信州・佐久で、ものづくり

信州・佐久在住の「ものづくり」の裏方である生産技術一筋二十数年。一芸より多芸を求められる人間から見た「ものづくり」論。

歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その4

2016年05月21日 23時46分06秒 | 日記

虫歯を予防する歯科用イオン導入装置開発の冒頭から「感電」に対する感じ方が医療関係者、メーカー内でも販売担当者、製造担当者、設計開発者で全然違う現実にビックリされましたか?

「科学的根拠に基づいた安全(品質保証)」より「事故事例がないから従前の設計条件、製造方法で良い」という安全神話的な考え方が当時の工場を仕切っていた方の考え方でした。

食品製造時代に食品衛生(食品安全)について、ある県の役人(課長級)と協議中に「事故事例がないから(安全は確保されている)」と発言して猛烈に罵倒された人を見たことがあります。

役人・・・「今まで借金を踏み倒したことがない」を担保に、誰か、あなたに1千万円を貸してくれますか?(ないでしょう!)同じように「今まで事故がない」というのは「将来も事故がない」担保になりません。科学的根拠を担保として提示して下さい!(ついでに、〔発言した人に対して〕もう、あなたを信用しません。これから発言しないで下さい、と。)

これは東日本大震災で原発の安全神話の崩れる以前の話です。何故、教えてやらなかったって?筆者から話してもムダな雰囲気でしたので・・・・

役人の言った1千万円の意味ですが、役人が「許可」、「承認」などを与える窓口となるということは、その役人にとっては自分の職を懸けている、与えた組織が不正を行った場合、その役人も罪に問われる可能性があるということです。ある地方では「事故事例なし」が担保になる、という話もあるようですが、技術者たるもの、科学的根拠をしっかり押さえるようにしましょう。

そもそも事業継続している組織において「事故事例なし」というのは当たり前の話です。製品事故や有害事故を起こすような組織は社会的責任から存続できませんからね。

安心して下さい!筆者の開発した歯科用イオン導入装置は適合性認証基準(JIS)を満足しています。いや、それ以上の配慮も!(コストに跳ね返ってくる苦しさも・・・あります!)

 


歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その3

2016年05月20日 21時27分50秒 | 日記

虫歯を予防する歯科用イオン導入装置とは、人体で電気分解や人体に電位を与える・・・なんて話をするとビックリされる方もおられるかも知れません。

触れた部位や個人の感覚で違いますが、感電の症状を説明しましょう。

  • 1mA : 感じる程度
  • 5mA : 痛みを覚える
  • 10mA : 我慢できない
  • 20mA : 痙攣、動けない
  • 50mA : 非常に危険
  • 100mA : 致命的

意味分からな~いですよね。でも大丈夫!筆者の居たメーカーでも誰も理解していませんでした。そもそもmAって何だ!

Aはアンペアと読みます。mはミリ。1m(メートル)=1000mm(ミリメートル)と同じ使い方です。1メートルや1ミリメートルは見て分かりますが、1アンペアって、どう感じればいいの?

いえいえ、身体で1アンペアを感じたら・・・死にます。

乾電池で(人体内に)1アンペア流れたら?コンセントに触れて(人体内に)1アンペア流れたら?・・・死にます。

コンセントに触れれば誰でも感電するのは分かるが、乾電池に触ってもビリビリしないよ、平気だよ、と大抵答えるでしょう。

それは電圧が違うから!(これ以上はオームの法則とか参照してね!)

先に述べた感電のことを、マクロショックと言います。マクロがあれば、ミクロもあります。ミクロショックとは心臓に直接流入する電流による感電です。0.1mAで心室細動が起こります。0.1mAとは100μA(マイクロアンペア)です。マイクロですよ!ミリが千分の1、マイクロは百万分の1です。心室細動を起こすと心臓は血液を送り出すことができず死に至ります。この時に必要なのがAEDですよね。

今までの内容で電気により死に至る条件は電圧ではなく、電流だ、ということがお分かり戴けたでしょうか?落雷や高電圧に触れた場合、感電以外に放電による熱の影響もあったりして症状が異なる場合もあります。

医療機器、特に、これより話の進んでいく歯科用イオン導入装置の開発には前述の意味を十分に理解しておく必要があります。

回路図や設計条件は神から授けられた、工場長は言っていましたが・・・決して、そんなことはありません。


歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その2

2016年05月18日 22時46分14秒 | 日記

先ずは原理説明!

歯の外殻であるエナメル質は99%がリン酸カルシウムの結晶で、それはハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)と良く似ているそうです。「芸能人は歯が命!」のアパガードCMで有名な(?)ワード「薬用ハイドロキシアパタイト配合」ですよ。

Ca10(PO4)6(OH)2  <-- ハイドロキシアパタイトの化学式・・・①

しかしエナメル質にあるアパタイトは結晶性が低く、Ca(カルシウム)が溶出したり、唾の中にあるCa(カルシウム)が取り込まれたりしています。つまり歯表面ではCa(カルシウム)が出たり入ったりしているのですね。Ca(カルシウム)が、どんどん出て行ってしまうと・・・虫歯になりやすい、とされています。

ここでF(フッ素)の登場!

