ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

トゥッケーを作ろう

2011年06月09日 22時20分54秒 | コンケン 第9特別教育センター

タイではむちゃぶりはよくあることで、今日も突然
「なにかシンラパ(芸術)をやって」と言われる。
「準備してないのでできない。」と断ることもこれまで多かったのだが
それはタイではよくないこと。
タイ人はめったに「できない」と言わず、たとえできなくても「ダイ(できる)」と言う。
そして、とりあえずやってみる、口でごにょごにょ言うよりも行動する。

だから、失敗してもいいから「ダイ」と言って とにかくやってみせること、
失敗しても寛容な人たちだからこそ、「できない」と言わないことがタイ社会の中で大事な気がする。
ちょっと遅いけど、今更そう思うことがよくある。

失敗してもいいからやる。
準備はしていない、学習には教師の念入りな準備がとても大事、と思っているけど
そうばかり言ってそれを押し通す、かたくなな私でもきっといけないのだ。

「ダイ(できる)」と言って、すぐに考える。
何をやろうか。
昨日見たトゥッケー。 トゥッケーを作ろうか。 (→昨日ブログ 「ずっと会いたかった トゥッケー」

いつも学習には、
教師の念入りな準備と、それを行う明確な目的が 最も大事と思っている。
が、今回はそんなことをすっとばしてやってみる。
そんな暇と余裕がない。


いきなりだけど、トゥッケーを作ろう。


【学習の流れ】

1 問いかけ。
   「昨日クーサーイ(さちえ先生)はとても驚きました。何に驚いたでしょう。」
   わいわい がやがや  
   「ネコ!」 「鳥!」 など手話で表現してくれる子どもたち。
   違います。正解はこれです。
   昨日撮ったトゥッケーの写真を見せ、動画を見せる。
   写真や動画はみんなの食いつきがいい。
         


2 今からやることの説明
  「今日はかわいいかわいい トゥッケーを作ります。」
  なぜか タイ人にはトゥッケーはあまり好かれていないようで、
  保護者みな、眉間にしわが寄っていた。
  「クーサーイ。こわくないの?」 「クーサーイ、きれいって思うの?」という保護者たち。
  あまりに私がトゥッケーがかわいいだの、きれいだのばかり言うので
  子どもたちも ウンウンうなずき、場は “トゥッケーかわいい” の雰囲気に。
  「かわいいけど、トゥッケーにさわってはいけません。噛まれます。」を付け加えておく。
     

3 作る。
  ① トゥッケーの写真をよく見て、視角でとらえ、その形を紙のうえに書き表す。
    目でとらえたものを二次元に再現することができるかな。
    細かくないおおざっぱな線でよい。
    難しい子には、私が描いたものを紙の下に敷き、なぞって書き写させる。
       

  ② 線に沿って手でちぎる。 ハサミは使わないので、ちぎった部分に味が出る。
    トゥッケーの指のところが難しいが、どんな形になってもそれこそ個性。
      

  ③ 「トゥッケーの水玉模様は何色?」 「オレンジ色!」
    と確認してから、オレンジの紙をちぎり、のりで貼る。
        
 

  ④ 最後に目をつけて、台紙に貼ったらできあがり。
        


まあ、かわいいトゥッケー。
水玉模様にオレンジだけでなく黒を混ぜた子もいる。なんて見る目があることか。
写真を見てこれはオレンジ色だと思ったけど、そう思わない子もいる。
そこに黒を見る子もいる。
すばらしい。


教室の外には、トゥッケーがずらり。
かわいい かわいい 子どもたちのトゥッケー。
    


今まで急に言われたことはあまりやらなかった私が、
今回は学習の目的や準備を棚上げして、タイ人並みにその場しのぎでやってみた。
だけど、きっとやってよかった。
        

柔軟に譲り、だけど譲らないものをもつ、そのバランスって難しい。

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