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トルコはシリア難民のために4年半で80億ドルの出費をした

2015年10月31日 | 経済
10月31日 トルコはシリアへの“オープンドア政策”に従って、この4年半で、210万人以上のシリア難民のために80億ドルを費やしました。

 Hurriyet
2015年9月17日、トルコ・ギリシア国境へのハイウエイの道路わきで、食物配給の列にに並んでスープを獲得したシリア人少女


トルコはシリア難民支援のために、年間、20億ドル(53億トルコリラ)を費やしていますが、これはトルコ内務省の年間予算を上まわっています。
2011年4月29日、トルコのシリア国境ゲートに、シリア難民の大群が押し寄せ、流入が始まりました。その後の4年間、イスラム国(ISIL)の攻撃はエスカレートし、治安の悪化から多くの難民の流入がつづいています。

トルコ首相府の災害緊急管理局(AFAD)と多くの国際機関のデータによると、シリア内戦勃発以来、1200万人のシリア人が居住地を追われています。その中の800万人はシリア国内の他の場所に移動し、420万人が故国を去りました。420万人のシリア人の半分以上がトルコに集まっています。

トルコはこの4年半で、シリア移民のために80億ドル以上を費やしました。この額は今日のレートで240億リラになります。しかし、国際機関は4億1800万ドル(12億リラ)しか供給していません。

トルコのシリア難民のための年間経費53億リラを、トルコの国家予算と比較すると、その厳しさがわかるでしょう。2016年のトルコ内務省予算は45億リラ、宗教庁(Diyanet)の来年の予算は64億リラです。シリア難民のために使われている額は内務省の予算より多く、宗教庁の予算に近いのです。

“オープンドア政策”に従って、トルコはシリアから逃げてくる難民を送還しませんでした。AFADはシリア危機が始まったときから、支援キャンペーンを行ってきました。2013年、トルコは、トルコに滞在するシリア難民が教育や保健サービスを受けられるように、また、犯罪に関わったときの手掛かりとなるように、バイオメトリックのID制度を始めましたバイオメトリック(生物測定)IDとは、指紋‣声紋・網膜パターン・顔の特徴などから個人を認定する方法です。

AFADの主導で行われているプロジェクトに従って、バイオメトリックIDは205万人のシリア人に与えられ、シリア移民の指紋、ID情報、居住情報は記録されています。これらシリア人には“臨時保護ID”が与えられています。新来者は登録され、トルコを去るときは申請し、記録を更新する必要があります。

81県のシステム・オンライン
25万8472人のシリア人と1万5000人のイラク人が、AFADの25のシェルターに暮らし、あとの19万人のシリア人はトルコの大都市、主としてイスタンブルに住んでいます。最近の調査によると、シリア人はトルコの81県に拡散しています。約25万人のシリア人の子供が学校に通っています。この数字は今年末までに46万人に達するでしょう。

4万3429人のシリア人が、地中海やエーゲ海を渡ってヨーロッパに行こうとして、トルコの治安部隊に救助されました。公的データによると、3161人の移民が、2015年までに、地中海からヨーロッパに行こうとして命を落としています。

ヨーロッパに入ったシリア人は51万2909人
トルコは210万人のシリア移民を受け入れていますが、ヨーロッパ全土にいるシリア人は51万2909人に過ぎません。イスタンブルには40万人以上のシリア人がいます。シリアと国境を接するキリス県には18万人がいます。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、膨大な数のシリア移民を受け入れているトルコ、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノンを支援しようとしてきました。UNGHRは2015年、難民のために45億ドルを必要としていますが、25億ドルしか集まっていません。2015年末までに、シリアの全人口の約半分が援助を必要とすることになるだろうと、国連は推測しています。


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