あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

塔のへつりから下郷町大松川へ(福島・南会津)

2009-06-03 17:36:28 | カントリーウオーク
 2009年5月23日(土)



 やまさんの企画で、福島県南会津・下郷町の分校跡での1泊の合宿が
計画されたので、参加した。

 最寄り駅 西所沢で乗車した西武池袋線が、途中での車内トラブルで遅
れ、大宮駅で野田線にわずかに間に合わず、皆さんが乗っている春日部
からの東武鬼怒川線 新藤原行き快速電車に乗り遅れる。

 後続の電車を新栃木、会津田島で乗り継ぎ、集合予定より1時間余り
遅い13時26分、ひと駅手前の、会津鉄道 塔のへつり駅で下りた。

 無人の駅の周囲は、ナラや赤松に囲まれ、新緑がいっぱい。小さな
寄棟造りの駅は、「東北の駅百選選定駅」になっている。


 まず、駅名になっている「塔のへつり」へ向う。

 駅に降りた人は数人だが、そばの駐車場は自家用車やバスなどがいっ
ぱい。300mほどで緩やかに下ると、対岸の阿賀野川右岸に、長い年月
をかけて削られたらしい岩が、塔のようにそそり立つ。

 ほかでは見たことのない奇勝である。


 吊り橋を渡った対岸の大岩の下に、虚空蔵(こくぞう)菩薩が祭られてい
た。下の流れは、きれいだが淀み、周囲の木々や岩陰を映している。

 釣り橋を引き返し、展望台からもう一度見下ろす。


 駅の近くまで戻って三差路を右折、北側の阿久戸集落へ向かう。川を
渡るあたりで、対岸の大きなフジの木が、花をたくさん見せていた。

 集落の周囲にあるわずかな田んぼは、田植えを後間もなく、早苗田に
山や家並みが影を映す。

 集落の家並みには、屋根に煙出しのついたかやぶき屋根にトタンを被
せた家がかなりある。

 県道347号との三差路に出て右折、折り返すように県道を南方に向
かう。

 すぐ近くの右カーブ点に、15~20mくらいの滝が流れ落ちていた。
みずみずしい新緑の下に、ヤマウコギだろうか、白い小さい花がひっそり
と咲く。

 新緑の林間をカーブを繰り返しながら進み、水門集落に下る。植えて
間もない棚田で、補植している人が見える。集落にはオオデマリが咲き、
早苗田の田園風景が気持ちよい。



 同じ町内の大内宿を思わせる(写真でしか見たことはないが…)、道路
に側面側を接した、街道筋らしい民家があり、近くの家の前には、ゼン
マイがむしろに干してあった。


 次の集落、中妻に向かって下って行くと、川を挟んだ対岸の弥五島駅
周辺の集落が望まれる。


 中妻に入り、集落の中ほどの南側山すそにある中ノ沢観音堂に回った。

 民家の南、ひっそりした山すそに、寄せ棟造りの端正なお堂があった。
平安時代に建立された観音堂が焼失し、室町時代初期ごろ再建された
と考えられるとのことで、国の重要文化財である。

 観音堂のある中妻集落では、どの民家の入口にも、フクロウの焼き物
がおいてある。なんだろうと思いながら進んだら、畑に人が出ていた。

 聞いてみたら、近くの分校が廃止になり、その校舎で都会の陶芸家が
焼き物造りを教えていて、その作品を各家庭に配ったものという。フクロ
ウは、「福が来るよう」にとの願いからのようだ。

 この集落にも、かやぶき屋根をトタンで覆った家が目につく。大きな平
屋に「農家れすとらん 蕎屋」の看板が出ていた。

 集落を出て畑の広がる高台を越えて阿賀野川の支流の明治橋を渡る。
前方に、メンバーの皆さんらしい姿が見えたので後を急ぐ。

 和洋折衷なのか、独特の建物の下郷町役場前から国道289号に下り、
少し先で皆さんに追いついた。

 会津下郷駅に近い昭和橋から阿賀野川を見下ろすと、ダムの下部から
橋のそばまで、塔のへつりに似た、巨岩を縦にうがった奇勝が見下ろせ
る。しかし町では、名勝としての紹介はしてないらしい。


 会津鉄道沿いに走る国道121号に入り、会津下郷駅に予定の16時
ちょうどに着いた。

 今夜お世話になる、分校の廃校跡を利用して、不定期で地元小学生
などに「シルマンスクール」という、豊かな自然を生かした実践教育を
されている、本木さんご夫妻が待っておられた。

 女性は、本木さんの車で近くのスーパーへ夕食の買い物に行き、やま
さんと、ほかの男性は、さらに分校跡まで歩くことにする。

 まず近くの阿賀野川にかかるダムの左岸を確認に回る。公共のダムか
と思ったら、昭和電工の専用ダム。

 ここで取水した水を地中管で下流まで引いて、発電用に利用している
ようだ。

 先ほど通った国道289号の西側の旧道を南に向かう。塩生集落の中
ほどにある旭田寺は、赤屋根の会津らしい独特の造り。

 集落や水田が尽きて雑草地を抜け、畑の先まで進んだが、地図上の小
道が途切れた。そばの畑の人に聞くと、行き止まりとのこと。

 農免道路を少し戻って東側の稜線を越えて田園地帯に下る。谷間の展
望が開け、東側や南方、北方に独特の山容の山が幾つか望まれる。

 南方の山ひだには、残雪が残っているのが見えた。

 北方に見えるのは、湯野上温泉に近い小野岳(1384m)らしい。
 

 回り道して時間が経過したので、あとは国道289号を南下し、大松川
の田んぼや家並みを見下ろす高台にある、今日の宿、旧大松川分校に
17時48分に着いた。


 夕食後、下郷町役場に勤める方や奥様など、地元の方が数人来られ、
町の現状や活性化策などにつき、歓談した。

(天気 曇後晴、距離 16㎞、地図(1/5万) 会津田島、歩行地 福島
 県下郷町、歩数 26,300) 
コメント
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