenience」を提唱します。

 「マーケティング3.0」(1990~2009)は、インターネットの登場やSNSの発達を起因とする社会の変化に伴い、消費者が商品に関する様々な情報にアクセスできる「市場の成熟」と社会問題・環境問題の顕在化に伴い「企業の社会的責任」を問われる時代が到来します。マーケティングの視点では、顧客は商品の機能的・感情的満足に加え、商品が社会的責任に応えているかという倫理的・精神的満足をも求めるようになったのです。まさに人間中心のマーケティングの時代になったのです。また、商品・ブランドを3つの視点から評価する「3ⅰモデル;Brand Identity、Brand Image、Brand Integrity」というフレームワークが生まれました。この様な時代背景の下、2009年コトラーのシリーズ第一作の「コトラーのマーケティング3.0;From Products to Customers to the Human Spirit」が出版されました。

 「マーケティング4.0」(2010~)は、2016年出版されたコトラーのシリーズ第二作、「コトラーのマーケティング4.0;Marketing from Traditional to Digital-スマートフォン時代の究極法則-」にある通り、スマートフォンに代表されるデジタルによる接続に加えてオフラインのチャネルも使うオムニチャネル・アプローチのマーケティングの時代と定義します。製造業におけるフィジカルとデジタルを融合させたシステムが使われる「インダストリー4.0」からヒントを得たものでした。

 シリーズ第二作では、STP分析と共に、顧客理解を深め、的確なマーケティング戦略に繋げるツールとしてのカスタマー・ジャーニーについて、サミュエル・ローランド・ホールの「AIDMA;Attention、Interest、Desire、Memory、Action」、デレク・ラッカーの「4A;Awareness、Attitude、Action、Act again」に替わる、フィジカルとデジタルのハイブリッドな顧客との接点による枠組み「5A;Aware、Appeal、Ask、Action、Advocate」を提案したのです。

 マーケティング・ミックスについては上記「4P」「4C」に替わるコトラーの「4C;Co-creation(共創)、Currency(通貨・ダイナミックプライシング)、Communal activation(共同活性化)、Conversation( カンバセーション・会話によるコミュニケーション)」が提案されました。

【マーケティング5.0の出番が来た】

 COVID-19の影響により社会のデジタル化が加速しました。この結果4.0のオムニチャネルの構築を超えて、ネクスト・テクノロジーがマーケティングのやり方を一変させる可能性が顕在化してきたのです。まさに、内閣府が示す「Society5.0」に対応するマーケティング5.0の時代が来たのです。この様な時代を反映し、シリーズ第三作である紹介本が出版されたのです。

 それでは、これから主流となるネクスト・テクノロジーを活用するマーケティング5.0とはどの様なものか、次項で見てみましょう。

  • 次の10年で主流になるネクスト・テクノロジー・マーケティング5.0とは

 マーケティング5.0のスタートは、カスタマー・ジャーニーにおいて、ネクスト・テクノロジーがどこで価値を生み出し、伝え、提供し、高め、マーケターのパーフォーマンスを引き上げることが出来るかのマップを作成することから始まります。加えてこのマップはデータ・エコシステム(相互に連携するシステム)の構築により実現されねばなりません。

 マーケティング5.0を可能にするネクスト・マーケティング・テクノロジーとしては、人工知能・機械学習(AI)、自然言語処理(NLP)、センサー技術、モノのインターネット(IOT)、ロボティックス、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、ブロックチェーンなどがあります。

 ネクスト・テクノロジー・マーケティング5.0のエコシステムは、データドリブンのプラットフォームの下で、予測マーケティンを行いあらゆるマーケティング投資の利益予測を推定し、売り場での顧客へのパーソナライズされたコンテクスチュアル・マーケティングを提供し、営業・店頭販売などの現場に於ける顧客とのシームレスなインターフェースを拡張マーケティングの活用で希少な人的資源の効率的・効果的な活用を設計します。

 このエコシステムは市場の変化にリアルタイムで対応出来るように、アジャイル(俊敏性)とイテレーション(短期間の繰り返しで完成度を高める)が求められます。詳細は紹介本(8~12章)をお読みください。

  • マーケティング0の時代に備えよう(むすび)

 マーケティング5.0は始まったばかりです。今から、データドリブンで、アジャイルなネクスト・テクノロジー・マーケティングを、インテレ―ションし乍ら取り組んでいきましょう。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html

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「私の本棚2022.6.28」

2022-06-28 18:30:11 | 経営コンサルタント
  • 今日のおすすめ

「理系思考入門」

            経済ニュース、増税、政治家の無策・・・基礎がわかればもうだまされない!

