医学的な検査の中で、「擬陽性」と「疑陽性」が混在して使われているのですが、字面(じづら)からみても、本来は意味の違いがあるような気がしていました。
話は、今年の世相を表す漢字として選ばれた「偽」に発します。これを使った「偽陽性」というのもあるのです。
まずは、分かりやすいところで、「擬(疑)陽性」と「偽陽性」の違いから。
辞書によれば、
「擬(疑)陽性」は、「陽性ではないが、陽性に近い反応のもの」とあり、例として、ツベルクリン反応で発赤の長径が5~9mmのものを挙げています。辞書では「直径が」となっていましたが、発赤は円とは限らないので、医学的には一番大きな「長径」を計測することになっています。
「偽陽性」のほうは、「ある疾患で陽性を示す検査が、その疾患にかかっていない人でも陽性を示すこと」とあります。例として、梅毒血清反応が梅毒でない人でも陽性となることを挙げています。
ま、「擬(疑)」と「偽」の違いから、これは書かれている漢字の通りの理解で良いでしょう。
問題なのは、「擬」と「疑」の「陽性」の違い、です。私の中では、「疑」のほうは「偽」とほぼ同義に捉えていたのですが、どうもそうではないらしい。
「擬態」という言葉があります。辞書には、「動物が周囲にある物や、他の動植物に似た形や色彩または姿勢をもつこと。隠蔽的擬態と標識的擬態がある」と書いてあります。
また新しい言葉が出てきてしまいました。「隠蔽」と「標識」です。。。
「隠蔽的擬態」:無生物体や、捕食者の関心をひかないような他の動植物に似る場合。ミメシス。
「標識的擬態」:捕食者に対しての警告色を含む他の動物など、注意をひくものに似る場合。ミミクリー。
小枝のように見える虫は「ミメシス」で、羽に鳥の目玉のような紋様をつけた蝶々は「ミミクリー」・・・で合ってるかな?
すぐには覚えられそうにありませんね。「ミミクリ三年、柿八年」なんちゃって。
どっちにしても「似せている」点では共通のようです。「擬」にはそういう意味があると思って良さそうです。
「疑」・・・これは文字通り「疑わしい」ですね。嘘っぽい、怪しい、そんな感じがしてきます。
つまり、見た目の「擬」な様子から、見る側が「疑」ってしまう、という因果関係がありそう。だから「擬陽性」と「疑陽性」とは、「対象物」と「観察者」との視点の違いと捉えていいのかも知れません。
パソコンで検索をかけるときに、「ぎようせい」と全部大文字にして打ち込んだら、検索結果の中に「行政」も含まれてきました。昨今の年金問題や薬害C型肝炎などを見ていると、行政の対応もかなり「擬陽性」に思われてきて、検索のジョークかと驚いてしまったのですが、まさかGoogleがそこまで笑いをとるはずがありませんよね~。
これは「行政」も「擬陽性」も、旧仮名字体だと「ぎやうせい」となるためのようです。なるほど、これが一番合点がいきました。
話は、今年の世相を表す漢字として選ばれた「偽」に発します。これを使った「偽陽性」というのもあるのです。
まずは、分かりやすいところで、「擬(疑)陽性」と「偽陽性」の違いから。
辞書によれば、
「擬(疑)陽性」は、「陽性ではないが、陽性に近い反応のもの」とあり、例として、ツベルクリン反応で発赤の長径が5~9mmのものを挙げています。辞書では「直径が」となっていましたが、発赤は円とは限らないので、医学的には一番大きな「長径」を計測することになっています。
「偽陽性」のほうは、「ある疾患で陽性を示す検査が、その疾患にかかっていない人でも陽性を示すこと」とあります。例として、梅毒血清反応が梅毒でない人でも陽性となることを挙げています。
ま、「擬(疑)」と「偽」の違いから、これは書かれている漢字の通りの理解で良いでしょう。
問題なのは、「擬」と「疑」の「陽性」の違い、です。私の中では、「疑」のほうは「偽」とほぼ同義に捉えていたのですが、どうもそうではないらしい。
「擬態」という言葉があります。辞書には、「動物が周囲にある物や、他の動植物に似た形や色彩または姿勢をもつこと。隠蔽的擬態と標識的擬態がある」と書いてあります。
また新しい言葉が出てきてしまいました。「隠蔽」と「標識」です。。。
「隠蔽的擬態」:無生物体や、捕食者の関心をひかないような他の動植物に似る場合。ミメシス。
「標識的擬態」:捕食者に対しての警告色を含む他の動物など、注意をひくものに似る場合。ミミクリー。
小枝のように見える虫は「ミメシス」で、羽に鳥の目玉のような紋様をつけた蝶々は「ミミクリー」・・・で合ってるかな?
すぐには覚えられそうにありませんね。「ミミクリ三年、柿八年」なんちゃって。
どっちにしても「似せている」点では共通のようです。「擬」にはそういう意味があると思って良さそうです。
「疑」・・・これは文字通り「疑わしい」ですね。嘘っぽい、怪しい、そんな感じがしてきます。
つまり、見た目の「擬」な様子から、見る側が「疑」ってしまう、という因果関係がありそう。だから「擬陽性」と「疑陽性」とは、「対象物」と「観察者」との視点の違いと捉えていいのかも知れません。
パソコンで検索をかけるときに、「ぎようせい」と全部大文字にして打ち込んだら、検索結果の中に「行政」も含まれてきました。昨今の年金問題や薬害C型肝炎などを見ていると、行政の対応もかなり「擬陽性」に思われてきて、検索のジョークかと驚いてしまったのですが、まさかGoogleがそこまで笑いをとるはずがありませんよね~。
これは「行政」も「擬陽性」も、旧仮名字体だと「ぎやうせい」となるためのようです。なるほど、これが一番合点がいきました。
ずいぶん前に書いた記事だったので、私のほうも思い出すために再読しました。
ま~、ほとんどネット検索の受け売りで書いた内容ですから、私の手柄はなんにもナシです。自分の知識の整理のために、ここに書き残しておこう、というのが本来の主旨です。
また覗きにいらしてください。コメントもよろしく。(^^)