あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

夏の奈良近郊古社寺めぐり③(室生寺と長谷寺)

2009-07-19 22:50:16 | 奈良を歩く
 今日、7月19日(日)は、カタツムリ歩行の例会で、西武池袋線秋津
駅周辺を歩いてきましたが、かなり蒸し暑かったです。このレポートは
明日以降にいたします。 

 本日も、8年前の今ごろ訪ねた、奈良の古社寺巡りレポート、その最
終日(3日目)です。

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 ◇◇◇ 室生寺と長谷寺へ ◇◇◇

 2001年7月18日(水)



 8時前、奈良市内の宿を出て近鉄奈良から西大寺、大和八木と乗り継
ぎ、室生口大野に向かう。途中、榛原で乗り継ぎが悪く、30分余り待つ。
室生口大野10時5分発バスは、水の少ない室生川沿いに15分ほどで
室生寺に着いた。

 旅館や土産店の並ぶ川沿いに進んで、赤い欄干の太鼓橋を渡ると、緑
あふれる室生寺境内である。

 室生寺は8世紀末期、興福寺の僧賢憬(けんえい)が勅命により国家
のために建立した寺。女人禁制の高野山に対し、女性の参詣を許したの
で「女人高野」と呼ばれる。



 檜皮葺(ひわだぶき)の大きな仁王門を入り、弥勒堂(上)の前から国宝
の金堂(下)へ上がる。

 内陣には高さ2m38㎝、堂々とした一木造りの本尊・釈迦如来立像を
中心に、薬師如来像、地蔵菩薩像、文殊菩薩像、十一面観音菩薩像など
国宝や重文の像が立ち、その前に運慶作と伝えられる力強い十二神将像
が並んでいた。

 石段上には灌頂堂と呼ばれる鎌倉時代建築の本堂があり、日本三如意
輪の一つ、平安初期の重文・如意輪観音像が安置されている。

 年代を重ねた檜皮葺の西側屋根には草木が伸びていた。

 本堂奥に1998年9月の台風7号で被災、昨年秋修復を終えた五重塔
が立つている。天平時代建立の国宝で、高さは16.7m、屋外に立つ五
重塔の中では最小である。

 軒の出の深い檜皮葺屋根と、朱塗りの柱や白壁が鮮やかな彩り。西側
斜面には、五重塔に倒れたと思われる太い杉の根が数本残っていた。

 塔の横から奥の院に向かって、太い杉木立の間に参道が延びている。

 この辺りはシダも多く、暖地性シダの北限にあたり、天然記念物に指
定されている。

 最後に、390段余りの石段を上がると汗が増える。奥の院には、舞台
造りの位牌堂と重文・御影堂、位牌堂横の大岩上には七重石塔(下)が
ある。


 御影堂は、厚板段葺きという屋根上に石造の路盤を乗せた、他にない
珍しい建物だ。


 古い位牌が並ぶ位牌堂(上)の舞台で休憩。涼風を感じながら木の間越
しに見える室生の集落や緑の山並みを眺める。

 位牌堂の下には穏やかな顔の古い地蔵さんがあった。

 境内にはシャクナゲやモミジが多く、春のシャクナゲ、秋の紅葉の見事
さが想像される。

 1時間あまりの室生寺拝観を終え11時55分のバスで往路を戻る。駅
の一つ手前の大野寺で下車。小さい山門を入って大野寺へ。

 大野寺は天武10年(681)、役行者(えんのぎょうじゃ)が開山し、のち
弘法大師が室生寺の西の大門として再興した。境内は広くはないが、樹
齢300年など、立派なしだれ桜が数本あり、花の時期は賑わいそう。


 ここでの必見は、宇陀川の対岸岩肌に線刻された弥勒菩薩の磨崖仏
(まがいぶつ)。

 承元3年(1209)開眼で高さ11.5m。一昨年3月に保存修理工事
が終わり、柔和な仏様の表情がかなり分かるようになった。

 真崖仏は、下のようなお姿だという。


 室生村役場を右に見て、室生口大野駅までは歩いて5~7分である。
                                (続く)

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