                                         (高橋 洋一著 PHP研究所)

  • PEST分析のEを思考する基礎は?(はじめに)

 PEST分析は経営学者でマーケティングの第一人者フィリップ・コトラーの提唱するフレームワークです。外部環境の一つであるマクロ環境を把握し、自社のビジネスへの影響を計り、変化への迅速な対応を促し、的確な戦略へ導く重要なフレームワークです。

 紹介本は、PEST(政治・経済・社会・技術的要因)分析のE(経済的要因)について多くの示唆を示しています。紹介本は著者が既に発刊した『「消費増税」は嘘ばかり』(2019.2.16)『「戦後経済史」は嘘ばかり』(2016.1.15)『「官僚とマスコミ」は噓ばかり』(2018.6.8)を集約・編集したものです。改めて読み直しますとE(経済的要因)に関する基礎的視点を見出すことが出来ます。

 紹介本の示すE(経済的要因)に関する基礎的視点のなかから「知って得する経済を見る基礎的視点」を次項で紹介します。

  • 知って得する経済を見る基礎的視点

【日本の財政を考える①ー財政の健全性を考えるー】

 財政健全性の世界標準はIMFが公表する「政府の資産と負債レポート(Management Public Wealth)」です。ポイントは連結(中央政府+地方政府+政府関係機関+中央銀行)で見た純資産(総資産-総負債)の大きさです。

 これを直近の日本の数字(2019/3)に当て嵌めてみます。政府の連結のバランスシートでは、資産1013兆円、負債1517兆円です。これにはIMF基準で連結ベースに入れるべき中央銀行の日銀が含まれていないので、日銀のバランスシートの資産557兆円、負債557兆円を加えます。連結ベースでは資産1570兆円、負債2074兆円です。しかし、日銀のバランスシートの負債のうち日銀券と当座預金の合計501兆円は経済的な意味での負債性はないので、実質的な連結ベースの政府全体のバランスシートは、資産1570兆円、負債1573兆円となります。IMF基準での純資産は▲3兆円となります。(地方政府のバランスシートは資産・負債がほぼ同額につき純資産には影響しませんので計算から外しています。)このIMF基準の連結バランスシートのみ、財務省から公表がされていないのです。

 財務省が主張する財政破綻論は嘘であることをお分り頂けたでしょうか。因みにIMFのレポートでは、G7の中で日本の財政はカナダに次いで健全であることが示されています。

【日本の財政を考える②ー人生100年時代の年金制度に安定的に移行するにはー】

 年金における「保険料」と「給付」の仕組みは、単純に示すと次の等式で表されます。この等式が成り立つ数理計算により制度が設計されます。

40年(20~60歳)保険料を納め、20年間(60~80歳)給付を受ける場合

 40年間の保険料の支払総額=20年間の年金受取総額

 人生100年時代の年金制度は、20~75歳まで働き(55年間)保険料を納め、27.5年間(55年間÷2、102.5歳まで)年金を受け取る、次の等式が成り立つ制度に変えることで成り立ちます。支払う1年当たりの保険料、受け取る1年当たり給付額は現行と大きな変化はありません。

55年(20~75歳)保険料を納め、27.5年間(75~102.5歳)給付を受ける場合

 55年間の保険料の支払総額=27.5年間の年金受取総額

 移行過程の調整、インフレへの対応など国庫からの若干の負担の必要はありますが、人生100年時代の年金制度への安定的な移行が予測出来ます。「少子高齢化による年金崩壊」等と煽ることを止め「明るい人生100年時代」に向けて歩み始める時ではないでしょうか。

【日米のインフレ目標2%の根拠はNAIRU理論】

 米FRBの「物価上昇率の長期目標2%」と日銀の「物価安定の目標2%」の2%は偶然の一致なのでしょうか。そうではありません。金融緩和を行うとインフレ率が上がり、失業率が下がる「フィリップス曲線(英・経済学者アルバン・ウィリアム・フィリップス論文1958)」理論とインフレ率を上げても失業率が下げ止まる失業率の最低ラインNAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment:自然失業率=完全雇用下における理論的失業率)の考え方が背景にあります。縦軸(y)に失業率、横軸(ⅹ)にインフレ率を置いたグラフで表すと、フィリップス曲線とy=NAIRUの直線と交わる点を最適点とします。つまり、失業率を最低に(NAIRUまで)下げる最少のインフレ率が最適点です。グラフ画像は次のURLの図1(注1)を参照下さい。

