ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

サオ先生の家族と

2011年12月03日 23時15分28秒 | 日記
「さちえが帰ってきたら、私の実家に連れて行きたいの。」
と、日本から電話をかけたときに、サオ先生がいった。

そして、今日。
休日で、すやすやと眠っていた私の枕元で携帯電話がジャンジャン鳴る。
サオ先生から。
「さちえ、うちに遊びにおいで!」


タイ人は家族を大切にし、家族ぐるみでつきあい、客を家族でもてなす。
親しさの象徴が、相手の家族との関わりだったりする。
実家に遊びに行かせてもらう、家に招待される、それはとても親愛がこもっていることなのだ。
だから、サオ先生の家への招待はとてもうれしかった。

だが、
「さちえ、バスターミナルからチュンペー行きのバスに乗って。
だいたい1時間半よ。バスターミナルの人に『チュンペー行きのバスはどれ?』
って聞くのよ。ついたらまた電話してね!」
おお、なんというスパルタ!
だいたい、他の隊員の話を聞いていると、まあこういう場合は
手厚くお迎えがきて、一緒にいくことが多そうなんだけど、私は
一人でチェンマイに行ったり、ピマーイにいったり、スコータイに行ったりしているのを知られていて、
「外国人なのに、私よりもいろいろ行ってて、一人でいけるなんてすごい。」
と言われたこともあり、
この人は自分で行動できる、すごーい、外国人だけどあんまり心配いらないな、
って思われているみたい。

よっしゃ、頑張っていくぞ、と用意をして家を出ると、また電話。
「さちえ!チュンペー行きのバスに乗ったら、バスの運転手と話ができる?
 運転手に『バーンチャイソーン』でおろして、って頼んでそこで降りて。
 ついたら迎えに行くからね。」
おおおー。 スパルタ!!


バスターミナルから、いわれたとおりに、がんばる。
地名はなかなか通じないことが多いので、ちょっと心配だったけど
運転手にも通じてバスにも乗れた。
1時間半、バスに揺られて、コンケンの中にあるチュンペー郡へ。
久しぶりにバスに乗りお出かけ、わくわくする。
      



おろしてもらったところは、なーーーーーんにもない場所。
    


お迎えが来るまで、花を見たり、風を感じたり。
       



そこにやってきたサオ先生のお迎え。
サオ先生の車の中には、ごはんや食材がたくさん乗っている。
連れて行かれたのは、田んぼの真ん中にある家。
     



まるで、子どものときに憧れた基地のような家で、
サオ先生のおじさんが造ったのだという。
自宅ではなくて、家族みんなでのんびり過ごす別荘的な、隠れ家的な、庵のような存在みたい。
     


なんてきれいな場所。
広い田んぼの真ん中に一本の大きなマカムの木。  (→ 過去ブログ 「マカム」
その木の木陰にある、手作りの家。
池があり、田畑があり、山があり、基地のような手造りの家がある。
    


この横に平たい特徴的な形の山は、チェンマイに行くときにいつもバスの車窓から見ていた山。
ああ、この山のふもとが、サオ先生の家族の遊び場だったのか。
よく見ていた遠いと思っていた景色、それがすぐ身近のタイ人が息づいていた場所で、
急に生活の息吹が感じられるように近く近く自分のそばに感じる。
      


サオ先生と、サオ先生の旦那さん、男の子のフイフイ、女の子のピンピン、
サオ先生の叔母さんと、叔父さんと一緒にごはんの用意をする。
のんびりと、ゆったりと。
       




田畑を歩き、サオ先生と、サオ先生のおばさんといっしょに、パパイヤをとり、
野菜をとる。
         

    

   

女の子のピンピンはおねむの時間で、ハンモックに揺られてすやすや。
ハンモックは子どもだけではなく、大人も使う。
日本人は外では寝ない、と言うとみなさんがびっくりしていた。
「なぜ?どうして外で寝ないの?」
寒いから。危ないから。虫がいるから。いろんな答えを出したけど、
本当にそうかなあ。
どうして日本人は外では寝ないんだろう。
こんなに気持ちよさそうなのに。
       



