じゃがブログ ~さいとう小児科~

じゃが院長のつれづれ日誌をメインに、趣味(合唱・囲碁・絵)や道楽(温泉・ラーメン・酒)にまつわるエッセーを掲載。

「つばなれ」と「しんむきん」

2010年04月06日 | ◎じゃが日誌
このふたつ、ジツは同じことを言っているんですね。ギョーカイの隠語だそうです。

どのギョーカイかと申しますと、「つばなれ」のほうは寄席、「しんむきん」のほうは仏門。
どちらも、数字をあからさまに言わないでぼかした表現にしたものです。

じゃあ、どうやってぼかしたかという、ちょっとした推理問題ですね。

表す数字は、「10」。・・・正しくは、「十」。

寄席隠語のほうの「つばなれ」は、「ひとつ」・「ふたつ」・・・と「つ」をつけて数えていくと、「ここのつ」から「とお」になるところで「つ」から離れる、ということで「つばなれ」なんだそうです。なかなかオツな表現です。

仏門のほうはといいますと、「しんむきん」だとなんだか分かりませんが、もうひとつ「せんむてん」という言い方もあるそうで、さあ、このふたつから何か浮かんではきませんか。

もったいぶらないで答えを書きますと、「しんむきん」は「針無金」、「せんむてん」は「千無点(ノ)」のこと。つまり、漢字の一部を無くして残ったところの文字「十」を表しているんですね。これまた、三文字熟語にすることで、どことなくお経のような響きが生まれて、とてもお布施の金額を隠語で喋っているとは聞こえない。さすがお坊さんならではのセンスの良さが感じられます。

寄席のほうでは、お客が10人に達すると、「おっ、どうにか『つばなれ』したようだ」ってなことを口走ったようです。

坊さんのほうは、お布施の金額の頭を「てんむじん(天無人=二)」、「おうむちゅう(王無中=三)」といった調子で、漢字から一部を消し去って漢数字を浮かび上がらせるやり方です。これは面白そうなので、いちおう全部調べてみました。

大無人(だいむじん)=「一」
天無人(てんむじん)=「二」
王無中(おうむちゅう)=「三」 別解:王無棒(おうむぼう)
置無直(ちむちょく)=「四」 別解:罪無非(ざいむひ)
吾無口(ごむこう)=「五」
交無人(こうむじん)=「六」
切無刀(せつむとう)=「七」
分無刀(ぶんむとう=「八」
丸無点(がんむてん)=「九」 別解:鳩無鳥(きゅうむちょう)
千無点(せんむてん)=「十」 別解:針無金(しんむきん)

もちろん、意図さえちゃんと合っていれば、この他にだっていろいろ作れるでしょう。ポイントは、三文字熟語で、あんまりヒネリ過ぎず、聞くほうも「はは~ん」とすぐに答えが分かる程度に留めておく、ってところでしょうか。

お酒を「般若湯」と言い換える仏門の「叡智」をもってすれば、このくらいは朝飯前なんでしょうね。
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4 コメント

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ひゃ~ (tomoko)
2010-04-07 12:47:08
難しすぎですー。
#tomokoさん (さいとう小児科)
2010-04-08 09:33:47
毎度どうも。

とても自分で使い切れるような語法ではありませんね。
もし、どこぞの寺で坊さんのヒソヒソ話が聞こえてきたら、注意して聞けば分かるかもしれませんよ。

ま、あんまり寺の用事がないほうがいいでしょうけど。
それがですね~。 (tomoko)
2010-04-08 10:39:57
お仕事柄、住職さんたちとお話することとか、あるんですよ。
集金なんかでは、「千円札」たっぷりってこともあります。
しかも、ニホヒつきですよ、線香の。

つい、こうやって、話を自分のほうに引き寄せて、楽しんでしまいます。(笑)
水戸黄門で (さいとう小児科)
2011-08-17 09:01:53
滅多に見ない「水戸黄門」ですが、お盆休みにたまたまチャンネルを合わせたら、「天無人」と「吾無口」のくだりを坊さんが説明しているシーンに遭遇。

どこかで聞いたような・・・もなにも、私がこうやって記事にしていたんじゃないの、ねぇ。改めて「一」から「十」まで復習してしまいました。自分で書いて自分で感心しているんじゃしょうがないな~。

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