お薬通信・薬局日記

サカエ薬局

サカエ薬局で使用している無料抗原検査の医療用抗原検査キットの精度は?

2022-02-26 21:53:05 | 勉強
感染拡大傾向時の一般無料検査事業に、サカエ薬局では3薬局が参加しています。
私たちが使用している抗原検査キットの精度はどのくらいなのでしょうか。さっそく文献をしらべてみましょう。
 
 
Diagnostic performance of a SARS-CoV-2 rapid antigen test in a large, Norwegian cohort
PMID: 33736946
 
ノルウェーで行われた、サカエ薬局でも使われている抗原検査キット(Panbio COVID-19 Antigen ラピッド テスト)の結果をPCR検査と比較する前向き研究を読んでみました。
合計4857件の症例が研究に含まれ、全体的な有病率は6.9%でした。
違いは、私たちの検査では、鼻腔ぬぐい液ですが、この研究では咽頭/鼻咽頭複合ぬぐい液であることです。
 
さて、ここでおさらいです。
臨床検査の精度をしるための指標は、感度と特異度です。
 
☆感度・特異度とは?
感度:病気であるものを正しく病気と判定する確率。
今回でいえば、PCR陽性で新型コロナウイルス感染症である人を、抗原検査キットが正しく陽性と判定する確率のことです。
 
特異度:病気でないものを正しく病気でないと判定する確率。
今回でいえば、PCR陰性で新型コロナウイルス感染症でない人を、抗原検査キットが正しく陰性と判定する確率のことです。
 
さて、論文の結果をみていきましょう。
抗原検査キットの、研究に組み入れられた人全体の、感度は74.4 %[95%信頼区間:69-79]でした。
しかし、抗原検査キットの感度は、有症状例では78.9 %[95%信頼区間 73-84]だったのに対し、無症状例では、55.3 %[95%信頼区間 :41-69]という結果となりました。
特異度はいずれも99.9 %[CI 95%:99.7–99.9]でした。
 
このことから、抗原検査では、
「病気でない人をうっかり病気だと判定する確率はほとんどないに等しい」か
「病気である人を病気でないと判定する確率が、有症状の場合は20%、無症状の場合は、50%程度ある」
ということになるのです。
 
もう一つ論文を読んでみましょう。
 
 
Rapid, point-of-care antigen and molecular-based tests for diagnosis of SARS-CoV-2 infection
PMID: 33760236
 
英国に本部を置く国際的なネットワークで、登録された非営利団体であり、英国国立ボランティア団体協議会のメンバーでもあり、質の高い情報を用いて健康上の意思決定をしたいと考える人のために活動している、コクランからのレビューです。「平易な言葉での要約」からの抜粋です。
 
何を知りたかったのですか?
市販の迅速な抗原検査および分子検査がCOVID-19感染を確実に診断するのに十分正確であるかどうかを知り、症状のある人とない人で精度が異なるかどうかを調べたいと思いました。
 
この質問が重要なのはなぜですか?
COVID-19が疑われる人は、自己隔離、治療、そして身近な人に知らせるために、自分が感染しているかどうかを迅速に知る必要があります。
現在、COVID-19の感染はRT-PCRと呼ばれる実験室検査で確認されていますが、この検査は専門機器を使用し、結果が出るまでに少なくとも24時間かかることがよくあります。
抗原検査が正確であれば、より迅速な診断により、人々はより迅速に適切な行動をとることができ、COVID-19の蔓延を抑えることができる可能性があります。
 
レビューには64件の研究が含まれ、主にヨーロッパと北アメリカで行われており、合計24,087の鼻または喉のサンプルで調査されています。COVID-19はこれらのサンプルの7415サンプルで確認されました。
 
→サカエ薬局で使われている抗原検査キット(Panbio COVID-19 Antigen ラピッド テスト)も含まれていました。
 
主な結果
抗原検査
COVID-19の感染が確認された人では、抗原検査により、症状のない人の58%[95%信頼区間:40.2-74.1]と比較して、症状のある人の平均72%[95%信頼区間:63.7-79]でCOVID-19感染が正しく識別されました。
症状が最初に発症した後の最初の週に使用された場合、検査は最も正確でした。
 
COVID-19の感染が確認されなかった人々では、抗原検査により、症状のある人の99.5%と症状のない人の98.9%で感染が正しく除外されました。
 
 
これは何を意味するのでしょうか?
一部の抗原検査は、症状のある人に使用した場合、RT-PCRに取って代わるのにある程度正確です。これは、患者のケアについて迅速な決定が必要な場合、またはRT-PCRが利用できない場合に最も役立ちます。
抗原検査は、PCRによるさらなる検査のために症状のある人を選択したりするのに最も役立つ可能性があり、自己隔離を可能にし、検査サービスの負担を軽減します。
しかし、抗原検査の結果が陰性の人は、感染している可能性をぬぐいきれません。
 
________________________________________________________
 
2本の文献をよんでみて
 
国により有病率や、感染対策が違うことからこの結果をそのまま、この地域にあてはめることはできないかもしれませんが、
2本の文献では、抗原検査キットの精度について、同じ傾向をしめしていることがわかります。
抗原検査は、種類によっては、症状のある人に使用した場合、RT-PCRに匹敵するくらいの精度があり、RT-PCRが利用できない場合に役に立つことが示されています。
症状がなくても、周りに感染者がふえているので、不安に思い抗原検査を実施し陰性だったとしても、安心せず、これまで以上に感染予防につとめることがだいじなことです。
 
→二つ目の文献から、サカエ薬局で使われている抗原検査キット(Panbio COVID-19 Antigen ラピッド テスト)が、少なくとも1つの試験でWHOの許容基準を満たしたとあります。
私たちはこのように、文献を調べ、無料抗原検査で使用するキットの精度の根拠を把握したうえで行っております。
 
地域のみなさまへ
現在は、検査そのものが不足している時ですので、必要なところで必要な分、使用することが大切です。
現在、青森県の一般検査無料事業に、サカエ薬局の3薬局が参加していますが、県の指示により、決められた検査数で行っています。
どうぞ、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
 
 
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