■2002年 韓国 139分
■原題「Public Enemy」
■2007.2.17 wowow
■監督 カン・ウソク
■出演
ソル・ギョング(カン・チョルジュン)
イ・ソンジェ(チョ・ギュファン)
カン・シニル
キム・ジョンハク
イ・ムンシク
ソン・ジル
《story》
まるでヤクザのようなチョルジュン刑事、力があることから強制捜査に配属されていた。ある日、張り込み中に用をすませにいったあと、レインコートの男とぶつかり喧嘩になる。そのレインコートの男はナイフを持っていて切りかかってきた。格闘後にその男はナイフを落として逃走した。1週間後、その付近で老夫婦の惨殺死体が発見される。チョルジュンが保管していたナイフの切り傷と一致。チョルジュンは、その老夫婦の息子が犯人だと確証し、彼を追う。しかし、チョルジュンの行動は行き過ぎ、日頃の行動がよくないために、信じてもらえない。そんな中で、再び惨殺事件が起きた。
こんなのでいいの?
「暴力」というものに、つい目が言ってしまって、これでいいのかと考えてしまう。刑事としても、日頃の行動は、やっぱり納得できない。麻薬を持っていたり、お金をせびるようじゃあヤクザと同じ。暴力を暴力で押さえる仕事なんておかしい。不器用な刑事が正義に目覚めて、悪を追いつめるなら大歓迎だ。しかし、いつもは同じような他人を苦しめることをしていて、正義に目覚めたなんて、おかしすぎる。暴力で暴力はさばけないことが見えていない。最後は、犯人と同じ行動で倒してしまったじゃないか。犯人はやっつけても、彼が再び同じ犯人に変わってしまったみたいな気がした。最後まで見たけど、好きになれない主人公だった。あの犯人と同じ雰囲気を漂わしていた。
『東京』 重松 清 【BOOK】
新潮文庫『きよしこ』の最後の短編だ。この本は、作者の「はげましてほしい」と送ってきた手紙を無視して、その後その子のために書いた短編だそうだ。でも、正直言って、すっきりしなかった。その子にとっては、その場の励ましが何より心に残るんじゃないかと思った。この本を読んで、心が活かされるだろうか。活かすために書いたものじゃないかもしれない。作者の思いはそんなところにはないのかもしれない。
『東京』は明らかに卑屈さが少なくなっていった。でも、理解者になろうとした彼女が可哀想でならなかった。確かに思いこみはあった。わかったつもりで、結局は何もわかろうとしていなかったのかもしれない。それでも、彼女の気持ちを蔑ろにしてしまうことが引っかかった。あなたは東京に行きたかったのかもしれない。東京に夢があるのかもしれない。本心を見ようとしない彼女が悪いのかもしれない。表面だけでなく、もっと奥底の思いを見抜けないでいる私がそこにいるのかもしれない。ただ、すっkしりしなかったのは確かだ。よし、自分もがんばろうと思えない。自分の卑屈さだけが浮き出ていやな気持ちになってしまった。