癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

歴史と医療の講演会

2012年01月27日 | イベント鑑賞・参加
         

 箱館歴史散歩の会(主宰・中尾仁彦氏)は、冬期間の12月~3月は、月1回の講演会を開催している。主宰による「郷土の歴史の話」と、氏の前職が西堀病院の事務長だったこともあり、医療関係者の「医療の話」の2本立てでである。

 今日、函館市まちづくり交流センターで行われた今回の「第73回」は、「発見!函館最古の建物(明治9年)の茶店舗」(中尾氏)と「知っておきたい高齢期の医療と介護」(函館市地域包括支援センターこん センター長・三谷真理氏、函館市医師会病院地域医療連携センター ソーシャルワーカー・八重樫優氏)であった。

○<講演1>「発見!函館最古の建物(明治9年)の茶店舗」    
      
         

 昨年7月、大町に現存する民家が、1876(明治9)年に建てられた函館最古の建物(土蔵造り)だったことが判明した。しかも、この発見は、後の初代函館区長で、この店舗の建て主だった常野興兵衛(正義)の子孫に当たる主宰の中尾氏本人だったことも興味深い。

 この手がかりは、天井裏の梁に打ち付けられていた幅7m高さ50cmの棟梁であった(上掲写真の一番上)。それには「明治九年四月十二日 十三代 常野興兵衛建造」と書かれていた。氏は、この辺り一帯を襲った明治11年,12年,40年の大火で焼け残ったことが信じられなかったとのこと。

 その後、明治12年の新聞に掲載されていた「大火の延焼を免れて営業を再開した広告文」、子孫に語り伝えられている「味噌を目張りして明治40年の大火から守った事実」などが判り、3回の大火をくぐり抜けて来た函館最古の建物ということが裏付けられたとのこと。 

         
       「商工函館の魁」(明治18年発行)に掲載された明治9年建築の常野茶店3代目店舗

         
       現在、大町のツルハの真向かいに建っている築136年を経た函館最古の旧常野茶店舗(帰りに撮影)

○<講演2>「知っておきたい高齢者の医療と介護」 

        

 主宰の中尾氏がコーディネーターとなって、お二人の講師に質問をするパネルデスカッション方式で行われた。

 主な内容は、「在宅死を現在の10%から40%まで上げる」とする国の医療政策に関わる心配な下記のことであった。
 
1,国の政策について(病院は治療が終わったら退院させる。介護療養型の病院は5年以内になくなる)
2,退院後、在宅へと移行できない場合の介護療養型施設の種類と現状 
3,函館の現在の施設の状況と今後の見通し
4,グループホームについて
5,サービス付高齢者住宅について
6,在宅介護の現状と問題点

 介護保険が年金から引かれてはいるが、まだあまり気にしていなかったこともあり、目新しい話ばかりであった。確かに最近いろいろな老人福祉関係の施設が増えてきていることは実感していたが、それぞれの違いが全く解らなかった。

 今回の話で、高齢者に対する国や地方の医療行政の現状や見通し、いろいろな施設の違いや問題点、多くの在宅介護や施設利用者などの切実な現状などが解った。それが、やがて、自分の身にも降りかかってくるのかと思えば、この先の人生が暗くなる・・・。

 中尾氏の最後の「できれば介護保険は利用したくない」との話に共感・・・・「介護を受けるような状況にはなりたくない。介護を受けてまで長生きしたくない。ピンピンコロリが理想・・・さもなくば、ボケないうちに病気で死んだ方がマシ・・・」という想いが強くなったが、果たして・・・・?