あるきメデス

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関東百駅巡礼歩行(53) JR八高線明覚駅(埼玉)

2009-03-17 14:25:51 | 関東百駅巡礼歩行
 2009年3月14日(土)



 午後まで風雨が強いとの予報だったが、関東百駅巡礼歩行第53番
に参加した。

 集合は、JR八高(はちこう)線明覚(みようかく)駅。私は下りで9時26
分に着いたが、10時着の上り列車から降りたのは、やまさんのみ。

 雨具を着けて10時20分に出発した。

 駅の近くの県道172号と都幾川を横断し、少し先から田んぼのあぜ
を走る道路へ。雨に煙る低い山並みがやわらかな彩りを見せる。


 都幾川の左岸沿いに出て、小さい橋の先に進むと、小屋の中に雨を
避けてヤギが休んでいた。対岸の畑の一角の白梅が見ごろ。


 本郷集落の、若い紅梅が10数本咲き競う梅林の近くの観音寺へ。
小さめの本堂だが、本尊の聖観世音菩薩は、弘法大師作といわれて
いるという。

 「江戸時代中期から、現明覚小開校まで、近村の寺子屋としても栄
えた」とも記されていた。門前には、六地蔵などを祭った小屋がある。

 県道30号を越え、別所集落を過ぎると、車のほとんどとおらぬ車道
は、緩やかな上り道となり、堂山(250m)の山腹をジグザクに進む。

 ウオーキング中らしい、傘を差した奥さんが前を行くが、足どりが早
い。しばらくして追いつき聞くと、近くにお住まいの方で毎日一人で歩
いているとのこと。

 見学自由の木作り工芸「木造ちゃんハウス」という木工所の横で奥
様と別れ、、少し上がるとその建物が見下ろせる。

 さらに上がると西側の展望が開け、眼下に雨に霞む宿(しゅく)集落
だろうか、家並みなどの展望が広がる。


 展望のよいカーブ点に、大きなセカンドハウスらしい建物があった。
へいのすき間からのぞいたら、中から人が出てきた。聞くと、池袋に事
務所を構えるS工房という設計事務所の所長別邸とか。

 壁面は檜皮葺(ひわだぶき)とのこと。「住宅特集」という雑誌の5月号
に紹介されるとも教えてくれた。


 そのあたりからは、雨に煙る山並みが幻想的な風景を見せている。

 さらに上がり雲河原集落へ。その名のように標高300m付近に散在
する山上集落。緑の斜面に梅が点々と咲き、日本の原風景ともいえる
静かなたたずまい。

 集落の先のうっそうとしたヒノキ林の下が四幡神社。八幡神社はあち
こちにあるが、半分の四幡神社というのは初めて。

 12時18分に着き、雨を避けて賽銭(さいせん)箱の横で昼食をさせて
もらう。


 12時半に出発、鳥居をくぐり、参道というより山道のようなヒノキ林の
中の土道を下る。分岐を右にとり、さらに細道をしばらく下り、後野集落
近くの車道に出た。

 集落の中ほど、「彩の森とき川」の建物下に下って県道273号西平
小川線を横断、林道赤木慈光線に入る。少し先のY字路で、「後野みか
ん山 慈光寺方面」の標識に従い山道へ。


 再び上りとなり、点在する集落を抜けると、あちこちに紅梅白梅が咲
き、緑の中に彩りを添える。

 桜の老木も幾つかあり、花どきにもう一度訪ねてみたいと思う。

 妙竹林山荘という一軒だけのセカンドハウス風の家を過ぎ、右からの
林道に合し、坂東三十三観音霊場九番札所の慈光寺に着いた。

 白鳳2年(673)慈光による開山という古寺。以後、役行者が修験道
場を建て、奈良から鑑真和尚の高弟、道忠(どうちゆう)が来山、慈光寺
第一世になったという。

 まず車道の上側にある観音堂に上がって参拝する。

 観音堂は享和3年(1803)の再建とか。社殿にはきめ細かな木彫が
施され、格天井にも絵が描かれていたようだが、今は色あせてしまって
判然としない。


 車道の下に下り、本堂に上がって参拝し、納経印をいただく。本堂内
にも2体の観音像などが祭られていた。

 本堂前には、最澄の弟子、慈覚大師円仁(794~864)が天長年間
(824~34)に植えたといわれる樹齢千百余年の多羅葉樹(たらよう
じゅ)が繁っている。

 葉の表皮に棒などで字が書けるので「郵便葉書(はがき)」の語源と
なった木だという。

 宝物殿には、後鳥羽法皇をはじめ、藤原兼実などが書写した国宝の
「法華経一品経」はじめ、多くの文化財があるが、時間の関係で拝観
は省略した。

 境内にいる間に急速に天気が回復、寺を出るころは日が差し、青空が
広がってきた。

 表参道である南へ下る車道へ。少し下ると、鎌倉時代の建立という板
石塔婆(いたいしとうば)9基など、りっぱな石碑が並んでいた。


 その下には、昭和61年(1986)に植えたという一葉と普賢象(ふげん
ぞう)という2種の八重桜の並木が続き、花どきが期待される。

 宿集落に入ったあたりには、入比坂東三十三ヶ所観音霊場一番札所
の女人堂が立っている。「入比」とは、埼玉県西南部の入間、比企地方
のこと。


 このあたりは宿集落の中心で、宿場の面影を残す建物も見られる。そ
のひとつ、宿交差点そばに、築150年という「寧々房(ねいねいぼう)」と
呼ぶ古民家ギャラリーがある。

 ウインドウや店内には、代表のSさんが自ら作ったという、仏像などの
陶器や木工家具がたくさん並んでいた。

 宿交差点から県道を東に少しで、インフォメーションセンターと記された
木造の建物があり、そこが慈光寺入口バス停、15時ちょうどに着いた。
すぐに来た明覚駅経由の小川町駅行きバスに乗る。

(参加 2人、天気 雨後晴、距離 11㎞、地図(1/2.5万) 安戸、武蔵
 小川、(越生、正丸峠)、歩行地 埼玉県ときがわ町)
コメント
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