Kさんは海と山、それぞれのダイナミックな水の表情を描かれました。
「夕日を受けて」 日本画 F8
夕暮れ、赤く染まった岩壁には荒々しい波が押し寄せています。
下描きの段階では日中磯遊びをする人々が点在していたのですが
描き進めるうちに岩の形が変わり、日中から日没近くになり、人々が
白波で覆われ・・創作の面白さ、奥深さを味わうことができました。
近づいてみました。
黒々と描いていた岩壁を夕日の表現で華やかに変化させたことから
作品との格闘がはじまりました。さまざまな色を重ねていく過程で
楽しい化学変化がおこり、新しい形と物語がうまれ、エネルギーに
満ちた作者Kさんそのもののような明るく開放的な作品となりました。
2点目です。
「雄 流」 アクリル画 F6
豪快に流れ落ちる滝がじつに涼やかです。名瀑「音止めの滝」を
横から見たイメージで描かれました。滝手前を黒々と描き暖色も用いて、
奥の岸を水分多めの透明感ある黒色と寒色のみで表現と、意識的に
変化させたことにより遠近感と滝の大きさ壮麗さが表されています。
近づいてみました。
あとから画面に変化をもたせるために滝の中ほどに岩を描き加え
ましたがそれが功を奏し、清らかな水の透明感や流れの速さまでも
表されました。手前の植物群を大胆なタッチで、一番遠い木々を細やかな
タッチで描き豪快さと繊細さをあわせもつ表情豊かな作品となりました。
心にしみこんだ光景を描き続けるKさん。作品はますます力強くなっています。
Kさんの過去の作品群はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Kさんのページに制作順に掲載されています。ぜひこちらもご覧ください。