オモワザレバ 

才あれば「三年有成」、才なきにして「善人爲邦百年」オモワザレバスナワチクラシ、「欲速則不達」人生を語らず 

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限界

2013-03-01 18:47:15 | その他
さて、実質汚水処理原価を下げることが要請される中で、有収水量密度の低い地域(人口密度が低い地域)に管渠を伸ばしていく行為は、どの程度許されるだろうか。汚水処理事業が全域に普及した時点での、経費と財源のバランスに住民と一般会計は耐えられるだろうか。

実質的な汚水処理原価が、使用料単価と繰出金単価で構成されるとすれば、使用料の負担と繰出金の負担にそれぞれ限界がある。
その場合、人口減少の影響は、使用料よりも繰出金を大きく制約する。

現時点で一般会計収支にもはや余裕がなく、汚水処理に対する繰出金が限界であるとした場合、20年後に人口が1割減少するとすれば、繰出金も単純に1割減少する。高齢者の増加による扶助費の増を想定すれば、繰出金は1割以上減少すると想定すべきである。仮に国全体の人口減少が、その地域の人口減少率より高いとすれば、繰出金の財源に地方交付税があることを考慮して、さらに繰出金の減少を予測しなければならない。

人口減少に抗して必死に接続率を向上させて有収水量の増加を図った場合、繰出金単価は減少するだろう。しかし、繰出金総額を上昇させるような投資に対して有収水量の増加がどこまで有効なのか。繰出金総額に上限がある場合、汚水処理原価の不足を賄うだけの経費節減と使用料の増加が可能なのかどうかが問われている。

人口減少は20年間だけでは終わらない。その後の20年間も続く。現在の出産適齢期の女性の出生率(合計特殊出生率)が1.5人を割って久しい。女性が全員結婚したとして、1組の夫婦から平均1.5人の子供しか生まれないとしたら、20年後の出産適齢期の女性人口は75%に減少しており、人口を元に戻すには、平均3人の子供を出産しなければならない。食糧費、教育費の状況、出産適齢期に結婚できるかどうかも含めて考えると、どう考えても平均て二人が限度ではないか。
そうすると、人口減少は50年程度続くと見たほうが自然であり、これからの下水道の耐用年数のほとんどが、人口減少期にある。

状況によっては社会的流入によって人口減少がそれほど顕在化していないかもしれないが、働く職場が十分にあって出産適齢期の夫婦や若者が流入するのと、医療機関等があること等の利便性を求めて退職後の年配者が流入しているのとでは事情が違う。

事業を推進したのだから、繰出基準額を繰出して当然、あるいは必要な使用料値上げは当然と考えるかもしれないが、負担そのものに限度がある。将来の負担が不可能であるとすれば、現在の投資を抑制しなければならない。(その意味では複式簿記によるほうがより実態に近い経営状況と将来見通しに役立つかもしれない。)もちろん、現在の投資を抑制したとしても、市民全体に汚水処理事業を拡大するという責務は、水質保全の側面やサービスの公平性の側面から、なくすことはできないのだが。

負の遺産と言われないために何ができるだろうか。




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