日本連盟災害支援センターのブログ

本ブログでは、ボーイスカウト日本連盟災害支援センターからの情報発信を行っていきます。随時チェックお願いいたします!!

■新藤信夫日本連盟コミッショナーからのメッセージ

2011-05-03 07:50:46 | ブログ
この痛みを超えて、ともに進もう

このたびの東日本大震災において被災されました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また、お亡くなりになったボーイスカウトの仲間にお悔やみを申し上げます。

 震災の直後より、各地のスカウトと指導者が義援金の募金活動をはじめとする様々な支援活動に取り組まれたことと存じます。それぞれの環境で実施できる支援の輪を見出し、行動に移されたことに敬意を表します。被災地への支援活動は今後も経済的、物的、人的支援など様々な展開が続くものと思われますが、スカウトたちの活動が少しずつでも被災地の復興につながるよう、指導者各位のサポートを引き続きお願いしたいと思います。また被災地におけるボランティア活動につきましても、日本連盟で活動拠点を設けておりますので、ローバースカウトや指導者の皆さんの多くの参加をいただければと思います。

 さて、現地に出かけてボランティアに参加したいというスカウトも少なくないと思いますが、全てのスカウトができることではありません。また、ビーバー、カブ、ボーイ、ベンチャー、そしてローバーのそれぞれの年代だからこそできることがあります。ぜひ隊の仲間と一緒に考え、話し合い、それぞれの隊や団で、自分たちの力で、自分たちの暮らす場所でできる支援活動を見出してください。多くのスカウトが「いつも他の人々をたすけます」という「ちかいとおきて」の実践の機会を、継続的に得られるよう願っています。「縁の下の力持ち」という言葉があります。目立たない場面での地道な努力の積み重ねこそが尊いのです。テレビで有名人が行う募金活動も大きな力ですが、ひっそりとした小さな駅前での募金活動も、小さな善意を広く集めるという大きな力の一つです。一人が出す百万円と、百万人が一円ずつ出したお金の金額は同じでも、その価値はまるで違います。その過程でスカウトたちが声を涸らしながら直接触れる多くの善意にこそ、大きな価値があるのです。

 そして、最後にもう一点。私たちはいわゆるレスキュー隊ではありません。様々な生き方の中で「人の役に立つことを志す人間」を育てているのです。募金などの活動を通じて、私たちは被災地への支援の一端を担いながら、同時に被災者の方々の痛みに心を寄せ、ともに乗り越える場を切り拓いていく人間を育てているのです。このことこそが、私たちの使命です。いつもその足の置きどころを忘れることなく、これからも皆さんと一緒に復興への支援に取り組んでいきたいと思います。
 この災害の痛みを分かち合って、ともに進んでいける仲間を一人でも多く育んでいきましょう。