新潟カウンセリング研修センター

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生き残る智恵

2020-06-19 08:00:01 | 私の声
 新型コロナウイルスは、なかなかの優れもののようだ。世界中の人々の関心を集めつつ、地道に生き残っている。人体を宿にして感染し続け、時には急速に宿にしているその人間の呼吸を止め、多くは症状に表さないようにして生き残る。恐怖感を与えつつ油断をさせる実力者。その智恵は、体験に学んできたに違いないと観る。
 
 姿が肉眼では見えない点と、変異する点に注目している。
私たち人間は、人と人との関係において、このままでは現代を生き抜くこと、危うい。
自分の感情や葛藤に対処する術を学ぼうとしないところにある。よりよく生きようとする試みを、勝手に他者の言葉に耳を閉ざし、自分の狭小の世界に嘆き苦しんでいる。苦しみ続け死を待ちたいのか。

 言葉には、生活上必要な手段として使う面と、人間にならせていただくための、"用き”(はたらき)が在る。この世に生まれ、親に出会い、教師に出会い、残念なことに「言葉を手段」として使っている関係にだけ経験してきた。育まれ合いの体験が、欠落してきた。

 言葉の用きは、肉眼では見えない。大方の人間は、目に見えないものは、無いと思っている。人の精神は言葉に変化(変容・成長)させてもらえるようになっているのだ。人間はその術を学ぼうとせず放り出し、執着し歩めず窒息一歩手前のところにいる。新型コロナウイルスは、すでに繁栄の術を手中にしている。個人的には満たされ、社会的には建設的・能動的に生かされ合う、学びの場が「カウンセリング」である。