癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

<恵山捜索>捜索方法と捜索の視点・留意点を考える

2020年06月05日 | 登山・旅行

 捜索隊メンバーには、このブログを毎日チェックしていただくようお願いしている。共通理解を深めるためにも、これまでの下見や偵察等の結果を踏まえて、今回の捜索範囲での捜索方法・捜索の視点・留意点等を、自分なりに考えてみた。

◎捜索範囲をこの東斜面の樹林帯に考えたわけ

 行方不明の第1報を知ったときには、登山道(権現台コース)の西側(噴火口側)の火山地形へ迷い込んで、どこかで足を滑らせて滑落か転落をして動けなくなっているのだろうと思った。これは、誰しも同じであろう。西側の火山地形は樹木も生えていないので、目視も利くし、ましてや、ヘリコプターからは簡単に見つかるはずだと思った。

 しかし、それでも見つからないので、さらに火口原や外輪山一帯の広範囲へと捜索範囲を広げ、特に5/18・19には自衛隊を投入しての人海戦術でも見つからなかった。

 天候に恵まれた5/20の空陸からの捜索の様子を火口原駐車場から見ていたが、これまでの3回もの斜面を舐めるようなヘリからの捜索でも見つからないということは、ヘリから見えない樹林帯の中だろうと考えた。

 その中で、もっとも可能性の高いのは、権現台コースの東側斜面だろうと考えた。函館中央警察署の捜索担当責任者に確かめたら、我々が考えた東斜面の樹林帯は、ほとんど捜索の手が入っていないという。

 そこで、まずは、5/31に、権現台コースから東側へ迷い込む可能性を考えて、そちらの偵察を行った。 その結果、権現台コースの東側斜面の上の方は、樹林も生えていないし、斜度も緩いし、歩こうと思えばどこでも歩けることが分かった。

 ましてや、この山に初めて登り、登山経験のほとんどない晶君が、登山道の上の方からずっと東下に見えるホテル恵風の駐車場やその北側に見える広大な網干場を、スタートした駐車場と考える可能性がないわけではない。実際に、何度も登っている妻でも、同じように考えるという。

 お姉さんたちの「一つ目のカーブで姿が見えなくなった」「晶君がショートカットして下りれそうと話していた」という情報もある。普通では考えられないが、下に見えるホテル恵風の駐車場を見てそちらへ向かった可能性がないわけではない。

◎今回の捜索範囲を水無沢川(南側)~十三曲がりコース(北側)の間に限定したたわけ

 水無沢川は、画像の左上に見える崩落崖から下へ続く深い沢である。5/31の偵察で、この上の崩落崖の左横(下から見て)の岩の切れ間の中は、とても急で大きな岩がゴロゴロ詰まっていて、我々でもとても下りれることろではないと判断した。ましてや、晶君は下りようとは思わないだろう。

 そうなると、崖の南側(画像左上)は画像でも分かるように稜線上に岩壁が連なっているので、そこから下へ下りることは不可能と思われる。なお、この水無沢川の中に落ちているとすれば、広い沢なので、ヘリからもはっきり見えるはずである。縁の灌木に引っかかっていれば別であるが・・・。

 十三曲がりコースは、画像右側の沢の右斜面である。権現台コースの東側へ迷い込むとすれば、十三曲がりコースの横の沢に入り込む可能性と、十三曲がりコースを下りる可能性がある。

 以上の視点から、捜索人数にも限界があるので、範囲を、水無沢川~十三曲がりコースの間に限定した。

◎捜索担当区分及び各班ごとの捜索の視点と留意点

 当初は、この範囲を下から3等分して、捜索しようと考えた、しかし、等高線が詰まっているc200~250の間の地形が気になって、6/3に偵察を行った。その結果、この部分は、抜けることが不可能な屏風状の岩壁が連なっていることが判明。

 そこで、当初の下から3等分の計画は無理となったので、トップ画像のような割り当てとなった。

 どの班も、核心部はこのA・B班とC班の境目の屏風状に連なる岩崖部分の上下であろう。ここに落ちていたり、引っかかっていたりしている可能性もある・・・。捜索の面からしても、一番危険な箇所である。それぞれの班にロッククライミングの経験者を配していて、各班2本のザイルは持参するが、無理は絶対禁物である!

<班ごとの捜索方法と捜索の視点と留意点>

<A班>(リーダーは5/31の偵察に参加しているmyuさん~この班は平均年齢が一番若い)

 十三曲がりコースを登り、岬展望台分岐付近から、鹿道を辿り、南側へ樹林帯の上を水無沢川まで進み、沢の縁を尾根沿いに下りながら捜し、下の岩崖の上をB班との境目付近まで横に進みながらくまなく捜し、その後は、その上の斜面全体ということになるだろう・・・?

<B班>(リーダーは、不詳私)

 十三曲がりコースを登り、途中からその下の沢の源頭部(崩落崖の上)へ下りて、まず、そこから沢型の上部の捜索をする。その後、沢の源頭部を巻くようにして、下の岩崖の上まで下り、A班との境目付近まで南側へ進みながらくまなく捜す。その後は、その上斜面全体ということになるだろう・・・? 十三曲がりコースと沢との間の斜面は、下山時に入る予定である。

<C班>(リーダーは、6/3の偵察に参加している龍さん)

 十三曲がりコース登山口から、砂防ダムの上を越えて、6/3に歩いた沢の右岸尾根を岩崖の下まで登る。そこから、岩崖の根元を辿りながら、根元や途中の引っかかっている可能性のあるところをくまなく捜す。南進して水無沢川沿いの砂防ダム工事用道路に出たら、その下の斜面をということになるだろう・・・?この範囲の下の樹林帯は、屏風状の岩崖を下りて来ることは無理でも、十三曲がりコースを下りてきて、森林浴コースや林道から迷い込んでいる可能性がある。

 なんとか、今回の捜索で、手がかりだけでも見つけ出したいものである。それらを見つけた場合の対応は、すでに考えているが、その時点で、無線で捜索本部へ連絡し、本部の鎌鹿さんと自分が打ち合わせをした上で、各班への連絡となるだろう。

 捜索メンバーのみなさん、よろしくお願いいたします! これを読みになった上で、何かありましたら、ご連絡下さい。

 なお、鎌鹿さんのところへ、市民からの義援金や支援物等が届いているという。ありがたいことである。


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