(注1)https://diamond.jp/articles/-/162429

 NAIRUと最適点インフレ率は統計から算出されますが、日本では2.5%と2%、アメリカでは4%弱と2%と算出されています。

 日本の直近の失業率は2.6%(2022/4)、インフレ率(消費者物価指数2022/4)は総合2.5%、生鮮食品を除く総合2.1%、コア指数(エネルギー・生鮮食品を除く総合)0.8%です。著者はこの状況に対し次のようにコメントします。

 「4月の東京都区部の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比1.9%上昇し、エネルギーと生鮮食品を除く総合(コア指数)は0.8%上昇となった。5月20日に公表された4月の全国の消費者物価指数(総合)では、2.5%と一時的にインフレ目標の2%超えとなった。しかし、大切なことは、相当のGDPギャップの存在への留意と、実態のインフレ率は、ウクライナ・ロシア情勢を勘案し、エネルギーと生鮮食品を除くコア指数で見ていくべきだ(実態は2022/4コア指数0.8%と、最適点2%との開きは大きい)。基調としてインフレ目標2%超えにはなりそうにない」と。(現代ビジネス2022.5.9に実績数値挿入)

 アメリカの直近の失業率は3.6%(2022/4)、インフレ率は総合8.3%、コア指数6.2%(2022/4)です。アメリカのインフレ率は最適点のインフレ率2%を大きく上回っており、失業率はNAIRUに到達していると判断され、4月1日の0.25%に続き、6月1日より政策金利のFF(フェデラルファンド)を0.5%引き上げ0.75~1%にすることを決めました。更なる引き上げが見込まれ、最適点のインフレ率2%目指した金融引き締めが実施されるでしょう。

【為替レートはニ国間のマネタリーベースの相対比で決まる】

 最近“円安、約20年ぶり1ドル130円台”と騒がれています。著者は変動相場制の下では、「円・ドルの為替レート比(・・円/1ドル)」は日米のマネタリーベースの比で算出した「均衡レート」に収斂するとします。「均衡レート」は、日本の円ベースの通貨総量(注2)/米のドルベースの通貨総量(注2)の計算式で表されます。日米のマネタリーベースの統計が取れるようになった1971年からの「円ドルと日米マネタリーベース比<均衡レート>の推移図(注3)」を見ると、プラザ合意による変動相場制への移行3年後の1988年以降、日本の為替介入がなくなり、「円・ドルの為替レート比」の折れ線が「均衡レート」の折れ線を中心に動いていることを確認できます。

 「均衡レート」の計算はどこの時点を基準(ある時点を100としてその後の増減で計算)とするかによって異なってきます。いずれにしても、「均衡レート」が一つの円・ドルの変動要因であることが統計から判断できることは一つの基礎的視点と言えるのではないでしょうか。

 ・マネタリーベース(通貨の総量)=

                                「中央銀行券発行高」+「貨幣(硬貨)流通高」+「中央銀行準備当座預金」

 ・図:「円ドルと日米マネタリーベース比の推移」(以下URL)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/94970 

  • フェイク-嘘-を見抜き真理を求めよう(むすび)

 社会には意図の有無に係わらず、多くの間違った情報が流れています。その様な中で正しく情報を収集していくにはどうしたらよいのでしょう。

 それは、収集する情報がデータ・事実に基づいていること、文脈の展開が論理的であることを確認することです。加えて収集するサイドの損得や感情の混入に留意しなければなりません。

 その上で、情報を正確に把握し、自身のコアバリュー(理念)とパーパス(存在意義)に沿ったビジネス戦略を展開しましょう。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html

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「私の本棚2022.5.24」

2022-05-24 11:32:52 | 経営コンサルタント
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『LIFE SHIFT 2「100年時代の行動戦略」』

                       (アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン著  池村千秋訳  東洋経済新聞社)

  • テクノロジーの進化と長寿化を「恩恵」にしよう(はじめに)

 紹介本の共著者リンダ・グラットン(ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授;人材論・組織論の世界的権威)は2011年に、14年先の2025年に想定される働き方を示す『「ワーク・シフト」-孤独と貧困から自由になる働き方(2025)』を出版しました。「ワーク・シフト」の中でグラットン教授は、『働き方に影響する「5つの要因」(①テクノロジーの進化、②グローバル化、③人口構成の変化と長寿化、④女性活躍など社会の変化、⑤エネルギー/環境問題の深刻化)』と『働き方に影響する「32の現象」(①世界の50億人がインターネットで結ばれる、②地球上のいたるところで“クラウド”を利用できるようになる、③“人工知能アシスタント”が普及する、④持続可能性を重んじる文化が形成されはじめる、⑤デジタルネイティブY、Z世代の活躍と長寿化など)』から生じる『働き方を変える「3つのシフト」(①ゼネラリストから“連続スペシャリスト”へ、②孤独な競争から“協力で成し遂げるイノベーション”へ、③お金の為ではなく“情熱を持って働く働き方”へ)』を提言しています。

