教室・自然いろいろブログ

グループ彩雲の創作活動と身近な自然の観察記録

鎌倉芸術館にて(その2)

2010年01月11日 | その他
鎌倉芸術館へ行くのに最寄の駅は
JR大船駅です。大船観音とは逆側の出口に出



にぎやかな商店街を歩きます。
ここの近くには高校3年生の秋から半年通った
美術の予備校がありました。ハマケイやミスタードーナツで
揚げ物ばかり食べて肥えましたっけ。懐かしい!
今はバスで上郷森の家へ行くときに通ります。



目的の鎌倉芸術館は駅から歩いて7~10分ほどでしょうか。

ギャラリー1・2で開催されていた「富岡畦草記録写真展」は
1950年代からの藤沢駅界隈や子供たちの誕生から毎日!
撮り続けた愛情あふれる家族の日常が展示されていて
見飽きません。とてもにぎわっていて「4日間通っている」
という方がいるぐらい素晴らしいものでした。

畦草さんの次女、高校時代の恩師三智子先生の
「三智子絵画展」が開催されているのはギャラリー3。
お人柄そのままのまっすぐで力強い、ゆったりとした
日本画が展示されていました。画像を載せられないのが残念・・
これら作品展は本日17:00まで、おすすめです。

13時からは小ホールで催された
チャリティシンポジウム「いのち・人・きずな」にも参加しました。
こちらは9・10日のみ。



亡くなられた富岡畦草さんの長女、初恵さんの遺志に基づき
畦草さんが主催、三智子先生が企画・総合プロデューサーとなり
《営利を目的としない慈善事業を展開しつつ、自由な発言・発表が
できる場として有志で会を発足。第一回目(今回)は医療と教育と
アートを融合させたチャリティ・シンポジウム》(パンフレットより引用)
開催したものです。

父の死をとおして、病院、医療従事者、患者との関係や
終末期医療のあり方などを考えることが多かった私にとって
講演はとても興味深いものでした。


富岡三智子先生との出会いは高校2年生の時。
将来美術に関する仕事につきたい、と漠然と考えていた私が
転任していらした先生に相談したところ、私の描いた絵を見て
「日本画が向いているわよ」と言ってくださったのです。
その後美術室近くの教室で絵を描くように取り計らってくださり、
さまざまなアドバイスをいただくようになりました。それまで
私の父は絵の道では将来が心配だとして反対していましたが
先生と父が面談したその日から受験OKとなり、
その後「先生の爪の垢を煎じて飲め」とまで言われるようになりました。

高校3年生の時だったと思いますが
先生に神奈川県立美術館へ引率していただいて
「安田靫彦とその一門展」を見ました。



初めての日本画だけの作品展。
ここになんと国語の教科書のカラーページに載っていて私の
お気に入りだった作品「飛鳥の春の額田王」の実物が
ありました!その圧倒的な存在感と気品ある美しさ・・・
あの感激は忘れられません。

日本画に触れる機会を作ってくださったり
先生の描いたものを見せてくださったり、何より多くの時間を
さいてお話をしてくださったこと。感受性の強い大切な時期に
素晴らしい先生に出会えたことはとても幸運でした。
 
シンポジウムの舞台に最後、挨拶に出てこられた先生は
変わらぬ澄んだ声で伝えたいことをはっきりとわかりやすく
説得力をもってお話されていて、自分が高校生の頃に戻ったように
お話に聞き入ってしまいました。


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