佐渡の翼

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樋口食堂(佐渡市吉井)       投稿者:佐渡の翼

2011年06月19日 04時30分08秒 | 佐渡グルメ美味しい食べ歩記

3月中旬のとある日、筆者は旧金井町吉井地区にある樋口食堂さんを訪ねてみた。丁度「大聖院」の境内の右隣に国道に面するようにしてお店が建っている。午前11時半丁度にお店にお邪魔した。お店に入るとカウンターの内側に店主がいてにこやかな笑顔で出迎えてくれた。非常に感じの良いお店である。10席ほどのカウンター席以外に4人掛けのテーブル席が2卓あり、奥には6人掛けのテーブルが置いてある座敷席が3部屋ほどあった。店内は小奇麗に磨き上げられていたものの、真野の寿司正さんのような都会的でスタイリッシュなインテリアではなかった。これは店主の感性の違いと地元常連客の客層の違いを反映しているだけで、お料理の質とはなんらの関係もないのは言うまでもない。

 

筆者はカウンターからは死角になる位置のテーブル席に座りメニューを眺めた。寿司以外には、ラーメンを始めとした麺類、丼物、定食物などがあり、島内によくある所謂何でも屋食堂であった。だが、寿司や刺身系はおやじさんが一手に引き受けていたようだ。それ以外は厨房内にいる若お兄ちゃんが調理しているようであった。筆者は特上寿司を注文したが、「ネタの入荷が間に合わないのでそれはできない」とのお返事で、止む無く上寿司(1900円)に変更した。7分ほどで上寿司が出来上がった。バイガイ、鮪、帆立、ずわい蟹、いくら、甘海老、ブリの全7貫に若布入りのすまし汁が付いてきた。ご覧のように島民が大好きなデカネタを乗せた典型的な女郎握りのお寿司である。鮪などは、色と言い、三角形の切り方と言い、新穂の「長三郎」さんそっくりである。だが肝心のシャリは冷えており、人肌温度を保つ長三郎の方に一日の長があった。バイガイと帆立は鮮度もよく美味しいネタだったが、いかんせん冷えたシャリではその旨みは半減してしまう。ずわい蟹は美味しかったが回転寿司の「まるいし」さんとほぼ同レベルだ。甘海老だけは不思議とシャリもネタも美味しく感じられた。いくらは通常レベルで、ブリに至ってはネタが大きすぎて一口では食べきれない分量である。仕方が無いので、ネタをシャリから剥がし、箸で一口大のサイズに切り揃えてからシャリに乗せ何とか食べ終えた。これではもはや寿司とは言えない、ただの刺身ご飯でしかない。佐和田のりきすしクラスの江戸前寿司を求める読者には不向きなお寿司屋さんだが、ネタがでかければ良いという人にはお勧めのお店である。そして、親が寿司、子供はラーメン、祖父母が丼物を食べたいと言う家族構成ならば、正にうってつけのお店であろう。断っておくが、この樋口食堂さん、メニューにはかっこ付けで鮨と記載している。つまり、あくまでも大衆食堂の一部門としての美味しいお鮨と言う位置づけであり、お鮨の専門店のそれではない事を認識した上でお出かけになると良いと思う。筆者的には、好きなネタを5皿(計10貫)食べて千円札でお釣りが来る、回転寿司の頂点に立つ「まるいし」さんの方がコスパ的には上回っているように感じられた樋口食堂さんだった。筆者が食べている間にも出前の注文電話がひっきりなしにかかってきたので、かなり繁盛しているお店なのであろう。家族連れの読者には是非訪ねて頂きたいお店である。



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