 グラットン教授は「ワーク・シフト」に続き、2016年には『「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)①」-100年時代の人生戦略』、2021年には『「ライフ・シフト②」-100年時代の行動戦略』をアンドリュー・スコット(ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授)との共著で出版しました。

 「ワーク・シフト」で示した時代の変化を、「ライフ・シフト①」では「人生戦略(新しい人生とその課題)」として示し、「ライフ・シフト②」では「行動戦略(新しい課題への対応策)」として示します。二つの戦略を個人・社会が「新しい社会的開拓者」として新しい社会的発明を実現し、テクノロジーの進化と長寿化を「警告・警戒」ではなく「恩恵」にすべきと訴えます。

 さて、グラットン教授の、一つの研究が有ります。それは、「日本で、2007年に生まれた子供については、107歳まで生きる確率が50%」です。この研究を踏まえ、2017年9月に内閣府の「人生100年時代構想会議」が発足し(現在は活動停止中)、グラットン教授は有識者議員に就きました。

 50%が107歳まで生きる今年の高校1年生(2007年生まれ)の世代が明るい「人生100年時代」の「恩恵」を得ることが出来る社会の実現に向けて、『誰が、どの様な社会的開拓・発明をすべきかの「行動戦略」』について次項で考えてみましょう。

  • 明るい「人生100年時代」を創る

【紹介本が想定する「人生100年時代」とは】

 紹介本が想定する「人生100年時代」は、「人生80年時代」からの脱却です。平均寿命が20年延びるだけでなく、医療は予防医療が重視され健康寿命が延び、生産年齢世代の人口減少による人手不足は、AIなどのテクノロジーの発展と高齢者の就業参加により解消され、高齢世代が生産年齢世代の負担になる負のイメージが解消されます。退職年齢・年金給付開始年齢は75歳へと徐々に変っていき、これにより「支えられる世代(65⇒75)/支える世代(64⇒74)」は2065年2.4と2017年の2.1とほぼ同じになります。(2018年9月経済産業省「人生100年時代に対応した生涯現役社会の実現」より。下記URL参照。)https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf

 一方、働き方は現在の3ステージ型(教育、一つの仕事-40年-、引退)からマルチステージ型(教育、幾つかの仕事-60年-、引退)に変わります。

 この様にして、『人類の並外れた発明の能力を生かし、個人は新しい人生の在り方を切開き、社会は社会規範と慣行と制度を根本から作り変える「人生100年時代」』を、個人・社会の行動戦略の実践により創出できると紹介本は示します。

【「人生100年時代」への行動戦略①―人生の再設計】

 テクノロジーの発展と長寿化から必然的に到来するマルチステージ型の人生は、生活水準を確保することに加え、変化・変身しても変わらない有意義なアイデンティティ(私は何者かの答え)を持ち、人生の花を開花させることが大切とします。

 特に、「物語―人生のストーリーを紡ぐ―」、「探索―生涯を通じた学習と新たなステージへの変身・挑戦―」、「関係―家族・仲間・コミュニティーとの深い絆を育む―」の3つの行動戦略を実現し、人間としての可能性を開花させることが大切とします。(「物語」「探索」「関係」については紹介本をお読みください。)

【「人生100年時代」への行動戦略②―企業の対応】

 「人生100年時代」は、テクノロジーの進化に伴う業務プロセスの変化により、ビジネスモデルや仕事の内容の増減など、仕事の在り方と企業環境が根本から変わります。人材の流動性の高まり、マルチステージ型の働き方などが進行します。

 加えて、長寿化の進展により、生涯現役観など人々の仕事観が大きく変容していきます。

 この様な変化に対応するための企業の行動戦略として、紹介本は、入社年齢の多様化、年功序列などの年齢差別の撤廃、年齢に縛られないリスキリング(学び直し)の機会の提供、終身雇用の見直し・新たな退職の形などの就業慣行・制度の改革、柔軟な働き方を構築できる子育て・介護者の支援の改革、などを推奨します。

