結論から言いますと、「IT化の実験都市として国策で使われていた市であったところ」と言えそうです。
すでに三鷹市で活動されている方には常識となっているところですが、
過去の歴史を振り返ってみたいと思います(抜けているところもあると思いますが)。
◆昭和50年代
旧電電公社がINS実験に参画
→市民活動でINS市民の会が設立された
→よい成果にはならず
◆平成8年 SOHO CITY構想
事業主体はまちづくり三鷹。
マンション、小規模オフィス等をSOHO環境として提供することで中心市街地に人を呼び込む施策
→新たな事業者が勤務、居住するようになり関連事業者の出入りも増えた。
→以前よりも中心市街地に活気が戻った。
→数年後まちづくり三鷹の運営は大幅黒字へ(主に賃料)
◆平成10年 三鷹市情報化計画を策定
IT機器が市民に広く使われる社会を目指した
→しかし、世の中のIT化の流れが早くIT機器が市民に普及した
→このころケーブルTV用光ファイバー(10M)が市街地に設置
そして、
IT導入促進からITを活用したまちづくりを推進するほうへ方向転換
◆平成11年 まちづくり三鷹設立
三鷹市にかわりITがを活用したまちづくりに取り組む第三セクター
◆平成14年までに計画・着手したIT活用施策
・中央通りモール化整備事業
・産業プラザ建設事業
・SOHOパイロットオフィス実証実験事業
・空き店舗対策事業
・電子マネー導入促進事業
・食品商業情報取引実験事業
の中から1事例。
□三鷹電子商店街「みたかモール」
・事業主体 まちづくり三鷹
・コンセプト バーチャルリアルショッピングモール
一言でいえば楽天市場の三鷹版。
・概要 商業店舗を会員化、運営はまちづくり三鷹が金で受託
・運営コスト(サーバ等維持費用、HP更新費用、集荷配送コスト)
・収入 商店からの少額な会費
・成果 4000人の固定客とまあまあ
バーチャル店舗⇛リアル店舗への集客、またその逆の人数がわからない
各商店が独自に運用するよりは安いコストだが赤字
・売上1位 ジブリ美術館の入館チケットが売上と訪問者のほとんどを占めている可能性もありますね。
◆平成14年ー17年 あすのまち・三鷹プロジェクト
国のe-japan戦略に位置づけられているもの。
プロジェクトは3つあった
・IPv6や高速無線LANの活用 e!-スクール三鷹モデルプロジェクト(総務省)
・公金の電子納付等の「電子申請、電子収納」プロジェクト(総務省)
・在宅での健康管理や学習補助を行う「情報家電を使った福祉・教育モデル」プロジェクト(経産省)
出典:三鷹市ユビキタス・コミュニティ推進基本方針(2007)
◆まとめ
近年の動きも活発化と思いますが、
やはり、IT化が進んでいなかった時代の昭和50年代に電電公社によるINS実験がされた町としての印象が強いのかなぁと思いました。
なので、どの辺がITの町なのかというと「IT化の実験都市として国策で使われていた市であったというところ」と言えそうです。
今では、一部ではありますが三鷹市民の中でもリテラシーの高い方を中心にSOHO活動などされています。他の市区町村の状況は把握できていませんがより盛んなのでしょうか。
◆感想
INS実験をやっていたとかSOHOCITY構想とかまちづくり三鷹の存在など最近知ったものばかりです。
意外と知らない人が多いのかもしれないなぁと思いました。
三鷹市にはリテラシーの高い若者が多く在住しているはずです。
もっと三鷹市や個人の活動が知られれば「IT盛んな町→リテラシー高い若者が興味→社会貢献意識高くなっている若者→プロボノ」的な流れが出てきて人材の創出に繋がるのではと考えられます。
どう知らせるかがの手法がムズカシイですが、若者が毎日見ているソーシャルメディアをどう使うかがポイントなのでしょうか。
◆参考文献
・SOHOCITYみたか構想
http://www.sohocity.jp/kousou.html
・みたかモール成果報告書(平成15年)
http://www.syoutengai.or.jp/pdf/15/15/31.pdf
・三鷹市、e-Japan戦略にのっとった「あすのまち・三鷹」プロジェクトを発表
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0723/mitaka.htm
・あすのまち・三鷹プロジェクト担当主幹のレポート
http://www.lec-jp.com/h-bunka/item/v227/pdf/200305_38.pdf
・中心市街地活性化へのITが活用の成果と課題
http://www.lij.jp/html/jli/jli_2009/2009autumn_p046.pdf
・三鷹市ユビキタス・コミュニティ推進基本方針(2007)
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/c_service/003/attached/attach_3300_1.pdf
そうですね、歴史を総括するのは大切なことです。私は教育分野のINS実験に取り組んでいました。三鷹にはそのような「個」「人材」が点在していると思います。過去-現在-未来のつながりを求めて何かをしなくてはいけないですね。
松本さんのようなリテラシーの高い方がもっといると思うとわくわくしてきます^^