じゃがブログ ~さいとう小児科~

じゃが院長のつれづれ日誌をメインに、趣味(合唱・囲碁・絵)や道楽(温泉・ラーメン・酒)にまつわるエッセーを掲載。

1歳になるのは誕生日の前日?

2007年10月17日 | ◎じゃが日誌
以前にも、BCGの接種期限のことで触れていますが、やっぱり腑に落ちないものですから、再度グチってみます。

BCGは、6カ月目の誕生日(1月1日生まれなら、7月1日)の「前々日」までに受ける場合に限り、公費負担して貰えます。
この「前々日」というのが、フツウに考えるとどうもヘンな気がします・・・よね?

十五夜の満月、この「満」は、「満(み)ちる」ということですし、同じことが「満1歳」にもいえます。満月が「15日」に満ちるという意味なら、満1歳だって「1年後の同じ月日」にちょうど1歳になるという意味に捉えるのが、フツウの考え方だと思います。。。私がフツウの人であるという前提での主張ですけどね。

今日の出来事。
MR(麻疹と風疹の混合)ワクチンの予防接種に来た子がいました。誕生日は去年の明日です。。。つまり、1歳の誕生日は明日で、今日は生後364日と数時間(?)経った日です。これって、「満」1歳になったといえるんでしょうか?

先のBCGのところをもう一度読み返してみてください。「6カ月未満」というのが、誕生日の日付の「前々日」までなのです。同じ事を「1歳未満」に当てはめるなら、誕生日の前々日になります。一年後の誕生月日に「満1歳」になるとしたら、「1歳未満」と「満1歳」との間に、1日分の空白が生じてしまいます。これではマズイ。

どうやら、「満1歳」というのは、「誕生日」の前日に「なる」ものらしい。そうしないと空白の1日をどう扱っていいのか分からなくなります。つまり、「365日目」に入ったら、そこで「満1歳」と「みなす」ことで、空白をなくすのです。法律とはそういうものらしいと観念するしかありません。閏年の2月をまたいだ場合は、「366日目」に入ったら、と置き換えられます。

法律というものはとてもやっかいで、日常感覚とそぐわなくても、一朝一夕に変更できるものではありません。国の最高決議機関である国会で議決されなければおいそれとは書き替えられないし、少々ヘンな感じがしても頑なに遵守しないといけないものなのであります。。。

しばらく前から、日本小児科医会では、はしか撲滅キャンペーンとして「1歳のお誕生日にはしかワクチンを」というスローガンを掲げています。今はMRワクチンになりましたが。

これは、満1歳になったら公費で接種可能になるので忘れずに受けてくださいね、ということを謳っているわけですが、厳密なことをいえば、「お誕生日の前日から」受けることはできるのです。「1歳の誕生日の前々日まで」が「1歳未満」なのですから、日にちの空白をつくらないで「満1歳」を設定するには、誕生日の「前日」が「満1歳」でなければならない。つまり、「1歳のお誕生日」は「満1歳+1日目」ということになります。誕生日が来た=1歳になった、ではなかったのですね。前日にはすでに満1歳になっているんですもの。

これを了解するために一例を挙げますと、「4月1日」生まれの子は、「3月31日」に「満1歳」になるのです。だから、就学年齢に達する計算をするときも、3月31日に「満6歳」になっている最も若い対象者になるのです。

以上のことを全て了解したとして、それでもやっぱりなんだかヘンな感じが消えないのは、日常的な感覚と違うからなんだと思います。フツウに考えれば、誕生日と同じ月日になった「当日」に、「満1歳」になるんじゃないかと思いますし、そのほうが誤解が少ないんじゃないでしょうか。グランド1周を走るとして、ピッタリ400メートル走ったところにゴールテープがあるのがフツウの感覚。それを手前に置かれたようで、ヘンな感じがします。

このトシになってからでは、もはや(自分にとっての)「フツウの感覚」を「理屈」で変更することなど出来ません。理屈のほうが「屁」理屈のように感じられるからです。

それでも、私がなんとホザこうと、この「満」・「未満」についての法解釈は変わることがないんですね。降参です。
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