【「人生100年時代」への行動戦略③―政府、教育機関の対応】

 紹介本は、政府がとるべき行動戦略を次のように定義しています。「政府は発想を変えて、マルチステージの人生と100年ライフの時代に即した政策を実行する必要がある。既存の規制・制度を見直し、好ましい結果を最大限拡大しなくてはならない」と。上記、経済産業省「人生100年時代に対応した生涯現役社会の実現」の通り、政府は着々と新しい時代への対応を推進していると期待したいです。

 教育機関の行動戦略については、紹介本は、生涯学習の世界最先端を行くハーバート・エクステンション・スクールのランバート学長の提言を“例示”として紹介しています。「私が目指しているのはただ一つのこと。それは、知識経済に参加するために学び直しを必要とする2000万人のアメリカ人と世界の30億人のために、我々のような生涯学習機関が貢献できるようにすることである」です。

 日本の大学も、学び直しの生涯学習のニーズに応え、大学の赤字を解消するなど活性化のチャンスではないでしょうか。

  • 「少子高齢化」の呼称は止めて、「人生100年時代」と言おう(むすび)

 紹介本は、負のイメージの「少子高齢化社会」を国民一人一人が、自身、企業、政治、教育機関を社会的開拓・発明・意識変革により革新することで、明るい「人生100年時代」の「恩恵」を得ることが出来る道筋を示しています。

 最早「少子高齢化社会」を恐れず、「人生100年時代の社会」への明るい希望をもって前進しましょう。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

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「私の本棚2022.4.26」

2022-04-26 16:38:17 | 経営コンサルタント
  • 今日のおすすめ

「スモールM&Aのビジネスデューデリジェンス実務入門」

                     (寺嶋 直史、斎藤 由紀夫著 中央経済社)

  • 実践・体験で得られた「ビジネスDD」を経営改善・革新に活かそう(はじめに)

 紹介本は、共著者自身の中小企業のM&Aアドバイザーとしての実践・経験を基に書かれた貴重な知見書です。著者は、広く経営者・経営関係者、経営コンサルタント・アドバイザーに向けて、状況把握・課題設定・課題解決を通して企業価値を高める、「ビジネスDD」を明らかにしています。

 本書の私流の読み方を発見しました。「ビジネスDD」の全体像が10章『「ビジネスDD」の全体構成』に記述されています。「Ⅰ会社概要」は10章に、「Ⅱ外部環境分析」は9章に、「Ⅲ経営分析」は6章~8章に、「Ⅳ内部環境分析;1.経営・組織活動、2.営業・販売活動、3.製造活動」は11章~13章に、「Ⅴ総合評価」は15章に記述されています。14章は「小売店・飲食店・サービス業の『ビジネスDD』」の別枠章。最終章の16章は、6章~15章(除く14章)の結果を踏まえた「事業計画書+PMI(買収後の経営改善・革新計画)」について記述されています。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・16章の順番で読んでいくと体系的に頭に入ります。

 さて、本書の知見を経営にどのように生かしたら良いのでしょう。それは、「ビジネスDD+PMI」の手法を、‟まねび”(真似を通じた学び)を通して、自社版「経営自己診断(調査・分析)⇒課題抽出⇒経営改善・革新計画・行動計画⇒PDCAによる実行・管理」として創出することです。

 本書の‟まねび”から創出した、自社の経営改善・革新計画(以下「経営計画」と略称)を、実行・振返り・改善行動により経営改善・革新の成果を上げることができます。

 次項では具体的な“まねび”と、さらには一歩一歩レベルを上げる“守破離”について記します。

  • 本書を‟まねび”、‟守破離”へと飛躍し、経営改善・革新を実現しよう

【本書を‟まねび”、その上で、自社の経営計画を策定する】

 まず、「経営改善・革新プロジェクト・チーム」を立ち上げます。上述のⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・16章「事業計画+経営計画」に沿って、担当委員とリーダーを次のように決めます。「Ⅰ会社概要」は総務部員、「Ⅱ外部環境分析」は調査部員、「Ⅲ経営分析」は経理部員、「Ⅳ内部環境分析」の1.経営・組織活動は経営企画部員、2.営業・販売活動は営業企画部員、3.製造活動は製造管理部員、「Ⅴ総合評価」と「事業計画+経営計画」はリーダーが担当します。こうして6名の担当委員とリーダーが決まりました。リーダーは兼社内コンサルタントを務めます。

 早速‟まねび”をスタートします。“まねび”のゴールは、本書のⅠ~Ⅴと「事業計画+経営計画」を自社版経営計画として創出し、経営会議において発表し、同時に「経営改善・革新会議」をスタートさせることです。