フッ素が歯に取り込まれると、①の化学式のOH(水酸基)と入れ代わりフルオロアパタイトになります。

Ca10(PO4)6F2  <-- フルオロアパタイトの化学式・・・②

フルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトよりも水や酸に溶けにくい安定した結晶です。さらにCa(カルシウム)が溶出した部分を補修する効果もあります。歯の外殻であるエナメル質を「虫歯の原因となる酸」に負けない丈夫なものに造り替えて、虫歯予防効果を得よう、という理論です。

イオン導入法は前述の理論を、さらに効果的に口腔内で実現する方法として登場致しました。

つまり・・・

1.電気の力で有効成分F(フッ素)からなるFNa(フッ化ナトリウム)の水溶液を電気分解し、マイナスフッ素イオンを歯牙上に存在させる

2.歯牙にプラス電位を作り、マイナスフッ素イオンを歯牙に取り込ませる。ここでフルオロアパタイト完成!

という仕組みです。強固なフッ素コート完成ということで虫歯予防の他、知覚過敏にも効く!ってことですね。ついでに根管治療についてはイオン化した成分を電位により奥深く送り込む効果を利用するものです。

この原理に基づき歯科用イオン導入装置を開発することとします。

 

 

 


歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その1

2016年05月17日 21時47分20秒 | 日記

歯科用イオン導入装置とは何かっ?

6月4日を「虫歯予防デー」という人は80歳以上ですよ!現在は「歯と口の健康週間」となっています。

齲蝕(うしょく)予防って不気味な漢字ですが、虫歯予防のことです。但し、近年、成人するまで虫歯を経験しない子供は珍しくないようですよ。「歯と口の健康週間」というネーミングは虫歯人口の減少にあると言えますね。筆者は6月5日に歯医者さんの予約がありますが。

ということで、歯科用イオン導入装置とは人体に電位を与えフッ化物またはヨードヨウ化亜鉛などのイオンを歯牙に取り込む方法です。齲蝕予防だけでなく知覚過敏、根管治療にも適用できる方法です。

これから何回かに分けてフッ化物を利用する新型歯科用イオン導入装置の開発苦労話を投稿します。適合性認証基準(JIS)の話を中心として、仕様・設計条件、商標・メーカーオリジナリティ、課題解決の答え(?)については秘密とさせて戴きます。(歯科関係者にはバレバレですが・・・)


強いカードは切りたくなる・・・葵の御紋印籠は自分のため?

2016年05月14日 11時26分07秒 | 日記

最近はニュースに第一報が出ても、ネットで騒がれても、しばらく様子見が続いてから再度、露わになるネタの多いような気がします。

前回の投稿も、そう。筆者の主題は「カード(切り札)」なので、内容については読者にお任せしますが、社会で優劣を競うためには、より強いカードが必要というのは言うまでもありません。それは「2020東京オリンピック」であり、「(自動車の)燃費」であったりします。これらのカードを切る相手、時期、場面というのは様々で、いつでも、誰にでも通用する訳ではありません。サラリーマンにおいては、景気が良ければ「給料」や「福利厚生」という、いわゆる好労働条件のカード、景気が悪ければブラックでも仕方がないという「雇用」というカードに左右されますね。

政治家においては自らカードを作り出せる立場になります。政治家名を冠した政策など。今では切り札には使えない?感が強いですが、各党の政策論争では票獲得のために多くのカードを私たちに提示してくることでしょう。

あらゆる駆け引きの中で私たちは相手の懐にあるカードを想定しながら、カードを切っている訳ですが、社会的地位、取引関係、雇用関係等の強大なカードを持つ人には「ズルイ人」が必ずいます。TV番組の水戸黄門で悪事を働く代官や商人、ということになりますね!

一見、良識派、理論派の人が立場面では弱いカードの人間に論破されてしまう場面を何度も見てきましたが、その中に態度豹変「オレを誰だと思っているんだ!」つまり立場の強いカードを切って無理難題を押し付ける人も結構います。今の格差社会で「落ちたくない人」は悪魔に魂を売ってでも自分を守るという現実ですね。他人に損害を与えたり、権利を侵害しているのですが、犯罪とは言い難い(グレー)がために増えているような気がします。

犯罪者ではないグレーな人達・・・調子に乗っているうちに、運悪く?挙げられたり、露見してしまうことでニュースやネットに話題を提供している訳ですね。「コンプライアンス強化しています」なんて言っても、その中に・・・悪魔に魂を売った人間がいるかも知れません。本当に、長期居座り防止や、お代官様や悪徳商人にならないよう信賞必罰人事をしていますか?


本日も本ブログを御覧戴き、誠に有難うございます

筆者略歴
  • 食品、住宅設備、医療機器、スマホ・カーナビ部品メーカー経験(生産技術を中心に製品開発・購買・外注・品質保証・施設管理)
  • ISO9001,14001,13485管理責任者(事務局)
  • 食品衛生管理製造過程(HACCP)の承認取得(事務局)
  • 第二種医療機器製造販売業 総括製造販売責任者,安全管理責任者
  • 機械工具商許可(長野県公安委員会)
  • 第二種電気工事士
  • 第三級アマチュア無線技士
  • 技能講習修了:ガス溶接、フォークリフト、プレス機械作業主任者 (特別教育:アーク溶接、産業ロボット教示・検査、低電圧作業)
  • 特許・実用新案 30件以上


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