田んぼの真ん中では、鳥を一羽ドラム缶で囲い、わらをかぶせて焼く。
田んぼの真ん中で、手作りガイヤーンのできあがり。
「黒くなりすぎた!」と大笑い。
     


とったパパイヤで、サオ先生がソムタムを作る。
    

    

        




料理ができあがり、お昼ごはん。
こんなにきれいな自然の空気を吸って、とったばかりの野菜やパパイヤを食べて、
タイ人の家族のやさしい歓迎を受けて、おしゃべりして、
ごはんがおいしい、ごはんが楽しい。
     


とりたての野菜もみずみずしくておいしい。
      



タイのこと、日本のこと、家族のこと、たくさんおしゃべりをして楽しい時間が過ぎる。

「さちえ、クレヨンしんちゃんみたいな子はなんて言うの?」
「いたずらっ子 って言うよ。」
「じゃあ、うちのフイフイ(サオ先生の息子)はイタズラフイフイだ。」

そのあとは、「いたずらフイフイ」と家族みんなから呼ばれる、
サオ先生の7才の男の子。
      



食事が終わったら、「遊びに行こう」といわれ、車に乗って5分。
フイフイと荷台にのって、遊びながらはしゃぎながら行く。
      



あの、特徴的な平たい山にいく。
山の中に入って、みんなで散歩して、
「これの木はマコーの木よ。」
「ここからの眺めがきれいでしょう。」
と、景色を見たり、植物を見たり。
のんびりと、自然を楽しみながら散歩する。
みんなで散歩する。
    

     

     




家族一緒に歩くって、それだけですごく楽しいことだなあと感じる。
タイ人が家族を大事にし、家族でもてなす気持ちに、ちょっと近づいた気がする。
家族でもてなす、それが最高のもてなしだと思う。
だって、こんなに穏やかで楽しい。



釣りをしたり、ハンモックに揺られたり、思い思いにゆっくりと時間を過ごす。
魚のえさはカオニャオ(蒸したもち米)。
もち米を特別なときにしか食べない日本人からすると、
毎日食べているイサーンの人たちもいいなあーと思うのに、
魚にまであげちゃうとは。
   

         

         

         
 カオニャオの籠を持つと、私もイサーン人になれたみたいな気分。




基地のような田んぼの中の別荘をあとにして、サオ先生のお宅にお邪魔する。
サオ先生はここでタイのごはんを作っているんだな。
タイでは、基本、台所は外にある。
家の中で火を使うのは危ないし、家の中に食べものを置くと蟻がくる、
外なら食器もすぐに乾くし、外で作れば油や食べ物の汚れが飛び散るのも気にしなくていいし、
そして、外で食べるとおいしい。
全く理にかなっていると思う。タイの台所は。
    

はて、日本はなぜ、家の中に台所をつくったんだろう。


タイにいてタイの合理的な、サバーイ(快適)な生活を見ていると、
これまで当然と思い、疑問ももたなかった日本のスタイルが
不思議に見えてくる。



おみやげであげた、万華鏡がある。
いたずらフイフイも、ピンピンも、とても喜んだのよ、とサオ先生がいう。
      


ココナッツジュースとファラン(グァバ)をごちそうになって、バス停まで送ってもらう。
      


いたずらフイフイもいっしょに送ってくれる
      




また、1時間半のコンケンへのバス旅。
タイ人って、こうやって休日を家族でゆっくりとのんびりと過ごすんだなあ。
ガツガツと旅行したり、疲れるほど遊んだりしない。
暖かくて涼しい木陰で、ごはんを食べて、ゆったりと時間を過ごして。
なんて素敵な休日なんだろう。
      


翌日、センターでは
「さちえはサオの家にいったんだって?」
「誰が迎えに来てくれたの?」
「誰といったの?
「チュペーまで一人で行ったの??すごーい! 上手上手!」
と、ほめられて悪い気がしない私。
「うちにも遊びにきてよ。」といってくれる先生たちの家に
ぜひ遊びにいきたいけど、そうはいったものの
すっかり忘れちゃったり、急に当日の朝思いついて電話してきたり、
そういうおちゃめなタイ人たちだから、さあ、私の任期残り4ヶ月をきって
どれだけ実現できるかな-。


      













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