 担当委員とリーダーが創出する経営計画の作成に於いて大切なことは、チーム・メンバー&リーダー間のコミュニュケーションと共助です。

 具体的な作成ですが、「Ⅲ経営分析」は本書の購入者がダウンロード出来る『「経営分析」シートのフォーマットExcel』を活用します。このフォーマットに自社の財務計数を入力することで、本書の「Ⅲ経営分析」の図表が自動的にアウトプットされます。加えて財務評価指標については、同業の平均値との比較が可能になります。

 「Ⅲ経営分析」の図表を除くと、‟まねび”により創出する「図表」の要作成数は42個です。経理部員を除く5名の担当委員とリーダーで割ると、一人当たり平均7個を作れば完成です。自社版「図表」に伴うコメント・課題・対応策も同時に作成します。

 これで‟まねび”による、「経営計画」の創出は完了しました。創出した「経営計画」の一貫性と精度を高めるため、リーダーがファシリテートをし、チーム全員で一つ一つの「図表&コメント・課題・対応策」をチェックし、一貫性と精度を確認、修正します。

 更に「経営計画」を具現化・行動化する全社と部門・現場のKPI(重要業績評価指標)を作ります。これで「経営改善・革新会議」に提出する段取りは完了です。

 この様にして、毎月1回の「経営改善・革新会議」がスタートします。回数を重ねるごとにプロジェクトの内容を一歩一歩レベルアップすると共に、「経営計画」を行動に移しPDCAによる実行・管理を進めます。

【次のステップは‟守破離”の実施】

 スタート当初は、‟まねび”により創出された経営改善・革新のスキームをベースとした活動です。大切な次のステップは、このスキームに独自のアイデアを積み重ね、更新・革新していくことです。つまりスキームの守破離を実現することです。守破離の‟守”は‟まねび”で確立されました。次は‟破離”です。次に‟破離”の例を示します。

【‟破離”の例①―経済産業省経営改善ツール「ローカルベンチマーク」の活用―】

 ‟まねび”で作成した「経営計画」の内容を、「ローカルベンチマーク」のシート(下記sheet URL)に、ガイドブック(企業編)(下記guide URL)に従って入力・記入してください。

 Ⅰの財務分析は評価指標が同業基準値と自社数値の基準値比の点数が表示され、また、主要評価指標の自社数値の推移がレーダーチャートで表示され、新たな気づきを得ることができます。

 Ⅱの非財務では、「a業務フロー」「b商流」「c 4つの視点」を総括することで、新たな気づきを得ることができます。

 Ⅰ、Ⅱの気づきを纏め、「経営計画」に反映しレベルアップを計れます。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/guide.html

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/sheet.html

【‟破離”の例②―中小機構「経営自己診断システム」の活用―】

 ‟まねび”で作成した「経営計画」の会計数値を「診断システム」に入力しましょう。

 入力の結果は、自社27経営指標と同業種の中央値と上位30%値が線グラフに表示される「個別指標分析結果」、27指標を5総合指標に纏めレーダーチャートが表示される「総合分析結果」、デフォルト企業の経営10指標と自社指標とが棒グラフと安全性得点で表示される「倒産リスク分析」として活用できます。

 これらの分析から新たな気づきが有ります。(中小機構「経営自己診断システム」は下記URL)

https://k-sindan.smrj.go.jp/viewpoint

【‟破離”の例③―企業価値を向上する「ROIC経営」の導入―】

 「Ⅲ経営分析」の課題を的確・効率的に実現するのが『企業価値を向上する「ROIC経営」』です。ROIC逆ツリー展開により現場におけるKPIの設定とPDCAの実行によりROICを高める手法です。(詳細は「経営士ブログ」下記URL参照。)

https://ameblo.jp/keieishi17/entry-12698434783.html?frm=theme

【‟破離”の例④―「CVP分析」に代えて「SCP分析」を導入する―】

 CSV分析(Cost Volume Profit;損益分岐点分析)は線形分析のため、実態と乖離しており限界があります。CSV分析の欠陥をカバーするのがSCP分析(Sale Cost Profit;タカダ式操業度分析)です。

 SCP分析は「戦略ファイナンス 高田直義著 日本実業出版 P250~P265」を参照し、Excelシートを使いフォーマットを作り、フォーマットが正しい数値を算出することを確認した上で、実数値を入力してください。

 CSV分析とSCP分析の結果を比較してください。SCP分析が実用的・的確なことが分かります。SCP分析の結果を踏まえ、予算操業度売上(操業度率100%の売上)への兆戦、Dead Costの低減などの課題に的確に対応できます。

