羽田発8:15分の長崎行ANA661便はボーイング777-200と言う機材を使用している。横2-3-2の配置のプレミアムクラス席が21席で、横3-4-3の配置のエコノミー席が384席ある。7月20日のこの便のプレミアムクラスには4人が予約しており、筆者は機首部分に当たる、右翼側の最前列の窓際席である1Kを指定しておいた。筆者の後方の座席である2Jと2Kには母娘が座った。だが、1Cを予約していた客は姿を現さず、結局この日の便のプレミアムクラスの乗客は3人だけと、ほぼ貸切状態であった。この便のプレミアムクラスには旅割り28などと言う割引切符は設定されていないので、50,890円也の正規運賃を支払って乗る客などは筆者くらいのもので、後方の母娘は株主優待割引で搭乗したのではないかと思った。飛行機の前方入口部分で乗客を迎えるのはチーフパーサー(CP)の役目で、筆者は、この日のCPである重枝さんに迎えられ機内に入った。プレミアムクラスの一列目の席と言うのは前方部分がスクリーンになっているため、足元に荷物を置けない決まりになっていたが、隣席が空席のためそこにカメラバッグを置かせてもらえた。例に寄って座席を撮影した後、席に座ろうとしたら、今日のプレミアムクラスの右翼側担当のCAさんが近づいて来て、「とっても可愛い靴下ですね」と声をかけた。筆者ではなくミッキーの靴下がもてたのだが、第一印象がいいと全てが上手く行く。シートは残念ながらパソコン用電源のない旧タイプで隣席との間の仕切りも無かった。一昔前のANAのスーパーシートをそのまま転用している感じである。担当のCAさんは「原田」さんと言い、画像のような絶世の美女!筆者が「写真を撮らせて頂いてもよろしいでしょうか?」と尋ねたら、「私のような者でよろしければどうぞ」とお答えになるほどの謙虚さである。こうした写真を撮る権利もエコノミー運賃との差額分である37,000円に含まれているのだ。その昔、ファーストクラスに搭乗したプロ野球選手が接客してくれたCAさんと親しくなり交際を重ねた後に結婚したとか、一部上場企業の社長さんが接客してくれたCAさんを気に入り「是非うちの息子の嫁に」と申し入れた話などは枚挙にいとまがない。だからCAさんは、今も昔も女性の憧れの花形職業であるかのように思われているが、CAには緊急時に乗客を安全に避難誘導させる責務があるし、重い荷物を荷物棚に収容するなどの力仕事も要求されるので、体力勝負である。昔は容姿端麗が採用の条件の一つだったらしいが、これだけ航空会社が林立した現在では、容姿よりも体力と健康さの方が重要視されている。
定刻になると「Cabin attendance, departure door hold」と言うアナウンスが流れた。チーフパーサーが搭乗口のドアを閉めロックをかけた後、ドアの四隅を手でなぞり、段差が無く隙間の無い事を確認する。もし隙間があればBMW同様「Door opens」と言う警告表示が出るはずだが、1ミリ程度の段差ではセンサーが感知しない恐れがあり、隙間を残したまま離陸すれば、機内与圧がその隙間から抜けてしまうため、機体は上空で外気圧に晒されぺしゃんこになってしまう。どんなに機体がハイテク化されたとしても最後に安全を担保出来るのは人間しかいないのである。
チーフパーサーの重枝さん
プレミアムクラスのシート
当日のプレミアムクラス席はがらがら
後方がエコノミー席
一番端っこにある51番ゲート
スリッパは持ち帰り可能
足元はこんなに広いっす
離陸するとエコノミー席との間はカーテンで仕切られる