 尚、上記著書の「ソルバー」の説明はExcelバージョンが古いので、「ソルバー」の使い方は下記URLを参考にして下さい。

 又、SCP分析に関する解説は下記URLを参照ください。

<「ソルバー」の使い方URL>

https://www.wanichan.com/pc/excel/2016/8/31.html

<SCP分析に関する解説ⅰ 高田直義 日本公認会計士協会研究論文URL>

https://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/000/226/80/N000/000/000/156676835734712860552.pdf

<SCP分析に関する解説ⅱ「私の本棚2014.9.23」URL>

https://blog.goo.ne.jp/sakaigmo/e/a90352cf8862b5b15039a70aec36dbfc

【‟破離”の例⑤―「ミドル・アップダウン・マネジメント」の導入を―】

 マネジメント組織としては、トップ・ダウン・マネジメント・モデルとボトム・アップマネジメント・モデルの欠点を意識し、長所を取り入れた「ミドル・アップダウン・マネジメント」が最適と言われています。つまり、ミドルがトップとボトムの「架け橋」「結節点」になることにより、はじめて機能的な組織になります。

 このミドルの役割を「経営改善・革新プロジェクト・チーム」が果たします。

 同時に「トータル・リワード戦略」の取り込みです。「この会社で働いてよかった」「この人たちと一緒に仕事が出来てうれしい」「社会に貢献できてうれしい」と、現場が心から思える戦略です。現場の有意義な情報に対し、アワード(金銭的報酬に加え、非金銭的報酬を与える)することで「ミドル・アップダウン・マネジメント」がより有効に機能します。(「知識創造理論」「行動科学マネジメント」より。それぞれの解説は「私の本棚2014.7.22」「私の本棚2014.6.24」URLは下記。)

https://blog.goo.ne.jp/sakaigmo/e/23b7b692d42029c86214438e236b5fda

https://blog.goo.ne.jp/sakaigmo/e/b0d399527861a24d9937516f1ba7d42a

  • ‟まねび”と‟守破離”の先には明るい未来が(むすび)

 ‟まねび”と‟守破離”による経営計画の実践と経営の改善・革新には熱意と根気が必要です。しかしその先に明るい未来が開けることを覚えましょう。希望を持って前に進みましょう。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

 https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html

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「私の本棚2022.3.22」

2022-03-22 08:59:09 | 経営コンサルタント
  • 今日のおすすめ

『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』

               (ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著 土方奈美訳 日経BP)

  • 書名「ZERO」の持つ意味は『起点・原点』(はじめに) 

 著者コリンズは、永続性のある偉大な企業を目指す起業家や中小企業のリーダーのためにロードマップを示すことを目的に、恩師ビル・ラジーと共著で1992年「Beyond Entrepreneurship(ビヨンド・アントレプレナーシップ)」を発刊します。その後、偉大な企業を動かす要因について探求し、ビジョナリー・カンパニー・シリーズとして、『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則(1995年)』『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則(2001年)』『ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の5段階(2010年)』『ビジョナリー・カンパニー④ 自分の意志で偉大になる(2012)年』を発刊します。

 ‟ビジョナリー”の辞書的意味は‟先見性や未来志向”ですが、「ビジョナリー・カンパニー・シリーズ」では‟永続する偉大な企業”と定義しています。‟永続する偉大な企業”は、「➀時代を超える生存の原則」では‟数十年にわたって存続する企業18社”、「②飛躍の法則」では‟良い企業から偉大な企業への飛躍を遂げた企業11社”、「③衰退の5段階」では‟偉大さを獲得した後、衰退した企業11社”、「④自分の意志で偉大になる」では‟不確実性の中で並外れた(10倍以上)成果を出した「10X型企業」7社”です。‟永続する偉大な企業”と同じ機会・状況にありながら「成果を上げられなかった企業」を‟比較対象企業”として選別し、「偉大な企業と比較対象企業の違いは何か」を、「“一対(いっつい)”比較法」により歴史的・実証的・体系的に、問い続けました。(注1の「スライド18~22」参照)

 著者コリンズは、「シリーズ①②③④」では異なった視点から‟永続する偉大な企業”とは何かの問いをして来ました。1周を終えて、新たに積み重なった資料とスタート時点のオリジナル版とを統合・整合し、起業家と中小企業のリーダーの「偉大な企業を生み出す」お手伝いをすべく、「ビヨンド・アントレプレナーシップ」のバージョンアップ版として、ビジョナリー・カンパニー・シリーズの『起点・原点』とする意図をもって、「ビジョナリー・カンパニー『ZERO』」の発刊に踏み切ったのです。

 更に『ZERO』の素晴らしいところは、オリジナル版の文章はグレー・ページ、新たに書き加えた部分はホワイト・ページになっており(ページ数もほぼ倍)、オリジナル版と、新たに加えた「(ドッラーカーの思想を引き継ぐ)永続するマネジメント思想」が明確に判ることです。

 ジム・コリンズは、「➀時代を超える生存の原則」を機にドラッカーと対面の関係を持ち、恩師として仰ぎ、「経営学の父」であるピーター・ドラッカーの思想を引継ぐと共に実証性により強化し、ドラッカーと共に「経営学の『起点・原点』」となったのです。(ジム・コリンズH/P〈下記URL〉「ピーター・ドラッカーから学んだ10の教訓」を参照下さい。)

https://www.jimcollins.com/article_topics/articles/Ten-Lessons-I-Learned-from-Peter-Drucker.html#articletop

  • 「ZERO」で新たに加えられた“章”‟新たな視点“の注目点

【偉大な企業を創るための「地図」】

 「シリーズ①、②、③、④」で異なった視点から論じてきたテーマを纏め、枠組みとして組み立てたのが、『偉大な企業を創るための「地図」』です。起業家が新たな企業を立ち上げるとき、既存の企業が苦境に立ち再起するとき、現在の会社を偉大な企業に育てたいと思っておられる経営者に貴重なヒントを与えてくれると思います。是非「ZERO」と「シリーズ①、②、③、④」をお読み下さい。(注1参照)

【ビジョンの構成要素】

 多くの企業になじみの深い「ミッション・ビジョン・バリュー」を「ビジョン」1本にし、「ビジョン」を「コアバリュー」「パーパス」「BHAG( Big Hairy Audacious Goals‟社運を賭けた大胆な目標”)」の3つにします。「コアバリュー」を“(時代を超える)会社の指針となる原則、会社を導く哲学”、「パーパス」を‟(100年間に亘って会社の指針となる)組織が存在する根本的な理由”とします。オリジナル版では「ミッション(明確なゴールと具体的期限のある目標)」と表現していたものを、“シリーズ①時代を超える生存の原則”から「BHAG(社運を賭けた大胆な目標)」に取換えます。「BHAG」に取換えたのは、‟人の心を揺さぶり、意欲を掻き立て、容易に理解できる、聞き手が神髄を理解し夢中になってくれる「(理想的な時間軸を10~25年とする)社運を賭けた大胆な目標」”を良しとしたのです。

 どうですか。「ミッション・ビジョン・バリュー」に変えて、迫力があって有効性が高い「コリンズ式ビジョン」を使ってみませんか。(注2参照)

【業務手順書を作るなら「SMaCレシピ」で】

 10X型企業のサウスウエスト航空を偉大な企業にしたのは「SMaCレシピ」です。私たちが業務手順書を作るときには、通り一遍ではなく、「SMaCレシピ」を参考にするとより有効性を高くすることができます。

 「針鼠の概念」により「BHAG」を作り、10X型スピリットにより「一貫性」「実証的創造力」「変化に対応するパラノイア」を満たす業務手順書「SMaC(Specific<具体的である>Methodical<整然としている>and<そして>Consistent<一貫している>)レシピ」を作り、「弾み車」効果を引き出し「BHAG」を達成します。

 詳しくは、「ZERO」と「シリーズ④自分の意志で偉大になる」をお読み下さい。(注3参照)

(注1)簡単な説明資料『「偉大な企業を創るための地図」から学ぶ.pdf』をご覧ください。

http://www.glomaconj.com/joho/blog/sakai20220322visionallycompany1.pdf

(注2)簡単な説明資料『コリンズ式「ビジョン・戦略・戦術」.pdf』をご覧ください。

http://www.glomaconj.com/joho/blog/sakai20220322visionallycompany2.pdf

(注3)簡単な説明資料『ビジョナリー・カンパニー・シリーズの実例から学ぶサウスウエスト航空の「SMaCレシピ」.pdf』をご覧ください。

http://www.glomaconj.com/joho/blog/sakai20220322visionallycompany3.pdf

 

  • ビジョナリー・カンパニー・シリーズは企業経営の教科書(むすび)

 シリーズは企業経営の教科書と思います。大著ですが是非お読みください。ただし、シリーズは①から④までと「ZERO」の全5冊でページ数は約2000頁です。2000頁全てを読むのが大変な方は「ZERO」を索引として、詳細は、シリーズ①~④で確認するのも賢い選択です。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html

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